予想を裏切る展開が話題「フォローされたら終わり」 ヒロイン小川紗良インタビュー

「ものづくり」への情熱を持っている【写真:山口比佐夫】
「ものづくり」への情熱を持っている【写真:山口比佐夫】

「現場でものづくりに参加することがすごく好き」 クリエイターとして重ねる成長

――監督業もこなすからこその演技論のお話だと思います。女優として監督としての顔を持つ中で、どのように気持ちを切り替えているのですか。

「映像を監督として撮る時と、女優として出る時は、視点が全く異なります。そこの切り替えは、自分の中でもまだまだ課題なのですが、私はとにかく現場でものづくりに参加するということがすごく好きです。その立ち位置が役者であれ、監督であれ、ものづくりに参加することが楽しいという思いは変わりません。その気持ちを持ちつつ、でも、視点の切り替えについては頑張って変えていこうという感じです」

――早稲田大学では是枝裕和監督から映画を学んだとお聞きしました。演技と監督はどの部分がリンクして、どう相互作用でプラスになりますか。

「役者と監督を両方やっている中で、いい面と悪い面のどっちもあります。いい面としては、画角やカット割りのことがわかったり、脚本が読み込みやすかったりします。それに、自分が監督をやる時は、役者さんの気持ちに寄り添いやすいところもあります。それでも、どちらもわかり過ぎても雑音になっちゃう時があって……。役者の時は役者に、監督のときは監督に集中したほうがいいと考えています。あまり見え過ぎると、気になって集中できないこともあるので、気を付けるようにしようと思っています」

――多忙だとは思いますが、ハマっていることはありますか。

「昔のアニメやドラマを観るのにハマっています。アニメだと、『タッチ』『美少女戦士セーラームーン』。ドラマだと、最近は『愛していると言ってくれ』を見ていて。常磐貴子さんと豊川悦司さんが出られていて。1980年代、90年代のドラマやアニメは演出が凝っていて、ファッションもすごくかわいい。1周回って新しく見えるという感覚です」

――昔の作品を観て、演技の勉強や映像のつくり方の参考にすることはありますか。

「演出面でまだそこまで実践はできていないんですけど、こうするんだと参考になるところはいっぱいあります。例えば、今のドラマやテレビは、『とにかくわかりやすく』みたいな部分があるじゃないですか。昔のアニメやドラマの演出は、あえて大事な一番聞かせたいセリフを、すごい引きのシルエットの画で表現したりしているんです。どーんとアップするというわかりやすい画ではない。ちょっと違う印象的な画で見せることで、逆に印象付くみたいな。すごく考えられているなって思います。最近は足し算の演出が多いなという気がしますが、昔は引き算の演出がすごく多い。すごく参考になります」

□小川紗良(おがわ・さら)1996年6月8日、東京都生まれ。高校時代に雑誌モデルに選ばれ、学校行事を撮影・編集して校内で上映するなど、映像にも取り組む。2018年秋から本格的にテレビドラマに進出。今年はNHK連続テレビ小説「まんぷく」に出演するなど、女優として飛躍。情報バラエティー番組「サン・ジェルマン伯爵は知っている」(テレビ朝日系)にもレギュラー出演。映画監督作品は「最期の星」(18年)など3作品。今春に早稲田大学を卒業。AbemaTVのオリジナルドラマ「フォローされたら終わり」で好演している。https://abema.tv/video/title/90-1316

衣装協力:クリエイトクレイル
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