山下久美子独白、歌手として母として双子の娘たちと愛を育んだ20年

佐野元春、大澤誉志幸など同世代の活躍に刺激を受けることも多い【写真:荒川祐史】
佐野元春、大澤誉志幸など同世代の活躍に刺激を受けることも多い【写真:荒川祐史】

自分中心の世界から、娘たちに見せてもらった世界

――佐野元春さんや、大澤誉志幸さんなど同じ時代を生きてきた仲間が、今も普通に活動しているっていうのは久美子さんにとっても励みになりますか?

「そうですね。普通にやれているってところがすごいですよね。私もようやく出来るようになってきましたが、昔は『山下久美子だぞ!』って、自分中心の世界しか見えていなかったんでね。でも娘たちが生まれて、見たことのない世界を見せてもらって、徐々にですけど変わってきましたね。それからもう20年も経ったわけですから。ようやく年齢と気持ちが、そこに達してきたなかっていう感じかな」

――久美子さんが好きなキャロル・キングや「プリテンダーズ」のクリッシー・ハインドなど、海外のアーティストも素敵な年齢の重ね方をされていますよね。

「私はマドンナと同い年なんですよ。彼女とは全然違うんだけど(笑)。ダイアナ・ロスは今でもしっかり声が出ているし、そういった影響与えてくれたアーティストたちが、今も活動している姿を見るとすごく励みになりますね」

――自分も負けていられないぞと?

「そんなふうに思わない(笑)」

――最後に娘さんたちから教えてもらった音楽があったら教えてください。

「結構彼女たちも音楽を知っているんです。Suchmosが好きだよとかね。ビリー・アイリッシュは、勉強になりました。最近のサウンドはすごい音数が少ないんだよねとか、ハイレベルなサウンドを作っていたり、なんであのボーカルはあんなに生っぽく聞こえるのかとか、そうやって音楽でコミニケーションできるようになったのはうれしいですし、そんな話を聞くと彼女たちも成長しているんだなって感じます」

□山下久美子(やました・くみこ)1980年にシングル「バスルームから愛をこめて」でデビュー。82年「赤道小町ドキッ」が大ヒットし、その後もハスキーでキュートなヴォーカルとロック色の濃いポップスで「こっちをお向きよソフィア」「瞳いっぱいの涙」など、数々の楽曲をスマッシュ・ヒットさせる。90年代には海外レコーディングやセルフ・プロデュースなど新たなアプローチを展開。デビュー20周年には佐野元春や桑田佳祐らをゲストを迎え「THE_HEARTS」をリリース。25周年にはデュエットアルバム「Duets」、30周年には「手をつなごう」をリリース。2016年3月30日、35th記念としてデビュー以降の楽曲からのベスト・アルバム「山下久美子 オール・タイム・ベスト Din-Don-Dan」をリリース。20年10月21日、デビュー40周年記念作品「愛☆溢れて! ~Full Of Lovable People~」をリリース。

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