「香水のせいだよ」路上ライブで心折れた無名のシンガー、瑛人の逆転人生

20年後に誇れるようなファーストアルバムが完成【写真:本多元】
20年後に誇れるようなファーストアルバムが完成【写真:本多元】

「Mステ」初出演後に待っていた粋なサプライズ

――「Mステ」初出演を振り返ってみていかがでしたか?

「やっぱり初めてのテレビだったので緊張しました。最初は『1人で歌いますか?』って聞かれたんですけど、淳ちゃんと2人でやりたいとお願いして。そしたら前日のリハーサルを3回やって3回とも失敗しちゃって。『ああヤバいかも』ってそのときは思いましたけど、余計なこと考えないでやろうって。スタッフさんは袖で心配そうに見てましたね(笑)。本番は無事に歌えて、今後の課題はたくさん見つかりましたけど、淳ちゃんと一緒に出来たことがうれしかったですね。タモリさんは、とっても優しくて温かいオーラがあって本番中もついチラチラ見てしまいました(笑)。放送が終わって『また来てくださいね』って言ってくださって、めっちゃうれしかったです」

――放送後にサプライズもあったとお聞きしました。

「はい。出演を終えて、事務所に戻ったら、お世話になったルンヒャンさんと翔やんさんと、事務所の先輩の(森山)直太朗さんが待っていてくれて。僕の出番をテレビで見ていてくれて。翔やんさんが『今日に関しては200点だ』って。直太朗さんも『これがはじまりだな!』って言ってくれて。“うわーー!”ってなりましたね。超うれしかったです。その後、おいしいお酒をいただきました(笑)」

――怒涛の快進撃にプレッシャーを感じてしまうことは?

「それは全然ないんです。そもそも『香水』は奇跡だと思っていて。これからもずっとこれまでと変わらずに自分の曲を作って磨いていくことが大切だと思ってますから」

――2021年元日発売の初めてのアルバムが、ついに完成しましたね。

「そうなんですよ。ようやく」

――興味深かったのは、関口シンゴさんをプロデューサーに起用されたことで。これまで数多くのアーティストのプロデュースをされていますが、ソロとしてもバンドとしても音から風景や映像が見えるようなそんな作品を数多く残している方なので、瑛人さんの曲にどんな影響を与えてくれたのかとても楽しみです。

「ありがとうございます。おっしゃる通り、関口さんは、素晴らしいミュージシャンですし、プロデューサーなので、100%信じてお願いしました。とっても優しいし、レコーディング中も笑ってくれて、本当に楽しく作れましたね」

――関口さんも「こんなに楽しくて笑いながらボーカルレコーディングしたのは初めてだ」っておっしゃっていたとお聞きしました。

「うれしいです。今まで自分が書いた曲を全て出し尽くして作ったアルバムなので、『すっからかん』というアルバムタイトルを付けました。まだまだ経験も浅いのですが、今自分が感じたことをアウトプットできたと思っています。まずは皆さんに聞いてほしいですし、僕自身も20年後にこのアルバムを聞いたとき、『あの時最高だったなあ』って心から言えるような、そんな思いを詰め込んで作りました」

――2021年はどんな歌を聞かせてくれるのか楽しみです。

「アルバムタイトルそのままで、今は『すっからかん』なので(笑)。またゼロから作り始めなきゃいけないですね」

□瑛人(えいと)神奈川県横浜生まれ横浜育ち。19歳から曲を書き始め、2019年4月、21歳の時に「香水」EPにて初めて楽曲をリリースし活動をスタート。映画「ジャージーボーイス」からインスピレーションを受け、自主企画ライブ「Jersey Eight」を定期的に開催。20年1月「HIPHOPは歌えない」、「シンガーソングライターの彼女」をリリース。同年の春、1年前にリリースした「香水」が、SNSでの多数のカバー動画が話題を呼び、オリコン週間合算シングルランキング、LINE MUSIC 月間ランキング、SNSでの話題楽曲チャートSpotify JapanバイラルTOP50、Billboard JAPAN 総合ソング・チャート、他数々の音楽チャートで1位を獲得。各種サブスクリプションサービスでの総再生回数2億回、YouTubeでのミュージックビデオ再生回数は1億2000万回を突破している。21年1月1日(金)には1stアルバム「すっからかん」をリリース。さらに21年1月31日(日)にリリースを記念したワンマンライブ「1stアルバム『すっからかん』発売記念ライブ~トゥゲザーすっからかん~」を渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催する。

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