長州力はなぜ若者の心をとらえたのか 「ハッシュドタグ」「飛ぶぞ」流行語連発を本人に直撃

 元プロレスラーの長州力(69)が令和の時代にSNSで脚光を浴びている。1年前、68歳にしてツイッターを開設。使い方をよく理解しないまま書き込んだとみられる「ハッシュドタグ」「井長州力」などのつぶやきが話題を集め、今やフォロワー数は50万人超えた。また、2年前にテレビ番組の中で発した「飛ぶぞ」というセリフが、ネット配信をきっかけに、ギャル雑誌の流行語大賞にもランクイン。コロナ禍の中、一時は11社のスポンサーと契約を結ぶ人気ぶりとなった。スポンサーはSNS上で長州が商品名を誤ってつぶやいてしまうことも歓迎するなど、新たなマーケティング手法まで確立。そんな「長州力現象」を本人はどう思っているのか、直撃した。

取材に応じた長州力
取材に応じた長州力

話題沸騰「ハッシュドタグ」の真意

 元プロレスラーの長州力(69)が令和の時代にSNSで脚光を浴びている。1年前、68歳にしてツイッターを開設。使い方をよく理解しないまま書き込んだとみられる「ハッシュドタグ」「井長州力」などのつぶやきが話題を集め、今やフォロワー数は50万人超えた。また、2年前にテレビ番組の中で発した「飛ぶぞ」というセリフが、ネット配信をきっかけに、ギャル雑誌の流行語大賞にもランクイン。コロナ禍の中、一時は11社のスポンサーと契約を結ぶ人気ぶりとなった。スポンサーはSNS上で長州が商品名を誤ってつぶやいてしまうことも歓迎するなど、新たなマーケティング手法まで確立。そんな「長州力現象」を本人はどう思っているのか、直撃した。

 長州に、SNSを利用したことで、人生の楽しみが増えたかどうかを聞くと、穏やかな笑みを浮かべてうなずいた。

「ああ、そういう部分は俺にはあるよね。面白い、楽しいっていう。だからみんなやってるんじゃない。ツイッターとかブログとか。要するに、知らない人から(反応が)来るわけだから。特に意識しているわけではないんだけれど」

 火がついたのは、ツイッターだった。昨年12月25日にアカウントを開設。ツイッターの仕組みや機能を完全に理解していないまま書き込んだようなつぶやきが話題となり、今年3月中旬にツイートした「ハッシュドタグ」で大ブレーク。有吉弘行や指原莉乃など著名人が相次いでフォローするなど人気アカウントの仲間入りを果たした。その後、YouTubeも開設し、ブログも含めてSNSを使いこなす日々が続いている。

 本来、ツイッターは文字通り、つぶやくもの。しかし、有名であればあるほど、つぶやきが注目を集めるため、言葉を選んで発信する著名人も少なくない。ところが、長州の場合はあくまで自然体だ。思ったことをつぶやいただけ。それが本人の意図するところ以外で、騒がれ、話題になってしまうのだから、不思議がるのも無理はない。

「なんか、わけわからない年寄りのオチっぽい文章を最後にポンって入れてあげると、ケラケラって笑ってくれる。そんなに、こう、話題を取るような考えもないんだけど、ちょっとおかしく書いたりな。でも、実際、(身の回りで)起きていること。そんなもんだよ、本当に」

 50万人を超えるフォロワーの大半は長州のレスラーとしての全盛期を知らない、10代や20代の若者だ。プロレスファンというより、プロレスラーであったことすら知らないかもしれない。

 長州は「今の若い世代と、今の俺の世代がずいぶん空いたっていうことだよね。俺、昭和じゃん。そのへんのギャップがあるんじゃないの。だから、笑いのキモっていうか、今の世代のツボを意識してしゃべっているわけでもないし、だからなんでなの?って」と苦笑した。

「ハッシュドタグ」を始めとする独特のつぶやきは、ツイッターの使い方を学びながら、見よう見まねでツイートしたものだ。「あれ、独特じゃなくて失敗作」と、本人的には納得がいっていない。

「俺はその機能をこなすのに必死。すべて把握しているわけじゃないですよ」というのはまぎれもない本音。「本当に反響っていうのは、俺はにぶいよ。なんかこういうのがバズってるとか、そういうことに、あんまり意識はない」と繰り返した。

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