芸能人の不倫、安倍総理辞任、コロナ…「女性セブン」のリアルタイム連載小説が書籍化

北川景子主演で映画化もされた代表作「スマホを落としただけなのに」で現代社会の闇を描いた作家の志駕晃氏。12月17日に単行本が発売された最新作「彼女のスマホがつながらない」(小学館)は、現実社会と小説が交錯する“リアルタイムミステリー”として、今年2月から10月まで「女性セブン」誌上で掲載された週刊連載小説だ。相次ぐ芸能人の不倫報道、安倍総理の辞任、そして拡大する新型コロナウイルス。現実の事件、固有名詞が現在進行形で登場するかつてない試みの連載小説はいかにして生まれたのか。著者に聞いた。

インタビューに応じた小説家の志駕晃氏
インタビューに応じた小説家の志駕晃氏

現実の事件や固有名詞が現在進行形で登場するリアルタイムな連載小説

 北川景子主演で映画化もされた代表作「スマホを落としただけなのに」で現代社会の闇を描いた作家の志駕晃氏。12月17日に単行本が発売された最新作「彼女のスマホがつながらない」(小学館)は、現実社会と小説が交錯する“リアルタイムミステリー”として、今年2月から10月まで「女性セブン」誌上で掲載された週刊連載小説だ。相次ぐ芸能人の不倫報道、安倍総理の辞任、そして拡大する新型コロナウイルス。現実の事件、固有名詞が現在進行形で登場するかつてない試みの連載小説はいかにして生まれたのか。著者に聞いた。

誰もがアッと驚く夢のタッグ…キャプテン翼とアノ人気ゲームのコラボが実現

「最初は女性セブンから連載の話をいただいたのがきっかけ。女性誌の読者に読んでもらえる話って何だろうと考えた時に、女性誌の編集部と、当時流行っていたパパ活を題材にすれば興味を持ってもらえるかなと思いました。せっかく週刊連載をやるからには世の中の出来事をリアルタイムで散りばめたら面白いかなと。女性誌から連載の話をいただいたからこそ生まれた企画と言えますね」

 本作はパパ活を始めた主人公の女子大生が殺人事件に巻き込まれ、時を置いてもう一人の主人公である女性誌の編集者がその事件の真相に迫っていくという二重構造のミステリー。最大の特徴は現実の出来事が小説内に干渉を及ぼすという点だ。新型コロナウイルスの感染拡大で警察の捜査は遅々として進まず、相次ぐ芸能人の不倫発覚で編集者の主人公も取材対応に追われていく。

「ゲラ直しを月曜まで遅らせてもらって、木曜発行のギリギリまで旬なニュースを組み込めるようにお願いしました。僕自身ラジオの制作出身なので、情報は一番新しいところを持ってくるのが一番面白いと思っています。その週の、つい3日前のニュースが出てくるので、当時連載で読んでいた人は相当面白かったと思いますよ」

次のページへ (2/3) 予測のつかないコロナ禍が小説の展開にも影響
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください