「盆踊り居酒屋」にトレンドの予感 新たな社交場とインバウンド需要に注目

盆踊りと居酒屋という日本特有の文化を同時に楽しめる「盆踊り居酒屋」が、5月17日に東京・新宿産直横丁で開催された。盆踊りを飲食しながら鑑賞し、実際に踊って楽しめる体験・参加型エンターテインメント居酒屋。インバウンド(訪日外国人)の観光需要が見込まれ、近年のダンスブームと親和性の高い新機軸のイベントの展望を探った。

新たなトレンド「盆踊り居酒屋」。飲食しながら踊って楽しめる体験型エンターテインメントだ。
新たなトレンド「盆踊り居酒屋」。飲食しながら踊って楽しめる体験型エンターテインメントだ。

見よう見まねの踊りで一体感 初参加でも楽しめる魅力

 盆踊りと居酒屋という日本特有の文化を同時に楽しめる「盆踊り居酒屋」。盆踊りを飲食しながら鑑賞し、踊って楽しめる参加型エンターテインメント居酒屋だ。インバウンド(訪日外国人)の観光需要が見込まれ、近年のダンスブームと親和性の高い新機軸のイベントの展望を探った。

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 この「盆踊り居酒屋」には、公益財団法人日本民謡協会教授の鳳蝶美成(あげはびじょう)師範と、日本舞踊経験者の女性グル-プ「盆女」(ぼんじょ)が出演し、始まる前には鳳蝶美成師範と盆女が来場者に対して盆踊りのレクチャーを行った。もちろん参加者は好きなときにお酒を飲んで、好きなときに自由に踊りを楽しむことができる。いい意味で脱力しながら楽しめる空間である。

言葉はいらない盆踊りは、世界共通のエンターテイメント
言葉はいらない盆踊りは、世界共通のエンターテイメント

 盆踊りタイムは鳳蝶美成師範と盆女による踊りの披露からスタート。盆踊りを初めて観る来場者も多かったが、フロアで踊っている盆女のステージを食い入るように観て、楽しさが伝わったのか、その踊りを観ながら見よう見まねで踊りだす人たちも多くいた。

 そんな演舞のあとは、いよいよ盆踊りタイムに突入。まず盆踊りの定番曲「東京音頭」が流れ出した。イントロが流れたところで、あっという間にフロアはいっぱいになり、店内に「東京音頭」が鳴り響き、みんなが笑顔で楽しそうに踊り出した。続けて「炭坑節」が流れるのだが、こちらも初めて聴く人が多いのに、曲が終わるころには、ほとんどの人がすべてのフリを覚えてしまう姿が見受けられた。盆踊りには、踊りを覚えると何度も何度も踊ってみたくなるという傾向がある。気が付くとフロア全員で覚えたての踊りを楽しみながら踊り、いつの間に一体感が生まれていた。

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