石原さとみが大切にする「好奇心」 母親から受け取った“人生最高の贈りもの”
ヒロインとの共通点は「食べることが好きなこと」
――ご自身との共通点はありますか?
「食べるのが好きなことです。命が短いことが分かってからも、食べることをやめなかった彼女って、生きることへの執着のように見えるのかもしれないんですけど、一口一口をちゃんと味わうように生きたかったんだと思います」
――食べることは、生きることですね。
「撮影の前に舞台をやっていたんですが、ちょうど自炊を始めた頃で、人生で朝食を初めて作ったタイミングでもあったんですね。自分1人のためにご飯を作って、自分のお腹を満たす。食と向き合う時期だったんです。食を共有するって、どれだけ幸せなことだということが芽生えた中、現場に入ることができました」
――ゆり子のように、余命が短いと分かったら、どんなふうに時間を過ごすと思いますか?
「私は黙っていないで、すぐにみんなに言いますね。実況中継のように、『病院なう』みたいな感じで(笑)。一緒に病気と闘ってくれる味方と一緒に過ごしたらいいなと思います。家族を筆頭に、同じ気持ちで、一緒に病魔と闘って、その中での幸せを感じられる時間を作っていくのかな」
――ゆり子のような行動は取らない?
「でも、友達たちとは会うかな。あんまり連絡を取れていなかった子たちに会ったり、ちょっと地方まで足を運んでみるとか。病気についてとことん調べると思います」
――父と娘の機微が描かれている作品だと思いますが、父親役の寺尾さんの印象は?
「すごく愛してくださいました! 『こういう石原さとみが見たかった』と言ってくださって、気さくにいろんなお話をしました。撮影後もプライベートで何度かお会いさせていただきました。私の誕生日、クリスマスイブにライブに呼んでいただいたんです。娘を思いやる父のように、愛を与えてくださって、本当にこの作品で寺尾さんに出会えてよかった。大きな味方というか、包んでくれる愛を持ってくださる方が増えて、心強く思いました」
――夫役の向井理さんの印象を教えてください。
「初共演ですが、初めてと思えないぐらいよくしゃべっていました。面白くて、紳士で、気さくで、自然体の人。お芝居に入ったときも、ずっと黙っている時も、その空気感が心地いいんです」