ウーバーイーツは稼げるのか? コロナ禍で実際に配達を始めた舞台俳優に聞いてみた
新型コロナウイルス感染症の第3波が、一向に収まらない。クリスマスや年末年始も外出を避け、フードデリバリー(出前)を利用する人がさらに急増しそうだ。利用する人が増えれば、提供する側も増える。劇場での活動が厳しくなった俳優らが配達のアルバイトを始める例も少なくないと聞く。それを「気の毒」とみる声や配達員のマナーが問題視される反面、ツイッターには「ウーバー(Uber Eats)イケメン率高い」などのコメントも見かける。当の配達員はどのような思いで働いているのか。Uber Eatsで働く舞台俳優・長沼薫さん(31)に話を聞いた。
始める前は「何となく抵抗があった」Uber Eatsのアルバイト
新型コロナウイルス感染症の第3波が、一向に収まらない。クリスマスや年末年始も外出を避け、フードデリバリー(出前)を利用する人がさらに急増しそうだ。利用する人が増えれば、提供する側も増える。劇場での活動が厳しくなった俳優らが配達のアルバイトを始める例も少なくないと聞く。それを「気の毒」とみる声や配達員のマナーが問題視される反面、ツイッターには「ウーバー(Uber Eats)イケメン率高い」などのコメントも見かける。当の配達員はどのような思いで働いているのか。Uber Eatsで働く舞台俳優・長沼薫さん(31)に話を聞いた。
「ウーバーイケメン率高い」って声があるんですか? それは嬉しいですね(笑)。コロナでメンタルが落ち込み、「何とかしよう、変わりたい!」と思っていたとき、役者仲間から「やってみたら」と勧められて、最初は何となく抵抗があったんですけど、「1回やってみて、合わなければやめればいいや」と思って10月後半に登録して始めてみました。
で、始めてみたら、すっごいハマッちゃいました(笑)。いろんな発見があって面白くて。住んでいる地域を中心に自転車で配達しているんですけど、「こんな飲食店があるんだ」とか「この道を通れば早く届けられるかな」って街を探検するような気持ちで配達できるんですよ。
その日の体調やスケジュールに合わせられるのもいいですね。休憩したければ休憩し、他にやらなければいけないことがあるときは、それを優先できる。1月に舞台を予定しているので、そのためのクラウドファンディングを起ち上げ成立したため、支援者にリターン品のオルゴールを作ったり、劇団仲間とZOOM会議をしたりもするので、自分が働きたい時間に働けるのはとても助かります。役者には合っていますね。
新型コロナウイルス感染症で心が蝕まれた
もともと身体を動かすのは好きでした。4歳からサッカーをやっていて、中学のときはJリーグのチーム・北海道コンサドーレ札幌のジュニアユースに所属し、高校時代まで打ち込んでいました。高校卒業後、将来は体育の先生になれたらいいな、と漠然と思って大学に進学しました。でも、熱くなれるものを見つけたい、自分のオリジナリティーを表現する場に身を置いてみたい、と大学を辞めて上京してきました。芝居に関してはまったくゼロの状態で(笑)。幸い上京後、たくさんのステキな仲間に恵まれ、自分なりに順調に活動してくることができました。ところが、コロナでまったく先が見えなくなってしまって……。
コロナは精神も蝕むような気がします。僕は自粛期間中、家にずっといてインスタライブを2日に1回やり、そのためのネタ作りもしていたので忙しかったし、仲間もいて孤独を感じてはいませんでした。なのに、知らず知らずのうちに蝕まれていたみたいで。夜中、決まって3時半頃に動悸で目が覚め、時計の針の音が耳から離れなくなり不安が押し寄せてきました。「これじゃ何のために上京してきたのか分からない」と思ったりして……。
なんと1か月ちょっとで7キロ減量!
それが、Uber Eatsで働き始めて規則正しい生活を送り、身体を動かし、太陽の光を浴びているうち、落ち込むことがいつの間にかなくなっていました。基本は朝6時に起き、配達は朝7時から夜7時まで。昼間、身体を動かしているので、夜は10時頃には眠くなってきます。睡眠の質も良くなったんでしょうね。ぐっすり眠れます。そして、翌朝には「今日も稼ぐぞ!」という気持ちになれるんですよ。
体力もついたし、1か月ちょっとで7キロ減量することもできました。使用しているのは、1日200円で貸し出している駅前のレンタルサイクルーー電動アシストママチャリなのに! 食事の見直しや筋トレを始めたことも、減量につながっているんだと思いますけど、本当に健康的になりました(笑)。