めちゃイケ“ガリタさん”が仕掛ける通販のエンタメ化 “畑違い”営業部門だからこその発想力
“楽しい時間をみんなで共有する”がテレビの魅力 YouTubeとの違いは…
そして、中尾氏と話し合いを進めるうちに、自身が長らく携わってきたバラエティーに焦点を当てることになった。明松氏は以前から好きだった海外のプレゼン番組「TED」をヒントに、アイデアを煮詰めていった。意識したのは、「商品に込められた情熱のホント」。実は、企画を精査する段階で、タレントにプレゼンしてもらうという案もあったが、「商品を開発した当事者の情熱はどこまで行ってもホントで、タレントはその情熱を背負いきれない」という判断で、商品開発者にプレゼンしてもらうことにした。ただ、新型コロナウイルス禍によって当初の今春の放送計画が変更。参加する企業探しに苦労しながらも、構想から1年以上で放送にこぎつけることになった。
明松氏の熱意に、制作サイドも応えた。今回の新番組は、パンサー尾形が初の冠番組MCを務め、ゆきぽよが“若者目線”でコメントを加えていく。演出を担当した同局の間島陸氏によると、プレゼンに挑戦する企業担当者と話す中で、商品にかける熱量に圧倒されたという。MCの人選について、「ピュアで何事にも全力で取り組む尾形さんなら、プレゼンターの熱量を倍増させてくれると思います。ゆきぽよさんには、尾形さんにバシバシ物申す立場としてスタジオを盛り上げていただき、時にはプレゼンターや商品を“忖度ゼロ”で切り伏せるような一幕にも期待しています」とコメント。「これまでにない新感覚の通販番組を作ります」と意気込みを見せている。
昨今、映像メディアはYouTubeなどの多様化で過渡期を迎えている。明松氏は、テレビ業界に貢献したいという思いが強く、大きなビジョンを持って取り組んでいる。「YouTubeは局地的なコアなファンを増やし再生回数を増やしていく。個人個人が好きなタイミングで視聴する。一方、テレビは大きな広場に番組を投げて、同じタイミングで、より多くの人に楽しんでもらう。作り方に違いがある」と指摘する。
“面白くて楽しい時間をみんなで共有する”がテレビの魅力。明松氏は「だからこそ、テレビはみんながリアルタイムで見たいと思う“一流のピカピカなコンテンツ”を作ること大切。いま、フジテレビは、今回演出を担当する間島君のように優秀な人材が育っているので、彼らにはぜひ“満振り”してほしいですね。僕も、微力ながらテレビ業界を活気づけることができれば」と力を込めた。