映画史上初、渋谷駅前のスクランブル交差点での大爆破シーンはどう実現したのか?
佐藤浩市が主演するクライム・サスペンス映画「サイレント・トーキョー」(12月4日公開)はクリスマス・イブに起こった連続爆破テロ事件をめぐる群像劇だ。見どころは、前代未聞の渋谷駅前スクランブル交差点での大爆破シーン。リアルなシーンはいかに実現したのか。ドラマ、映画「SP」シリーズを手掛けた波多野貴文監督が、驚きの舞台裏を明かした。
映画「サイレント・トーキョー」波多野貴文監督が明かす撮影秘話
佐藤浩市が主演するクライム・サスペンス映画「サイレント・トーキョー」(12月4日公開)はクリスマス・イブに起こった連続爆破テロ事件をめぐる群像劇だ。見どころは、前代未聞の渋谷駅前スクランブル交差点での大爆破シーン。リアルなシーンはいかに実現したのか。ドラマ、映画「SP」シリーズを手掛けた波多野貴文監督が、驚きの舞台裏を明かした。
――まずは本作に込めた思いをお聞かせください。
「この作品はクライム・サスペンスであり、家族の愛の物語でもあり、なぜ、この爆破事件が起こってしまったのかという謎解きもあります。大人たちが責任を取る話でもあるし、若者たちが時代を乗り越えていく物語でもある。いろんな顔を持った作品だと思っています」
――それにしても、見どころは渋谷駅前スクランブル交差点での爆破シーンですね。あのシーンは最初から撮れると思っていたんですか?
「まず面白い台本にしたいっていうのがあったので、本作りではあまり考えてなかったです(笑)。撮影はVFXもありますし、なんとかなるだろうなと思っていました。最初からこの画は撮れないでは、新しいモノは創れませんから。今までもリアルでは不可能な画を可能にしてきました」
――渋谷のシーンはすべて栃木・足利でのオープンセットでの撮影だそうですね。どういうふうに撮っていったのですか?
「同じ時期に、中国映画、Netflixのドラマ(『今際の国のアリス』)が渋谷のオープンセットを作る話もあったので、3作品がお金を出し合うなら、そこでできると思ったんです。撮影はちょうど1年前で、寒い時期だったのですが、現地の方にご協力いただいたり、渋谷から観光バス10台を出して現場にきていただいたりしました。2週間、1000人以上のエキストラさんに来ていただいた日が何日もあります。ホントに本当に頑張って頂きました。エキストラの皆さんの協力が得られたからこそ、成立した作品だと思います」
――あの規模のモブ(群衆)シーンはなかなか撮れないですよね。
「こんな画が撮れるのは幸せですよね。これまでの経験がいきているんだと思います。助監督だった『交渉人 真下正義』(05年)では5000人規模のエキストラの入れ替えを1日3回やっていました。多くの人を動かすことには少し経験値があったんです」