「はやぶさ」を「きみ」と呼んだワケ、12月6日帰還を前に制作者が明かす秘話

昨年、小惑星「リュウグウ」でサンプルを採取した小惑星探査機「はやぶさ2」が12月6日に帰還する。初代はやぶさ、はやぶさ2の10年以上に渡る活躍を描いたフル3DCG映画「劇場版HAYABUSA2~REBORN」(11月27日公開)の上坂(こうさか)浩光監督と「はやぶさ」プロジェクトに関わった元NECエンジニア、小笠原雅弘さんが帰還を前にその魅力について語り合った。

取材に応じた上坂浩光監督(左)と小笠原雅弘さん【ENCOUNT編集部】
取材に応じた上坂浩光監督(左)と小笠原雅弘さん【ENCOUNT編集部】

小惑星「リュウグウ」でサンプルを採取した小惑星探査機「はやぶさ2」が帰還目前

 昨年、小惑星「リュウグウ」でサンプルを採取した小惑星探査機「はやぶさ2」が12月6日に帰還する。初代はやぶさ、はやぶさ2の10年以上に渡る活躍を描いたフル3DCG映画「劇場版HAYABUSA2~REBORN」(11月27日公開)の上坂(こうさか)浩光監督と「はやぶさ」プロジェクトに関わった元NECエンジニア、小笠原雅弘さんが帰還を前にその魅力について語り合った。

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――小笠原さんは「劇場版HAYABUSA2~REBORN」をどうご覧になりましたか?

小笠原さん「私は1982年にNECに入って、いろんな衛星の軌道航法・誘導をやってきました。XYZで示される座標上の衛星の位置計算する分野です。初代はやぶさのミッションは2003年の打ち上げから、17年分を一気に見せられた感じ。私の技術者としての後半の人生のほとんどで、時の長さを感じましたね。今回の一番の見どころはタッチダウン。自分があたかも『はやぶさ』の目になって、動く。あれは本当に素晴らしいと思います」

――この劇場版はプラネタリウムフルドーム作品「HAYABUSA」シリーズを再編集されたもの。JAXA監修の下、作られたドキュメンタリーですが、実際は全編フル3DCGによるものですね。

上坂監督「はやぶさの活躍の様子はミッション関係者も見られていない。映像によって、何か手応えを感じて欲しいですね。ドキュメンタリーとは言っていますが、単純にミッションを説明している映画ではなくて、いろんな思いを込めました」

小笠原さん「09年に初代はやぶさをテーマにした第1作『HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-』を見た時に衝撃を受けたんです。『はやぶさ』の場合は、地球の力を使って軌道を変えるスイングバイが重要なイベントになっていて、いろんな人に説明するわけですが、難しくて分かってもらえない(笑)。でも、この映像を見たら、分かる。だから、講演などでも使わせてもらっています(笑)」

上坂監督「今回もかなりリアルに作ったんです。『はやぶさ2』はスラスター(推進システム)を細かく噴射して位置を変えていくんですが、制御の仕方は60分の1秒単位なんです。はやぶさ2のプロジェクトマネジャーの津田雄一さんに見ていただいたら、『これだよ』とお墨付きをもらいました」

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