「神給食」と反響も職員困惑…“給食格差”なぜ生まれる? 「高いから豪華」とも言えない事情

近年、各地の学校給食の写真がネット上で拡散、「少なすぎる」「あまりに貧相」と物議を呼ぶ事例が相次いでいる。物価高のなか、限られた給食費で献立を工夫している自治体も多いが、そんななか、東京・武蔵村山市の学校給食が「近年稀に見る神給食」と話題を呼んでいる。なぜ地域によってここまで給食に差が出るのか。武蔵村山市教育委員会学校給食課の担当者に詳しい話を聞いた。

「これだよこれ!!」話題を呼んだ武蔵村山市の学校給食【写真:武蔵村山市立第一小学校公式Xより】
「これだよこれ!!」話題を呼んだ武蔵村山市の学校給食【写真:武蔵村山市立第一小学校公式Xより】

東京・武蔵村山市の学校給食が「近年稀に見る神給食」と話題に

 近年、各地の学校給食の写真がネット上で拡散、「少なすぎる」「あまりに貧相」と物議を呼ぶ事例が相次いでいる。物価高のなか、限られた給食費で献立を工夫している自治体も多いが、そんななか、東京・武蔵村山市の学校給食が「近年稀に見る神給食」と話題を呼んでいる。なぜ地域によってここまで給食に差が出るのか。武蔵村山市教育委員会学校給食課の担当者に詳しい話を聞いた。

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「今日の給食は、キノコご飯、白菜の味噌汁、白身魚の唐揚げ、かわりきんぴらです」

 今月16日、「武蔵村山市立第一小学校」の公式SNSアカウントが投稿した写真には、茶碗にこんもりと盛られた炊き込みご飯や具だくさんのみそ汁、大ぶりな白身魚のフライ、彩り豊かなきんぴらなど、ボリューム満点の給食が収められている。

 ネット上では、「これだよこれ!!」「ボリュームすごいしおいしそう」「これぞ給食って感じ」「久しぶりにまともな給食を見た」など、称賛の声が続々。投稿は2900件のリポスト、3.3万件の“いいね”を集めるなど、大きな反響を呼んでいる。

 武蔵村山市の学校給食課によると、拡散した写真は10月16日に市内の小学校で提供された高学年(5~6年生)向けの給食。同市の小学校給食1食当たりの単価は、1~2年生が「303円」、3~4年生が「319円」、5~6年生が「337円」となっており、文部科学省が公表している2025年度の全国平均「326円(月額を給食回数で割って算出)」と比較しても大きな差はない。

 物価高の影響で各地の自治体が学校給食の原材料調達に苦労するなか、なぜ、武蔵村山市ではここまで立派な給食を提供できるのか。

 同市学校給食課の担当者は、ENCOUNTの取材に「地元野菜等を活用しながら日本各地の郷土料理や海外の料理などを取り入れ、各地域の優れた伝統的な食文化に触れることにより、食育に関心を持てる契機となるような献立作成に努めております」と説明。また、「もちろん、できるだけお腹いっぱい食べさせたいという思いはありますが、残食に関しても気にしなければいけない。適量を意識することも大事だと思っています」とした。

 全国の他の自治体と比較して給食内容に差が生まれる理由については、「多摩地域の他の自治体さんとは情報交換を行うこともあるが、広域的なことは分かりません。何か特別なことをやっているわけでもなく、(今回話題となったことは)職員一同驚いているところです。引き続き、安全安心でおいしい給食の提供と食育の推進に努めてまいります」と話している。

 実は、同じ東京都内であっても、自治体ごとの給食費の差は大きい。

 東京都教育委員会の給食指導担当者によると、最も単価が高い渋谷区では小学校1~2年生が「310円」、3~4年生が「332円」、5~6年生が「354円」となっている一方、最も低い青梅市では1~2年生が「259円」、3~4年生が「266円」、5~6年生が「290円」(いずれも25年度、1円未満を四捨五入)となっている。

 自治体ごとに予算に開きがある理由について、都教委の担当者は「きちんとした調査をしたわけではないので、はっきりしたことは言えないが」と前置きした上で「都心と比べ郊外の方は農地が近く、食材が調達しやすい環境にある。また、給食センターが一括で調理し各校に配膳するので、材料納品の手間が安く済むという事情はあると思います」と説明。「給食費の差も、必ずしも自治体の税収の差が関係しているとは限りません。また、一概に高いから豪華、安いから質素というわけでもありません」としている。

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