渡辺いっけい、初主演作「感慨深い」 金田明夫は“鬼滅”意識「竹をくわえて出ればよかった」
俳優の渡辺いっけいが13日、東京・テアトル新宿で行われた初主演映画「いつくしみふかき」(大山晃一郎監督)のアンコール上映舞台あいさつに出席した。
初の有観客舞台あいさつに出演者感激 動員1万人達成でアンコール上映
俳優の渡辺いっけいが13日、東京・テアトル新宿で行われた初主演映画「いつくしみふかき」(大山晃一郎監督)のアンコール上映舞台あいさつに出席した。
“悪魔”として村から追い出された父親(渡辺)と、その父親を知らずに育った息子がお互い実の親子とは知らないまま共同生活を始めるという異色のストーリー。実話がベースとなっていることで話題を呼び、10月に観客動員1万人を達成した。
同作は当初4月に公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で6月に延期されていた。観客を入れての舞台あいさつはこの日が初めてとなり、渡辺は「舞台あいさつは前回の上映のときコロナでできなかった。お客さんを前に感慨深いです」としみじみ語り、ステージを見守る観客に「印象に残る映画です」とPRした。
一方、牧師役で共演した俳優の金田明夫は「『鬼滅の刃』……、役作り失敗しちゃった。あんなに当たるなら竹をくわえて出ればよかった。でも、『鬼滅』に匹敵する映画になってますから」と空前の大ヒットを続けるアニメ映画へのライバル心をむきだしにして観客を笑わせた。
その金田は、渡辺との共演が少ないことに「いっけいちゃんが、共演NG出しているんじゃないかと思いました。僕ら濃すぎるから。でも、いっけいちゃんとご一緒できて楽しかった。よかった、共演NGじゃなくて」と安堵(あんど)の表情。渡辺は思わず苦笑いを浮かべたが、すかさず「また共演したいね」と返してその場の空気を和ませた。
続いて、初主演について聞かれた渡辺は「個人的な話ですが、テレビ中心にやってきて、ちょっと違うなと感じ始めたときにこの映画の話がありまして」と語り始め、「テレビの現場に映画俳優が来たとき、その人が『本編(映画)ならこだわる』と言うのを聞いてショックでした。この人は映画じゃないと本気出ないのかと悔しかった。(その後)映画の世界がずっと気になっていた。『いつくしみ』のおかげで映画のお話が来て、性に合っている、ありがたいな、と思っています」と同作が俳優人生におけるターニングポイントとなったことを明かした。
最後に渡辺は「きょうは13日の金曜日。『悪魔』と呼ばれた男の映画にようこそ!」とコロナ禍にもかかわらず来場した観客に感謝の言葉を送った。
この日はW主演の遠山雄、共演の小林英樹、榎本桜、牛丸亮、羽鳥友子ら出演者全員がマスクを着用して登壇。カメラ撮影の時間だけマスクを外して無言で笑顔を見せた。アンコール上映は同所で19日まで。