4児の母・加藤夏希の“子育て論”「1人で背負わなくていい」 変化していった固定観念

俳優としての活動を本格的に再開させた加藤夏希(41)が、10月23日から上演される舞台『春よ来い、マジで来い』に、水川かたまり演じる主人公の元恋人として作品に彩りを与える。そんな加藤は私生活では4人の子どもを育てる母親でもある。舞台の稽古や仕事に追われる多忙な日々の中、彼女はどのようにして家庭と仕事を両立させているのか。かつてはすべてを背負い込みがちだった加藤がたどり着いたのは、「お母さんひとりが頑張らなくていい」という軽やかな境地だった。互いを助け合い、自立を促す“チーム家族”のリアルな日常について語った。

る舞台『春よ来い、マジで来い』に出演する加藤夏希【写真:冨田味我】
る舞台『春よ来い、マジで来い』に出演する加藤夏希【写真:冨田味我】

親になって知った「日常を支える重み」と芝居への好影響

 俳優としての活動を本格的に再開させた加藤夏希(41)が、10月23日から上演される舞台『春よ来い、マジで来い』に、水川かたまり演じる主人公の元恋人として作品に彩りを与える。そんな加藤は私生活では4人の子どもを育てる母親でもある。舞台の稽古や仕事に追われる多忙な日々の中、彼女はどのようにして家庭と仕事を両立させているのか。かつてはすべてを背負い込みがちだった加藤がたどり着いたのは、「お母さんひとりが頑張らなくていい」という軽やかな境地だった。互いを助け合い、自立を促す“チーム家族”のリアルな日常について語った。(取材・文=磯部正和)

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 2016年に第1子を出産してから10年。今は4児の母である加藤。そんな中、昨年から俳優活動も再開した。舞台の稽古、映画の撮影……仕事と家庭の両立。独身時代には見えていなかった親の気苦労。4人の子を持つ親という立場になって初めて、日々の営みを維持することの過酷さと尊さを知った。

「親になってみて初めて、毎日同じことの繰り返しに見えても、パーツが1つ外れたらみんな崩れてしまうのを、じつは親が支えていたんだと気づきました」と、まずは親のありがたみに気づいたと振り返る。

 家庭を支える中で培われた視点は、俳優としての表現力にも還元されている。加藤は「相手のセリフを受け止めるだけでなく、『この人は今どうしてほしいのかな』と見られるようになりました。周囲を広く観察できるようになったのは、子育ての経験があったからこそです」と語り、対峙する俳優とのコミュニケーションも円滑になったと明かす。

 4人の子育てと仕事の両立と聞くと多忙を極める印象を受けるが、きょうだいがいるからこその強みがある。

「大人が常に1対1で向き合わなければならない1人っ子よりも、きょうだいがいる今のほうが助かっています。家庭内にコミュニティーができていて、勉強が安定している長女が、マイペースな長男の宿題を見てくれたりするんです」

 長男はプリントをランドセルから出さないこともあるが、しっかり者の長女がサポートしてくれる。もし長男が1人目だったら次の子を考える余裕はなかったかもしれないと振り返るほど、きょうだいの存在に助けられている。

現在4児の母である加藤夏希【写真:冨田味我】
現在4児の母である加藤夏希【写真:冨田味我】

“お母さんが全部やらなくていい”…家族をチームに変えるルール

 家庭内で子どもたちが成長するにつれ、家事に対する固定観念も解きほぐされていった。

「ご飯の準備や洗濯物も含めて、『当たり前のように全部をお母さんがやるわけじゃないんだよ。自分の分は自分でやろうね』と言っていいんだと気づきました。生きていく上で必要な経験ですし、私ひとりで背負わなくていいと思えるようになりました。子どもの自立にもなりますし、人を思いやる心も育んでいけると思います」

 舞台の稽古や仕事が立て込む時期には、夫の献身的なサポートが欠かせない。

「週末にセリフを覚える時間が必要になると、主人が『ママはお仕事があるからみんなで出かけるよ』と子どもたち4人を連れ出してくれます。チームとして協力してくれるのは本当にありがたいです」

 家庭を一歩出れば一人の表現者としてスポットライトを浴びる母の姿を、子どもたちも独自の目線で受け止めている。

「長女は最近、私の仕事を理解しているので、バラエティー番組などで自分の話をされるのをすごく嫌がります。『悪口じゃなくて褒めたんだよ』と謝るのですが、敏感な年頃ですね。長男や次男はテレビよりもYouTube世代なので、HIKAKINさんとお仕事したと話した時だけ『すげえじゃん』と尊敬してくれました(笑)」

 そんな長女との間には、舞台観劇を巡るほほ笑ましいエピソードもある。加藤は「去年の舞台を観に来てくれたんです。彼女にとっても初めて自分の親が出演する作品なので、どんな感想を持ってくれるか興味がありました」と語るが、「『ロビーで携帯をいじっていた』と言われたので……。物語としてちゃんと観てくれるのは今回の舞台が初になりそうです。最近の女の子は1~2歳の頃から女を出す瞬間があって早いですし、バレンタインの友チョコも1つだけ豪華だったりします。男女の気持ちの揺れを描いた舞台を観ることも、娘にとって良い成長になると思っています」と今度こそ、しっかりとした感想に期待をしているようだ。

 仕事と家庭を無理に切り離すのではなく、家族をひとつのチームとして巻き込みながら、加藤は軽やかに自らの道を歩んでいる。「お母さんがひとりで背負わなくていい」という言葉は、多忙な日々を生きるすべての親の心を解きほぐす。互いを尊重し、できることを分担し合う“チーム家族”の支えがあるからこそ、彼女は4児の母としての責任を果たしながら、舞台という表現の現場へ迷いなく飛び込んでいくことができるのだろう。

□加藤夏希(かとう・なつき)1985年7月26日、秋田県出身。97年にゲームソフトメーカーのイメージガールとしてデビュー。99年、テレビ朝日系『燃えろ!!ロボコン』のヒロイン役で俳優活動をスタートさせた。その後も多数の映画やドラマ、バラエティーなど多岐にわたって活躍中。2014年に一般男性と結婚し、16年に長女、19年に長男、21年に次男、24年に次女を出産した。

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