「やり方間違ってます」沢村一樹、鈴木亮平の助言で目覚めた59歳の本格筋トレ
俳優として第一線を走る一方、監督、絵本の執筆など、沢村一樹の活動は芝居だけに収まらない。59歳の今は、自宅にベンチとダンベルをそろえ、本格的な筋力トレーニングにも取り組む。名物キャラクター「セクスィー部長」の秘話から創作の原点、還暦を前にした年齢観まで聞いた。

テレ東『ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班』に出演中
俳優として第一線を走る一方、監督、絵本の執筆など、沢村一樹の活動は芝居だけに収まらない。59歳の今は、自宅にベンチとダンベルをそろえ、本格的な筋力トレーニングにも取り組む。名物キャラクター「セクスィー部長」の秘話から創作の原点、還暦を前にした年齢観まで聞いた。(取材・文=平辻哲也)
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テレビ東京系連続ドラマ『ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班』(金曜午後9時)のオファーを受けた時、最初に聞いたのが「戦う」ということだった。
「めちゃくちゃ戦いますって事務所から言われて。その時点ではまだ原作を読んでなかったんです。だから、そこからすごい筋トレしたんです。そしたらハマってしまって、今も体を鍛えてます」
ジムには通わず、ダンベルとベンチを購入。動画でトレーニング方法を学びながら、自宅で続けている。
「セット間の休憩を長く取るんですよ。2分~3分取ると、10セットやるだけで30分かかるので、10セット以上やります。もう日課になってますね」
本格的な筋トレに目覚めるきっかけをくれたのは、鈴木亮平だった。
「昔『DOCTORS』の時に鈴木京香さんや髙嶋政伸さん、あと鈴木亮平君と一緒だった時に、彼と筋トレの話をしたんですよ。そしたら『沢村さん、そのやり方間違ってます』っていろいろ教わって。その通りやると結果が早く出やすくて。そこからトレーニングを続けるようになりました」
若い頃のモデル時代よりも、今の方が鍛えている。
「やらないと結果が出ないし、やったらやっただけ結果が出るので、筋トレは面白いですね」
シリアスな役だけではない。沢村の代表的なキャラクターの一つが、NHK『サラリーマンNEO』の「セクスィー部長」だ。誕生は意外なほど慌ただしかった。
「あれは撮影が終わって『お疲れさまでした』って帰ろうとしたら、『沢村さん、まだ終わってないですよ』と言われて。『え?』って言ったら『セクスィー部長の撮影があります』って言われて、慌てて台本読んだんですよ」
ベテランの男性メイク担当が張り切り、付けまつげ、もみ上げ、口紅まで施された。
「その間に台本読んで『どうしよう』と思いながら。でも、お尻振り振り出てくる役だったので。得意分野です(笑)」
全身からフェロモンを放つキャラクターだが、沢村自身の役解釈は正反対だった。
「僕の中では、セクスィー部長って本人は自分がセクシーだと全然思っていない人なんですよ。だからすごくピュアな存在で、自然に振る舞っているだけなのに、周りの人がフェロモンをキャッチしてしまう、僕の中ではピュアで真っ白な存在なんです」

チーフ監督の経験で変化した考え方
今年はテレ東系『水曜日、私の夫に抱かれてください』で連続ドラマのチーフ監督を初めて務めた。それによって、俳優として現場に立つ時の感覚にも変化があったという。
「昔は何も考えずに『監督、ここってこういう風にしたいんですけど』とか『登場、こっちじゃなくてこっちにしません?』とか言っていたのが、自分が監督という立場を経験したことで、監督の意図がきっとあるんだなって考えを汲み取れるようになった気がします。もちろん役者として思ったことやアイデアがあれば監督に相談させてもらったりと、そういう意味では現場での考え方は変わりました」
俳優、監督だけではない。絵本『たねぽっくる』を手がけた。その創作の原点として名前を挙げたのが、漫画家の鳥山明さんだった。
「絵本などの創作の原点は鳥山明さんです。僕の中の原点は鳥山明さんの作品で、最初に見たのが『Dr.スランプ アラレちゃん』なんです」
ひかれたのは、その発想の自由さだった。
「アラレちゃんが主人公なのに、いつの間にかスッパマンの回だったり、ニコチャン大魔王しか出てこない回があったりして、『なんて頭が柔らかいんだ!』と思って。1つのものに縛られない感じが面白いなと影響を受けてます」
芝居、絵本。一見、別々のジャンルに見えるが、本人の中では同じ地平にある。
「自分の中では違うジャンルだと思ってなくて。絵本も根を詰めて描いて、思いついたストーリーを形にしていく。そういう意味では今現場でやってる作業と変わりないです。自分の中にあるものを考えて、形にして、作品をどこにどう届けるかということを考えるのは楽しいですね」
59歳。還暦も近づいた。年齢を重ねることには、抗おうとは思わない。
「昔自由に動いたものが動かなくなったりすると工夫が生まれたり、若い時のみずみずしさがない代わりに、年齢を重ねたからこその味が出たらいいなと思っています。いつまでも若くいたいかというと、全くそんなことはなくて、『平家物語』の『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり』を常に感じています」
野際陽子さん、内藤剛志、伊東四朗ら先輩俳優の姿にも刺激を受けてきた。
「先輩たちを見ていると全然枯れてないし、そういう姿を見ると本当に『すごいな』と思います。藤田まことさんとももっと一緒にお仕事したかったなと思いますし、先輩方の持っている独特の空気感の作り方はすごく参考にしています」
では、自身はこれから何をしていくのか。沢村は筋トレを「やり残したことの1つの宿題」と表現する。
「今の自分はまだ70点くらいで、けがをしないように気を付けながらできる範囲で始めた感じです。年を重ねたからこそ、今まで宿題にしてたものを少しずつ片付けている感覚があります。夏休みでいうと8月31日の感覚で、少しずつ消化している感じです」
年齢を重ねることを受け入れながら、残った宿題には手を伸ばす。「欲はまだあります(笑)」と沢村。諸行無常を感じながらも、59歳の夏休みはまだ終わっていない。
□沢村一樹(さわむら・いっき)1967年7月10日、鹿児島県出身。研音所属。184センチのスタイルを生かし、雑誌『MEN’S CLUB』の専属モデルとして活躍後、1996年に俳優デビュー。連続ドラマ『続・星の金貨』(日本テレビ系)、『救命病棟24時』(フジテレビ系)、『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)、『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)など数々の作品に出演し、在京民放キー5局のゴールデンタイム連続ドラマ主演を達成。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』『虎に翼』、映画『十三人の刺客』『グランメゾン・パリ』など、幅広いジャンルで活躍している。
人気俳優の韓国からスタートした愛車遍歴…“顔”で決めるクルマ選び(JAF Mate Onlineへ)
○ヘアメイク:INOMATA(&’s management)
○スタイリスト:鬼塚美代子(Ange)
○衣装:GOTAIRIKU
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