「家では割とツンデレ(笑)」AKB48山内瑞葵、等身大の素顔と家族愛「否定された記憶がない」

アイドルグループ・AKB48の山内瑞葵は、映画『キオク』(10月16日公開、勝又郁斗監督)で主演を務める。子役時代に劇団四季『ライオンキング』のヤングナラ役で出演経験を持ち、映画では、『ガールズドライブ』(2023年)、『父と娘の7日間戦争』(25年)に続く自身3回目の主演。アイドル活動と並行して挑む俳優業への思いとは――。

インタビューに応じたAKB48の山内瑞葵【写真:増田美咲】
インタビューに応じたAKB48の山内瑞葵【写真:増田美咲】

『キオク』で映画3度目の主演「ドキドキでした」

 アイドルグループ・AKB48の山内瑞葵は、映画『キオク』(10月16日公開、勝又郁斗監督)で主演を務める。子役時代に劇団四季『ライオンキング』のヤングナラ役で出演経験を持ち、映画では、『ガールズドライブ』(2023年)、『父と娘の7日間戦争』(25年)に続く自身3回目の主演。アイドル活動と並行して挑む俳優業への思いとは――。(取材・文=小田智史)

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『キオク』は、高校生脚本家・永井結菜によるオリジナル脚本で描く、「記憶」と「家族愛」、「生きる意味」をテーマに描くヒューマンドラマ。事故から奇跡的に生還した主人公・優木桜(山内)の兄・冬弥(神仙龍之介)。しかし目覚めた冬弥は、記憶を失ったかのように振る舞い、恋人の麻耶(火ノ口紗彩)にも、妹の桜にも距離を置き始める。「誰だっけ」――。全ては、大切な人たちを遠ざけるための選択だった。そして残された時間の中で、桜は兄に“生きることを諦めさせない”という選択をする。守るための嘘か、壊すための真実か。それぞれが抱える過去や想いが交錯し、切なくも温かな物語が紡がれていく。

 山内は今回の映画主演について、「すごくドキドキでした」と笑顔をのぞかせつつ、「素直にうれしくて、主演をいただけたからには大切にお芝居に臨みたいと思いました」と振り返る。

「桜は性格的にはごく普通の女の子。でも、少し自立していない部分もあって、お兄ちゃんに頼りっぱなしだったりします。私自身もお兄ちゃんがいるので、共通点が多くて等身大で演じられた気がします」

 桜は大好きな兄に対して“ツンデレ”で、時に素直ではない部分が見え隠れするが、実兄に対する山内はどうなのか。

「私も家では割とツンデレだと思います(笑)。実際のお兄ちゃんも優しくて、怒らないタイプで、逆に私自身が強く当たってしまいます。学生時代に勉強についていけない時、お兄ちゃんに教えてもらったことがあるんですけど、嫌な顔一つせずに優しく教えてくれていたので、桜と冬弥に似ているなと思っていました」

「記憶」と「家族愛」、そして「生きる意味」がテーマのヒューマンドラマ。「日常は当たり前ではなくて、今目の前にいてくれる人、そばで支えてくれている人をより大切にしようと思いました」と台本を読んだ時の感想を明かす。

「『記憶』で言うと、もちろん忘れないなら全部覚えていたいですけど、AKB48の活動をしている中ではやっぱりファンの方のお名前やお顔は一生忘れたくないと思います。最近、コロナ禍前や研究生時代に来てくださっていた方が握手会で『久しぶりに来たよ』と言ってくださった時も覚えてるぐらい記憶力はいいです」

兄や家族との楽しい日々の記憶は今なお鮮明だ【写真:増田美咲】
兄や家族との楽しい日々の記憶は今なお鮮明だ【写真:増田美咲】

実兄と家で野球やボウリング“ごっこ”

 山内は両親、兄、妹がおり、家族の絆への思いをSNSにもつづってきた。家族はこれまで常に自分の味方でいてくれた特別な存在だ。

「AKB48加入を含めて、私がこれまで経験してきたことに対してほとんど否定された記憶がありません。私がやることは全て前向きに応援してくれたので、愛情を込めて育ててくれていたんだなと改めて実感しています。大人になった今、もっともっと恩返ししたい思いがあります」

 兄や家族との楽しい日々の記憶は、25歳となった今なお鮮明だという。

「お兄ちゃんとは小さい頃、よく家で一緒に遊んでいました。一番覚えているのが、紙でボール・バットを作って野球をしたり、持っていたミニボウリングのおもちゃのピンを並べて、球を投げて、『選手交代!』と言ってはしゃいだりしたこと(笑)。すごく楽しくて、幸せだったので、今でも鮮明に覚えています。家族での思い出で言うと、夏休みにみんなでおばあちゃん家に遊びに行って、回転寿司でご飯を食べたり、おうちでWiiとか(ニンテンドー)DSで遊んだり、本当に仲良しでみんなで過ごしていました」

 所属するAKB48は68thシングル『好きish』のミュージックビデオ(MV)が1250万回再生を突破するなど破竹の勢いを見せ、アイドルとして多忙な日々を過ごしている。しかし、「お芝居のお仕事させていただくたびに、奥深くてすごく楽しいという気持ちになるので、もっともっとたくさんの役に出会って、いろんな表現を見つけていきたいです」と俳優業への思いも負けじと強い。

「例えば、ミュージカルとドラマでは、声や感情の出し方が全然違います。ミュージカルは遠くにいるお客様まで届くようなお芝居を心がけたり、声量も必要になってきます。映像は映像で、またナチュラルな声のトーンとか音量も普段に近い言い回しでやりますし、監督さんによっても求めるものが違うと思うので、何度やっても新鮮な気持ちでお芝居に臨めています」

山内瑞葵の俳優としての転機とは【写真:増田美咲】
山内瑞葵の俳優としての転機とは【写真:増田美咲】

舞台『マジムリ学園』で“殻”を破る

 子役時代には劇団四季のミュージカル『ライオンキング』でヤングナラ役を務めた経験を持ち、数々の作品を向き合ってきた山内。俳優としての転機とは――。

「1つは『六番目の小夜子』の舞台です。私はホラーが苦手で、ホラー映画とかお化け屋敷を避けてきた人生だったので、初めてのホラー作品で新たな挑戦でした。どちらかと言うと、ドラマに近いような自然なお芝居を求められていたので、舞台とドラマの中間というか、今までとは違うお芝居の仕方で臨むことができて、苦戦しながらもすごく成長できましたと思います。

 あと、AKB48の舞台『マジムリ学園』に出させていただいた時は、今までやったことがないような、強気でかっこいい、スバっと言うような役柄で、新しい感覚でした。普段の私は優柔不断なタイプ(笑)。真逆の役柄を演じることができて楽しかったですし、また新しい自分を発見できた気がします。それをきっかけで好きになってくださった方もいるので、すごくいい経験でした」

 最後に、山内は『キオク』の見どころについて、「全ての言動が愛でしかないと感じる作品になっています。みんながみんな自分のためだけではなく、その人のためを思って行動している姿にすごく心が打たれる映画だと思うので、ぜひ見てください!」とメッセージを送った。

□山内瑞葵(やまうち・みずき)2001年9月20日、東京都出身。AKB48の16期生として2016年12月にデビュー。“ずっきー”の愛称で親しまれ、AKB48 57thシングル『失恋、ありがとう』ではセンターを務め、中心メンバーとしてグループを支えている。幼少期からダンスを始め、子役時代には劇団四季のミュージカル『ライオンキング』でヤングナラ役を務めた経験を持つ。アイドルのほか、舞台やミュージカル、映画など俳優としても活動の幅を広げている。

■出演情報
映画『キオク』:10月16日に劇場公開
https://www.kioku.website/

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