大物歌手とも「たこパ」…安藤なつ、幅広い交友関係の裏にある“もったいない精神” 失敗を恐れず挑戦する姿勢

お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつが、9月17日に『安藤なつの奔放ごはん』(Gakken刊)を出版した。本書は、料理好きとして知られる安藤のアイデアが詰まった、オリジナル料理をまとめた自身初のレシピ本だ。ENCOUNTはこの機に、安藤にインタビューを実施。料理を楽しんできた過程と、その根底にある人生観を聞いた。

インタビューに応じたメイプル超合金の安藤なつ【写真:荒川祐史】
インタビューに応じたメイプル超合金の安藤なつ【写真:荒川祐史】

著名人からも愛されるアイデアを詰め込んだレシピ本を出版

 お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつが、9月17日に『安藤なつの奔放ごはん』(Gakken刊)を出版した。本書は、料理好きとして知られる安藤のアイデアが詰まった、オリジナル料理をまとめた自身初のレシピ本だ。ENCOUNTはこの機に、安藤にインタビューを実施。料理を楽しんできた過程と、その根底にある人生観を聞いた。(取材・文=薦田真実)

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 料理好きとして知られ、バラエティー番組やYouTubeでも料理の腕前を披露することの多い安藤が料理を始めたのは、小学校中高学年くらいの頃。それまではお手伝い程度で、「好きだったかどうかも分からなかった」という。

「夕飯を食べたのにお腹が空いて、残ったご飯をかさ増しできる雑炊を作って、そこに納豆を入れてみたり、梅納豆がゆを作ったりしたのが、自分で料理を始めたきっかけです。ワクワクするからとか、やってみたいとか、そういう思いが変わらずありますね」

 幼少期から育まれていた、お腹を満たしつつワクワクする料理を作りたいというアレンジ精神は、本書に掲載されている「どでか餃子」や「どでか茶碗蒸し」「どでかまんまるオムライス」などの「奔放ごはん」シリーズにも反映されている。大量に作れる「奔放ごはん」は、お金のない若手時代にも活躍した。

「腹を満たすためだけのお金がなくて、でもおいしく食べたくて、当時一緒に住んでいた同級生と一緒に、とりあえず大量に作り置きしようと、小麦粉を固めたすいとんをひと鍋作ってたんです。そういった昔自分が食べてきたもののレシピも載っています。日本エレキテル連合の(橋本)小雪ちゃんは、3、4リットル入る鍋にいっぱい作って、ひと鍋平らげていました」

 お金のない若手時代を補うために生み出されたメニューの中で、今や安藤の名物料理として広がっているのが「飲めるたこ焼き」だ。

「一番芸人とか周りに食べさせてますね。たこ焼き機があるのに、全然使わないのはもったいないなと思って、生地を限界まで、どこまで緩められるか研究というか実験みたいな感じで作るようになりました。コンビを組んで1年目くらいの頃に、相方のカズちゃん(カズレーザー)にも振る舞ったことがあります。最近も、(カズレーザーが)芸人と住んでるお家で持ち寄りで手巻きパーティーをしたりしてます。感想は、『うまいっすねー』って、そのままですが(笑)」

 節約を兼ねて作り始め、“実験”として進化を続けながら振る舞ってきた手料理はうわさを呼び、現在は多くの著名人にも知られるところとなった。

「麒麟の川島(明)さん、GLAYさんとか、PUFFYの(大貫)亜美さんとか、あのちゃんとか、ヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)のありぼぼちゃん、水卜(麻美)アナとか……もう誰がいつ来たかちょっと忘れちゃったんですけど、相当やってますね」

 お笑い界にとどまらない豪華な交友関係は、仲良くなるのをためらわない、安藤のフットワークの軽さによるところも大きい。

「お仕事で一緒になって『ご飯行きましょう』となった方には、『たこパでもどうですか?』って誘ったりしてました。1回行ってみないと分かんないから、誘われて断ることもあんまりないですし、寝る直前でも連絡来て『話がある』って言われたら行くようにしています」

 そのコミュニケーション能力と料理の腕前をもってすれば、飲食店を構えても成功しそうだが、その可能性はきっぱりと否定する。

「全然ないですね。自分も先輩から食べさせてもらってきたから、後輩が腹ちぎれてるところを見たいだけ。友達が遊びに来て、料理できる子がいれば『作っていい?』とか、『ああ、お願いします』とか、自由にやってほしいんです(笑)」

レシピ本は「自由に」楽しんでほしいと呼びかけた【写真:荒川祐史】
レシピ本は「自由に」楽しんでほしいと呼びかけた【写真:荒川祐史】

介護も料理も「やってみないともったいない」

 レシピ本の出版は初となる安藤だが、介護福祉士の資格を持ち、現場での経験を活かして介護にまつわる著書も出版している。

「介護が大変っていうイメージを払拭したくていろいろなところでお話をさせてもらっています。家族の介護をするのは、お金も時間も余裕がなくて本当に大変だと思うんです。でも自分は職業として好きなんです。『介護=大変』と一括りにしてしまうのではなくて、切り分けて考えてみてほしい。最近も手伝いに行ったりしてるんですけど、仕事としてすごくやりがいがあるし、楽しいと思ってやっています。人手不足だし、給料が安いとかいろいろありますけど、イメージが悪いだけで働かないってもったいないなと思って、発信するようになりました。そのうちに、『興味を持って仕事を始めました』とか、『介護福祉士目指してがんばります』とか連絡がきたりして、めちゃくちゃうれしいです」

 自身の生活や経験を元に発信を続ける根底には、いつも「やってみないともったいない」「ワクワクすることを自由に楽しむ」気持ちがある。今回のレシピ本にも、同じメッセージが込められている。

「『自由にどうぞ』って感じです。『レシピ通りに作らなきゃいけない』とか『彩りを気にしなきゃいけない』とか思う人が多いらしくて。“映え”なんて関係ないし、『茶色くてよくねえ?』っていう感じで自分はやってます。『失敗が怖い』って言ってる人もいたんです。もちろんご家庭があってお子さんもいて、ちゃんと作んなきゃいけないっていうプレッシャーもある人も多いと思うんですけど、失敗しないようにするんだったら『こういうの作ってみたいんだけど』って相談してみて、みんなで一緒に作るのもいいんじゃないかな。みんなで大きいの作るの、絶対楽しいですよ」

 とはいえ、挑戦には失敗はつきもの。「やってみないともったいない」という思いで挑戦して、失敗したことはないのだろうか。

「失敗もめちゃくちゃあります。つい最近ですけど、テキーラ飲みすぎてフライパンで米炊くってなった時に、水加減がめちゃくちゃで。『もう絶対飲まん』と思いました(笑)。失敗してもリカバリーすればいいし、できなかったら次に活かせばいいし、くらいに考えてます」

 何においても、失敗をおそれて挑戦しないことの方がもったいないという精神が、安藤の生活を豊かに広げてきた。その精神で、これからの人生も、自分の心に正直に生き続ける。

「これからどうありたいか、とかは何も考えてないです。自分の好きなことに関してはチャレンジをしますけど、やってみて嫌だなって思うことはもうやらなくていいかな。もう楽しいことしか考えずに生きていきたいっていう歳なので。海外に住んでる可能性もありますし、それくらい未知。いま思うと、全部楽しそうなことしかやってないので、楽しそうなことをしていきたいですね」

□安藤なつ(あんどう・なつ)1981年1月31日、東京都生まれ。お笑いコンビ・メイプル超合金のツッコミ担当。2012年にコンビ結成後、15年にM-1グランプリ決勝進出を果たす。現在もバラエティー番組を中心に活躍中。

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