【ブラッサム】“80代の主人公”加賀まりこで幕開けした理由「説得力は段違い」 ビジュアルでの狙いも
俳優の石橋静河が主人公・葉野珠を演じるNHK連続テレビ小説『ブラッサム』(月~土曜午前8時)が28日にスタートした。作家・宇野千代をモデルとした物語。初回は幼少期の珠を村上蘭が演じ、1980年代の珠を加賀まりこが演じた。加賀は丸みを帯びた大きめのメガネをかけ宇野の特徴をとらえている印象。村上には高い演技力とともに石橋と目が似ているようにも感じた。村山峻平チーフ・プロデューサーが取材に応じ、2人の起用の背景を明かした。また、劇中、ラジオから松田聖子の『チェリーブラッサム』が流れ、石橋が満開の桜の木をバックに笑顔で踊るオープニングのタイトル映像も印象的だった。その背景も尋ねた。

村山峻平チーフ・プロデューサーが明かす舞台裏
俳優の石橋静河が主人公・葉野珠を演じるNHK連続テレビ小説『ブラッサム』(月~土曜午前8時)が28日にスタートした。作家・宇野千代をモデルとした物語。初回は幼少期の珠を村上蘭が演じ、1980年代の珠を加賀まりこが演じた。加賀は丸みを帯びた大きめのメガネをかけ宇野の特徴をとらえている印象。村上には高い演技力とともに石橋と目が似ているようにも感じた。村山峻平チーフ・プロデューサーが取材に応じ、2人の起用の背景を明かした。また、劇中、ラジオから松田聖子の『チェリーブラッサム』が流れ、石橋が満開の桜の木をバックに笑顔で踊るオープニングのタイトル映像も印象的だった。その背景も尋ねた。
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まず加賀の珠について尋ねた。
「加賀さんの扮装は宇野さんのものまねというより、葉野珠が80代になった時、どんな人ならカッコいいかを大切にしたいと思いました。外見ではなく困難の先に加賀さんの演じる珠のようなカッコいい大人になっていることが、若い時の珠と視聴者を勇気づけられると考えました。ただ、メガネは宇野さんを象徴するアイテムなのでそこは意識しました。加賀さんに出演をオファーし、まだお返事をいただく前にメールで『いいメガネみつけたわよ』というメッセージが届きました。その時、あらためて加賀さんにお願いしたい、加賀さんが演じる大人の珠ちゃんはとてもすてきだろうと思いました。80代の珠が物語における“勇気の象徴”として映るビジュアルになることを重視しました」
加賀のようなカッコいい大人の珠を、という思いが伝わる。一方の村上はどうだろう。
「まず石橋さんに主人公をお願いしたのは、まなざしがとても強く、目でいろんなことを思わせてくれるからです。主人公の珠はいろんな人と出会い、別れ、その中で葛藤します。その時言葉だけでない部分で、その瞬間をどう切り取るか、石橋さんのまなざしにはとても強い力がありました。そして笑顔もとてもすてきです。珠は泣く時もありますが笑顔がすてきな女性。幼少期の珠を演じる村上さんと石橋さんは、そのまなざしと笑顔がすてきなところが共通しています。2人は仲が良くて、一緒に所作や岩国ことばを練習していて、どんどん2人が似ていったイメージがあります」
初回の冒頭に82年と描かれ、加賀が演じる85歳の珠が登場した。部屋にはラジオから松田聖子の『チェリーブラッサム』が流れていた。選曲の理由が気になる。
「80年代を覚えている方は歌謡曲でその世界観をイメージできるのではと考えました。もう一つは『ブラッサム』の本来の意味は“咲き誇れ”という応援メッセージ。自分が咲き誇ったあとは隣の人にも咲き誇ってほしいと思えることで世の中が良くなるのではないかというテーマを込めています。宇野さんも桜がとても好きでしたし、『チェリーブラッサム』とそのイメージが重なるところはとてもすてきな入り口になると思いました」
台本に曲名があったのか。無かった場合は迷ったのか。
「台本にはラジオの音声が聞こえてくるぐらいでした。曲をご存じの方が『この頃はね』と語りあうことで、物語の世界も広がっていくのでは、という思いを込めています。選曲は迷わずに一択です」
珠が満開の桜を背景に笑顔で踊るタイトル映像についても聞いた。
「珠に降りかかるいろいろな困難を一歩ずつ踏み出してひとつひとつ越えていく。その先にある珠のイメージがタイトル映像の珠です。ここ向かっていくことが物語においても救いになります。宇野さんがよく言っていた花咲かばあさんになりたいという夢を叶えているコンセプトです」
9月7日に行われた会見では加賀が、中途半端にきれいごとにしないようにと話していた。どう受け止めたのか。
「加賀さんは80年代の葉野珠として最後はこういうおばあちゃんになれるのだから、主人公にはどんなに苦しいことがあってもいい、と言ってくださったと理解しています。長い時間軸を描く時、きつい心情に追い込まれるところをきちんと描くことこそドラマであり、それこそが芝居ということを大切にしてほしい、そういう芝居の現場を作ってほしいというメッセージだと思っています」
世代が違うが同じ葉野珠を加賀と石橋が演じる理由も気になる。
「80代の珠がいないと成立しないと思いました。リアルな80代を生き、言葉の表の意味も裏の意味も深いと思える方が言葉を発することによって広がるのがこのドラマの道筋だと思い、加賀さんにオファーしました」
最後に80年代の加賀が演じる珠から物語がスタートした狙いと手応えも尋ねた。
「珠は困難の多い人。その困難を突き抜けていく人が最終的に幸せな80代になれることは、今の苦しさは後の幸せのカギだと制作陣も視聴者も思いたいということ。ただ幸せではなくさまざまな局面でいろいろなことがあった人と思わせるリアリティーも大切。加賀さんに来ていただいて説得力は段違いだと思っています」
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