小越勇輝、テニミュ歴代最多518公演で得た自信「度胸ついた」 映画初主演に決意

人気ミュージカル「テニスの王子様」シリーズ歴代最多518公演に出演した【写真:山口比佐夫】
人気ミュージカル「テニスの王子様」シリーズ歴代最多518公演に出演した【写真:山口比佐夫】

ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンで主演、全518公演でステージに立ち続けた

――ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンでは主人公・越前リョーマを演じ、全518公演を演じ切りました。

「『500回やった』ということよりも、やっていってたら『もう500回やっているんだ』という、走り続けていた結果です。僕は『テニスの王子様』が初めての舞台。500回やったことが果たしてすごいのか、今でもあまりピンときていないんです。でも周りの方がそうやって言ってくださるので、『すごいことをやっているんだな』って思っていました。当時はとにかく必死に走り続けていましたね」

――518公演と聞くと果てしない数字に思えます。途中で投げ出したくなることはなかったのでしょうか。

「なかったですね。でも、1度だけ年上の共演者の方に『お前、ロボットみたいだな』って言われたことがあって。早く劇場に入って、アップをして、間違いなく本番をやって、帰って。東京じゃないところで公演をしたときも同じで。朝起きて、ホテルから出て、劇場について、アップをして、本番をして、休憩でご飯を食べて、10分寝て、アップして、本番をやって、帰って、ホテルで寝て、起きる。それをずっと続けていて。1回だけ、朝のアップをしながら『自分は何をしているんだろう』『なんでこんなに同じ毎日を繰り返しているんだろう』『しんどいな』と一瞬思ったことがありました。でも、特別に何かをすることもなく、その感情が消えるのをただ待ちました」

――数々の舞台作品で主演を務めてこられた小越さんにとって、今作は映画初主演です。主演という立場から、周りはどう見えているのでしょうか。

「背負うものやプレッシャーは大きいですが、自分のパワーになりますし、『頑張らなきゃ』と思えます。でも、その作品を背負ったり、良くしようとしているのは自分だけではない。監督をはじめ、スタッフの皆さん、共演するキャストの皆さんも一生懸命作品を作ってくださって。そういう方たちに助けられて、一緒に作っていく中で、周りが主演にしてくれて、結果、自分が真ん中になっていたというのが大きいです。もちろん、背負わないといけないものは間違いなくたくさんあります」

――最後に、今作の見どころとファンの皆さんにメッセージをお願いします。

「今までのシリーズでは、人狼ゲームにスポットが当たっていました。誰が生き残るのかというサバイバルで、緊張感のある面白さがありましたが、今回は運営人に初めてスポットが当たっています。もちろん人狼ゲームも見ていて楽しんでいただけるんですけど、今回は運営人チームの緊張感ある物語や、正宗が柚月を助けるためにどう動いていくのかというドキドキ感も楽しんでいただけると思います。

『命をかけた』『デスゲーム』という言葉から『ちょっと怖いかも』と感じる方もいると思うんですけど、それぞれの揺れる心の物語的を楽しんでいただけます。1人でも多くの方にこの作品が届いたらうれしいです」

□小越勇輝(おごえ・ゆうき)1994年4月8日生まれ。東京都出身。2010年にミュージカル「テニスの王子様2ndシーズン」に主演し、2014年に通算500回公演出演を達成。2016年、BSスカパー!ドラマ『弱虫ペダル』で連続ドラマ初主演を果たす。ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』(19年)、『そして、ユリコは一人になった』(20年)、映画『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。2』(19年)など、話題作への出演も多数。本作『人狼ゲーム デスゲームの運営人』(20年)が映画初主演作となる。また無観客収録でのワンショットドラマ『キ上の空論 うちの鼠は沈む船を見捨てぬ。』がVimeoにて11月に有料配信予定。

スタイリスト:小田優士、ヘアメイク:小竹珠代

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