女優、映画監督、執筆業の“三刀流”小川紗良が2度目の映画監督役で感じたこと

映画撮影を振り返る小川紗良【写真:荒川祐史】
映画撮影を振り返る小川紗良【写真:荒川祐史】

本広監督は「いつもハッピーなオーラでニコニコしていた」

――本広監督の演出はどんな感じでしたか?

「即興芝居が結構あったんです。こういうシーンがあってこういうことが起こるみたいな、大筋があって、それに沿ってみんなで埋めていく。とりあえずやってみようみたいな感じで、それでみんな結構てんやわんや、最初は大変でしたね。部員のみんなも初めてでしたし、けいこの中でつかみつつ、やっていきました」

――本広監督は役者に自由に演じさせるスタイルですよね?

「チーム感がすごいんです。カメラマンさんを始め、テキパキしていましたね。判断力も早くて、(本広監督の大ヒット作)『踊る大捜査線』シリーズもこうやって作られたんだなというのを感じられ、すごいなと思いました。本広さんはいつもハッピーなオーラを出されていて、ニコニコしているんですよね。こっちが即興芝居でワタワタしていても、本広さんだけはドッシリと構えていました。そのハッピーな空気感はすごい現場に伝染するし、明るい現場でしたね」

――撮影中のエピソードをお聞かせください。

「けいこや撮影の合間には、部員のみんなとトランプしていました。撮影が終わっても、夢中でやり続けるくらい、みんな大富豪にドハマリしました(笑)。その時間がリアルに映画サークルぽい。私も映画サークルにいた時は朝まで大富豪やりましたし、そのダラダラ感が映画サークルっぽい気がします。トランプで培われた絆が、この映画にも生きているなと思いました」

――コロナ禍を経ての変化はありますか?

「ドラマの現場では、フェースシールドやマスクをつけて、共演者の方ともあんまり距離が近づけなかったりするので、『ビューティフルドリーマー』の撮影のときみたいに休憩中、みんなとトランプではしゃぐなんてことはできないのが残念です。映画やドラマは、作る人と人との関係性でできるものだと思うので、隔たりみたいなものがあるのはちょっと切ないです。でも、絶やしてはいけないという思いが強いので、どうにか作り方を見つけていかなきゃと思っています」

――この映画は映画サークルが舞台ですし、できれば映画館で見て欲しい作品ですよね。

「そうですね。自粛期間が空けて、映画館に行った時はホッとしました。映画館でしか体感できないことはあると思いますので」

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