フレディ命日「ボヘミアン・ラプソディ」もう1回!? 2000万円使ったQUEENマニアの今

国内外から集めたすEPコレクションの一部
国内外から集めたすEPコレクションの一部

フレディの死がファン熱に拍車をかけた

 しかし、QUEENは鈴木さんが行った最後の日本公演の翌1986年のヨーロッパツアーが、4人揃った最後のステージとなってしまった。その後もLP(アルバム)やEP(シングル)をリリースしたがステージは行われず、フレディの体調不良がウワサされていた。

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 ついに1991年11月23日、フレディのエイズ感染が公式発表され、その翌日、フレディは帰らぬ人となってしまった。

「たしか、フレディ死去のニュースは、テレビで知ったと記憶しています。大ショックでしたね……。もうあの歌声が聴けなくなる、QUEENの素晴らしい音楽が生では聴けなくなるんですから」

 鈴木さんは普段は手にしないスポーツ新聞を買った。フレディの死を一面でデカデカと報じたその新聞を、当時、食い入るように読み、今も捨すてられずに持っているという。

 それから約半年後の1992年4月、フレディゆかりの地を巡るツアーがファンクラブによって企画され、鈴木さんは矢も楯もたまらず参加。鈴木さんにとって、初めての海外旅行だった。

「ロンドンの彼の家や、1976年にQUEENがライブを行ったハイドパークをまわり、ウェンブリー・スタジアムで行われた追悼コンサートに行きました。ボクの参加したツアーは男女合計50人ほどだったと思いますけど、追悼コンサートには世界中からファンが集まっていましたね」
 

「グレイテスト・ヒッツ」の米国版プラチナディスク
「グレイテスト・ヒッツ」の米国版プラチナディスク

2000万円かけコレクション! マニア垂涎のお宝も

 フレディの歌声をもう聴けない、というショックが、QUEENへの思いをより強くしたのかもしれない。すでに社会人となって学生時代よりも金銭的に余裕のあった鈴木さんは、ロジャー・テイラーとブライアン・メイの海外でのソロコンサートにまで1人で出かけて行き、海外のファンと交流を深めるように。

 そして、海外発売のQUEENやメンバーのレコードやコンサートチケットをコレクションし始めた。

「まだパソコンさえ普及していない時代ですから、知り合った海外のファンと手紙やファクスをやりとりして買い集めました。全部で2000万円ぐらい使ったんじゃないかな(笑)」

 かくして集めたレコードは海賊版を含めEP約800枚、LP約2000枚。アメリカで製作されたというプラチナディスク1枚(「グレイテスト・ヒッツ」)とゴールドディスク2枚(「オペラ座の夜」「世界に捧ぐ」)、さらにはマニア垂涎の200枚限定製作のロイヤルブルー色のビニール版(Royal Blue Vinyl、「ボヘミアン・ラプソディ」)まで持っているという。

「Royal Blue Vinylは当時、QUEENのレコードを発売していたEMIが、QUEENの海外での成功を記念して開いた夕食会で関係者に配ったものです。グラスやマッチもそのときの夕食会で配られたもので、ボクは『手放してもいい』という海外の人を紹介してもらって交渉し、たしかまとめて20万円ほどで購入したと思います」

 残念ながら、このRoyal Blue Vinylは鈴木さんのQUEENコレクションを収めたクローゼットの奥にしまい込まれ、取材の際には積み上げたレコードの収納ボックスがあまりに重くて取り出せず見ることができなかった。鈴木さん自身、その後、結婚して家庭をもち、クローゼットにしまい込んで以来、取り出して見ていない。

チケットに書かれたジョン・ディーコンのサイン
チケットに書かれたジョン・ディーコンのサイン

映画「ボヘミアン・ラプソディ」で蘇った青春の思い出

 昨年、映画「ボヘミアン・ラプソディ」公開を機に数年ぶりに、コレクションの手前のほうに置いたレコードだけは取り出して見てみた。QEUEENとともに過ごした自身の青春が、懐かしく蘇ったという。

「夢中でコレクションしていた頃は、地震でレコードが割れたり、泥棒に盗まれたりしませんように、と祈るような気持ちでしたね。結婚後、コレクションはしまい込んだままでしたが、ロジャー・テイラーとブライアン・メイが、ボーカルにアダム・ランバートを迎えて行っているコンサートや、日本のコピーバンドのGUEENのコンサートにはずっと行き続けています。もちろん、来年1月のQUEENのツアーにも行きますよ!」
 
 2020年1月のツアーとは「QUEEN + ADAM LAMBERT THE RHAPSODY TOUR」(クリエイティブマン)。さいたまスーパーアリーナなどで全4公演が行われるが、鈴木さんは4公演すべてに行くという。ファンのQUEEN愛は永遠だ――。

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