お笑いコンビ「髭男爵」の山田ルイ53世が1日、都内でエッセー「パパが貴族　僕ともーちゃんのヒミツの日々」(双葉社)の出版記念イベントを行った。家庭では8歳と1歳の娘のパパだが、作品は娘にお笑い芸人と気づかれないようにしながら精いっぱい普通のお父さんであろうとして悪戦苦闘する日々をつづっている。

　山田は「小学2年の娘の8年間の観察日記、記録であるとともに」と切り出すと、娘には「むちゃくちゃフレシキブルに働いているサラリーマンと言っています。秘密を守る闘いの記録」と著書を紹介した。

　娘に職業を秘密にしている理由は「一発屋芸人と言われて、自称もしています。恥じてはいないのですが、一発屋という言葉に含まれる負けとか失敗みたいな苦み成分を、人生が始まったばかりの子どもにはまだ早いんじゃないかという気遣いです」と説明した。また「学校でおまえの父ちゃん一発屋みたいなからかわれ方をされたら申し訳ない」と続けた。

　報道陣に打ち明ける時期を問われると「予定は成人式の日。成人の日に『おまえもお酒を飲めるようになったな』と、いつも僕は家ではウイスキー党ですが、その日はワイングラスを出し、赤ワインをついで『成人おめでとう、ルネッサーンス』と言う。娘が『やっぱりパパそうだったの』と言う展開が1番いい」とした。

　ただ「今のペースでいくと1、2年後にバレそう」と不安も口にした。ワイドショーにコメンテーターとして出演することも多く、バレそうな危機もあるという。娘が「パパが仕事に行くと、シルクハットが1つ減るよね」と言うこともあったという。何とかバレないように、相方の「ひぐち君を公私ともに避けるようにしています」と報道陣を笑わせた。バレそうになった時は「(ひぐちカッターでも)どうにもならない。バラエティーの局面でもどうにもならない」とした。

　また、報道陣からは娘がもし、お笑い芸人になりたいと言ったら、という質問も。山田は「正統派の芸人になってほしい。間違ってもシルクハットをかぶったり、貴族だとかと言い出さないような芸風を目指してほしい」と語った。