織田裕二、車いすの昭和型刑事役に刺激「こんな刑事モノは見たことがない」 “走れない世界”で見えた新境地

俳優の織田裕二が、27日に放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム『ダブルエッジ~甦った男』(午後9時)で主演を務める。織田にとって、テレビ朝日ドラマ初主演作で演じるのは、元“捜査一課のエース”で現在は車いす生活を送る昭和型刑事。「こんな刑事モノは見たことがない」と語る作品の見どころなどを聞いた。

インタビューに応じた織田裕二【写真:舛元清香】
インタビューに応じた織田裕二【写真:舛元清香】

『ダブルエッジ~甦った男』でテレ朝ドラマ初主演

 俳優の織田裕二が、27日に放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム『ダブルエッジ~甦った男』(午後9時)で主演を務める。織田にとって、テレビ朝日ドラマ初主演作で演じるのは、元“捜査一課のエース”で現在は車いす生活を送る昭和型刑事。「こんな刑事モノは見たことがない」と語る作品の見どころなどを聞いた。

 今作は元捜査一課の刑事・郡司と、ASD(自閉スペクトラム症)を持つ警視庁捜査二課の財務捜査官・阿久都華瑠(小野花梨)がタッグを組み、不可解な連続殺人事件の真相に迫るヒューマンミステリーだ。郡司と同じ、警視庁捜査一課に所属する警察官として管理官・国領克俊(津田健次郎)、係長の富県紗栄子(明日海りお)、刑事の市瀬広巳(細田善彦)が登場。さらに、郡司の妻・真由希を和久井映見が演じ、織田とは1992年公開の映画『エンジェル 僕の歌は君の歌』以来、約34年ぶりの共演を果たすなど、豪華出演陣にも注目が集まる。

――今回演じる、“車いすに乗った刑事”郡司の印象を教えてください。

「今回、ほぼ車椅子(での演技)です。元々は捜査一課でバリバリやっていた刑事だったんですけど、『歩けない』『走れない』で、かなり芝居が制限されるだろうなと思いました。今は多様性の時代』と言われる中で、どういう刑事像、どういうドラマになるんだろうと興味を持ってやりました」

――郡司の性格やキャラクターについては。

「郡司は現場主義だった男なので、それまで自由に動けていたのに、自分の足が動かず、現場に行くのも一苦労で。すごくジレンマを抱えています。河原に行ったら、全然車いすで走れないんですよ。『こんなに動けないものか』と、自分でやってみて改めて思いました。いろんな人の手助けが必要だったり、厄介者扱いされてしまうところがある中で、トラウマのようなものと戦う少し特殊な人(阿久都華瑠/小野花梨)と出会えた。目線の高さすら違う人と2人で力を合わせたら逆に面白いものができるかもね、と、郡司自身も変わっていく印象です」

――どんな変化を感じますか。

「普段は呑気で明るい感じのキャラクターなんですけど、もうかなりいい歳なので、人を見れるようになった気がします。若いころは自分の思いで突っ走っていることが多い中で、一歩引いて客観視したりとか、今どういう状態なのかなって見れる瞬間が、彼のキャラクターにしては珍しくあるなというイメージでした。(相棒の)華瑠ちゃんを見ても、郡司が若いころだったらたぶん、きっと『使えない』のひと言で終わっていたと思います。自分が(車いす生活という)ハンデキャップを背負ったことによって、ASDの症状を持っている彼女を見た時に、『この子の中にも良さがある』というところまで待っていられるようになったところが、郡司の成長だったのかなという気がします」

――今までにない面白さが出てるんじゃないか、と。

「僕はこんな刑事モノを見たことがないので、どんなことになるのという感じです(笑)。刑事モノと言えば、ない時はないというくらい常にやっていると思います。それぐらい普段当たり前にある刑事ドラマの中で、新しいものができるんじゃないかという期待でお引き受けしました」

炎天下での撮影を「もう夏のロケは無理だなと思いました」と回想【写真:舛元清香】
炎天下での撮影を「もう夏のロケは無理だなと思いました」と回想【写真:舛元清香】

阿久都華瑠役の小野花梨と凸凹コンビを演じる

――相棒役の阿久都華瑠を演じた小野花梨さんの印象は。

「華瑠ちゃんはやりすぎてしまうとロボットみたいになってしまうだろうし、そのさじ加減がすごく大変だなと思っていました。実際に監督と何度か現場で話されているのを見させていただいていましたけど、それを見事に乗り越えてやっていらっしゃるのを見て、『頼りになるな』『相棒だな』と感じました」

――真夏に行われた撮影の大変さは感じましたか。

「暑すぎました(笑)。待ち時間に車いすを炎天下に置いておくと、ハンドルのところが(熱くなって)もう触れないです。『俺は陰に入るからいいよ』と車いすに日除けの傘をさすくらいでした。断言していいですけど、この作品が“最後の夏の作品”です。もう夏のロケは無理だなとこの作品を通して思いました(笑)」

――『踊る大捜査線』シリーズなどに出演してきた中で、刑事役を演じるコツはありますか。

「実際の刑事さんが、気さくに現場に来てくださったりします。それが普通の企業のサラリーマンみたいで、刑事さんに見えないんです(笑)。そのための私服刑事なんですけど、昔はもう少し“刑事臭”はしていたんです。最近会った新宿署の刑事さんとか奥様も刑事で、すごいおしゃれで『このイケてるカップルは何?』みたいな感じでした(笑)。ともするとドラマの方がどんどん刑事臭くしようと役者がしかねないので、もっと普通っぽくするように気をつけなきゃとより思いました」

――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

「これが日本の夏にやった最後の私のドラマです(笑)。もう夏は無理だと思います。でも、その厳しい環境の中で津田(健次郎)君とかいろんな魅力的な役者さん出ています。女性監督(樹下直美氏)なんですけど、面白い方で。説教臭い作品ではないので、ビール片手に冷房の効いた部屋で気楽に見ていただければ損はさせないと思います!」

□織田裕二(おだ・ゆうじ)1967年12月13日、神奈川県出身。87年に『湘南爆走族』で映画デビュー。「踊る大捜査線」シリーズなど映画やドラマに多数出演し、日本のテレビ界・映画界をけん引するだけでなく、高校時代から音楽活動を行っており、2005年には歌手として第19回日本ゴールドディスク大賞を受賞するなど幅広く活躍している。世界陸上では、1997年のアテネ大会から13大会連続でメインキャスターを担当し、2025年の東京大会ではスペシャルアンバサダーを務めた。大型自動二輪免許、ダイビング(PADI)、国際レースライセンス(Cクラス)、一級小型船舶操縦士免許を保有。身長177センチ。

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