ムキムキのレスラーがダイエットを指導 ユニークな経営方針で大好評【連載vol.12】

大日本プロレス10・21後楽園ホール大会で、BJW認定ジュニアヘビー級王者に輝いた吉野達彦。「大日本は、ストロング、デスマッチだけじゃない。ジュニアも見逃さないで」と胸を張った。

ドクターストップを振り切って戦うプロレスラーの吉野達彦【撮影:柴田惣一】
ドクターストップを振り切って戦うプロレスラーの吉野達彦【撮影:柴田惣一】

金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」

 大日本プロレス10・21後楽園ホール大会で、BJW認定ジュニアヘビー級王者に輝いた吉野達彦。「大日本は、ストロング、デスマッチだけじゃない。ジュニアも見逃さないで」と胸を張った。

 大日本ジュニアを背負って立つ決意を明かした吉野だが、もう1つ「闘う経営者」としての顔を持っている。女性専用でダイエットを主に目的とする「FORZA フィットネスジム」と、各人の目標達成を目指す「パーソナルジム」。都内に6店舗のジムを展開しているのだ。

 吉野自身はもちろん、多くのレスラーがトレーナーを務めている。大日本プロレス・ストロングBJの大黒柱である関本大介はじめ現役バリバリの選手の直接指導を受けられるのだからたまらない。ムキムキの関本が「どうも」と出て来た時の、女性会員の驚いた顔を見ることが吉野の密かな楽しみだという。ダイエットとは正反対のレスラーが指導員、となると不安になるかもしれないが、そこは体作りのプロばかり。楽しく優しくダイエットに取り組める。

 ジム経営者として成功している吉野だが、あくまで「副業。メインはプロレスラー」と強調する。学生プロレス出身で、ザ・グレート・サスケに憧れてプロの世界に飛び込んだところ、ますますプロレスの魅力にはまり込んでしまった。「自分でも恥ずかしいほど、プロレスが好きで好きでたまらない。今は都内の大会を中心に年間50試合ほどだけど、試合をしたい気持ちはふくらむばかり」と告白。実は2年前に首を負傷し「試合出場は勧められませんね。自己責任でやってください」と、医師からはストップをかけられているが、そこは譲れない。

 トレーナーの知識をフル活用し、ファイトしながらけがの治療にも自ら取り組んでいる。奥様はフリーアナウンサー。学生時代に同じジムでアルバイトをしていて知り合った。ジム経営にもプロレスにも理解があり、最強のパートナーと言えそうだ。ジムには俳優や声優などタレントも多く通っている。「忙しい中で、時間を作り出して、頑張っている姿に、こちらも刺激をいただいている」とニッコリ。秋田出身とあって、同郷の菅首相の誕生はうれしい限り。「勝手に盛り上がっている」と追い風ととらえている。

 店舗を増やすことで、けがなどで現役続行が難しくなったレスラー仲間たちの働く場も確保できる。「僕なんかのできることは、微々たるものだけど、少しでもお役に立てるなら」と、二刀流・吉野はフル回転している。

次のページへ (2/2) 【画像】ジムでの吉野達彦はさわやかに指導に取り組んでいる
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