「誹謗中傷」と「批判」の違いは? 法律の専門家に聞いた“線引き”と悪質投稿なくす解決策

誹謗中傷の書き込みをしないようにするには「逆に自分の立場になった時を想像することが重要」

 それでは、何が「批判」と理解されるのか。例えば、芸能人について言及する場合、「芸能人だからお金を稼いでいて遊べていいよね」といった書き込みは、「行動の評価」に該当するため、誹謗中傷には当たらないという。政治家に対する「このやり方は政策的におかしい」といった投稿も批判の範囲内だ。SNSで相手の考え方や行動に対して発信する際は、「私は違うと思う」といった評価に加えて、「私は〇〇だと考えています」という投稿者自身の意見も書くことが求められるという。

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 SNSでの誹謗中傷にまつわる暗いニュースが後を絶たない。軽い気持ちの書き込みが重大な結果をもたらす可能性もある。“加害者”にならないための対応策はあるのか。正木弁護士は「自分が相手から書かれた時にどう思うのか、逆に自分の立場になった時を想像することが重要」と強調する。何かを書き込む前に、「その言葉は人格に対してか、行動に対してか。相手にとってマイナスになっていないか」といった観点で考え直すことも大切だ。

 解決策のポイントとして、SNSのプラットフォーム側による制度の強化が挙げられる。例えば、悪質な投稿を第三者が通報できる制度の拡充だ。それに、誹謗中傷に該当する投稿を削除するための人工知能(AI)の導入だ。正木弁護士は「表現の自由を問題にする意見もあると思うが、『死ね』というような言葉は社会一般で許容されるものではない。SNSでの必要な制約はあってもいいのではないか」との見解を示す。

 さらに、誹謗中傷の投稿者に対する責任追及もポイントになるだろう。正木弁護士は「弁護士と調査会社が連携してスピードを高める対応が進められている。誹謗中傷を受けた場合は、泣き寝入りせずに相談してほしい」と話している。

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