日曜劇場抜てきの宮﨑優の素顔 病んでいた19歳の孤独と覚醒のきっかけ「こうあらねばならないと考えすぎていた」
車いすラグビーを舞台にしたTBS系連続ドラマ『GIFT』(日曜午後9時)で、主演・堤真一演じる天才宇宙物理学者・伍鉄文人(ごてつ・ふみと)の部下・宗像(むなかた)桜を演じているのが、俳優の宮﨑優(25)だ。Netflixシリーズ『グラスハート』(2025年)のヒロイン役で脚光を浴びた注目株だが、18歳で三重県から上京してからの7年間は、決して平坦ではなかった。その素顔と転機に迫った。

『GIFT』出演も家族は“塩対応”
車いすラグビーを舞台にしたTBS系連続ドラマ『GIFT』(日曜午後9時)で、主演・堤真一演じる天才宇宙物理学者・伍鉄文人(ごてつ・ふみと)の部下・宗像(むなかた)桜を演じているのが、俳優の宮﨑優(25)だ。Netflixシリーズ『グラスハート』(2025年)のヒロイン役で脚光を浴びた注目株だが、18歳で三重県から上京してからの7年間は、決して平坦ではなかった。その素顔と転機に迫った。(取材・文=平辻哲也)
「地上波のドラマに出たことがあまりなかったので、いきなり日曜劇場というすごい枠に出ることになり、少し不安になりました」
そう素直な心境を明かす宮﨑は、『GIFT』で堤真一の部下という大役を担う。演じる宗像桜は「挫折を知らなかった、すごく優秀な女の子」だが、劇中では伍鉄からきつく当たられ、闇落ちし、恨みを持つようになる……。
「自分の弱さを認めたくなくて、ちょっと突っぱねてしまうところがある女の子かなと思います。負けず嫌いなところは似ていますが、挫折を知らないというところは私と似ていないです。『闇落ち』をしてしまい、伍鉄さんに怒りや恨みを持ってしまうという役で、それが伏線になっていきます。あんまりやったことのない難しい役でした」
役については「ずっと悩んでいた」というが、現場では主演の堤に大いに助けられたという。
「撮影は堤さんとのシーンからだったんですけど、すごくいいムードを作ってくださいました。堤さんのお芝居を間近で見られたことはいい経験になりました」
日曜劇場という大舞台への出演。さぞ周囲も沸いたかと思いきや、「家族は、あんまりそういうのを言わない人たちで、『そうなんだ』って。それはそれでちょっと寂しいですね」と笑う。同居している妹も「『いいじゃん』みたいな。たぶん好きな俳優さんとか女優さんが出る時だけ『おー』となるぐらいですね」と、家族からの“塩対応”を明かして笑いを誘った。
三重県名張市出身。4姉妹の次女。俳優を志した原点は、1歳のころにさかのぼる。母が、NHK Eテレに出演する姉に宮﨑を連れていった際、プロデューサーに声をかけられ、番組に出演したのだという。
「保育園の時からドラマが大好きで、よく夜更かしして見てたんですけど、自分が赤ちゃんの時に出てたビデオや雑誌を見せてもらって、ドラマも好きだしやりたいなって思ったんです」

「今までで一番うれしかったギフト」は高校時代にもらった手紙
デビューのきっかけは、インスタグラムのダイレクトメッセージでのスカウトだった。当時は高校2年生だった。
「怖かったので、事務所に電話して本当に実在するのかを確認しました。三重県まで来てお話してくれて、『あ、良かった』と思いました」と振り返る。
現在の事務所には2025年4月に移籍。同じ事務所の先輩である戸田恵梨香に憧れていたという。18歳で上京し、本格的に活動をスタート。しかし、ここからの7年間は苦難の連続だった。
「最初はキラキラと夢を追いかけてましたけど、ひねくれた時期があったり、なんか暗い感じでした」
とりわけ宮﨑を苦しめたのは、思い通りに仕事を取れない焦りと、東京での圧倒的な孤独感だった。
「一番苦しかったのは19歳の時です。大学にも行ってなかったので周りに友達もいないですし、ずっと1人という状況で、病んじゃってました。家にクモが出てきてたんですけど、クモと仲良くなっていました。クモが出てきたらちょっとうれしいみたいな(笑)」
それでも、オーディションを受け続け、Netflixドラマ『グラスハート』でヒロイン・西条朱音役を勝ち取った。
「『グラスハート』のファンミーティングがありまして、集まった人たちが役名で呼んでくれて、すごく変わった気がするなというのを実感しました」
挫折と孤独を乗り越え、確かな自信を手にした現在。25歳になった宮﨑は、肩の力が抜け、自分らしく日々を楽しんでいる。
「今まで考えすぎちゃって、『女優とは、こうあらねばならない』みたいに、あんまりワイワイ楽しんじゃダメだみたいなのを勝手に課していました。でも、今は人間って楽しんだ方がいろんな感情をいただけると思うので、もっとプライベートを充実させたいと思っています」
具体的に始めようとしていることを尋ねると、意外な答えが返ってきた。
「大人数で『ケイドロ』をしようって。お酒とかも飲まずに、本気でそれだけをするっていう会をしたくて、今人を集めて場所を探ってるんです(笑)」。さらに、「レゴやパズルが好き」といい、花や盆栽のレゴを短時間で作って楽しんでいるという。
ドラマタイトルにちなみ、「今までで一番うれしかったギフト」を聞くと、「高校時代に友達からもらった手紙ですかね。最近実家に帰った時に見つけたんです。今見ると、とてつもなくうれしい感情というか、懐かしい感情をいただける。大事なのは、物より思い出かもしれないです」。
クモと対話するほどの孤独を乗り越え、自らの足でしっかりと歩み始めた宮﨑優。日曜劇場という新たなステージで、どんな「ギフト」を視聴者に届けてくれるのか、目が離せない。
□宮﨑優(みやざき・ゆう)2000年11月20日、三重県生まれ。高校2年生の時にインスタグラムでスカウトされて芸能界入り。1000人規模の選考を経てNetflix『グラスハート』(2025年)のヒロイン役をつかみブレイク。趣味・特技は映画鑑賞、歌うこと、ダンス、ドラム、バドミントン。身長156センチ。
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