令和ロマン・松井ケムリ、相方・くるまは“マグロ”「止まってしまったら死んでしまう人なのでは」

お笑いコンビ・令和ロマンの松井ケムリが、今月23日に自身初の著書『ナマケモノの朝は、午後からはじまる。』(Gakken刊)を出版した。本書は、動物愛あふれる松井の視点から動物たちの生き方をユーモラスに紹介し、自身の人生を重ね合わせてつづったエッセーだ。ENCOUNTはこの機に、『M-1グランプリ』で前人未到の2連覇を成し遂げ、プライベートでは1児の父になった松井にインタビュー。動物の魅力、芸人人生の今後、目指す父親像を聞いた。

動物愛と自身、コンビの将来を語った令和ロマン・松井ケムリ【写真:増田美咲】
動物愛と自身、コンビの将来を語った令和ロマン・松井ケムリ【写真:増田美咲】

初の著書『ナマケモノの朝は、午後からはじまる。』

 お笑いコンビ・令和ロマンの松井ケムリが、今月23日に自身初の著書『ナマケモノの朝は、午後からはじまる。』(Gakken刊)を出版した。本書は、動物愛あふれる松井の視点から動物たちの生き方をユーモラスに紹介し、自身の人生を重ね合わせてつづったエッセーだ。ENCOUNTはこの機に、『M-1グランプリ』で前人未到の2連覇を成し遂げ、プライベートでは1児の父になった松井にインタビュー。動物の魅力、芸人人生の今後、目指す父親像を聞いた。(取材・文=イシイヒデキ)

 松井は、テレビやラジオ、クイズを通じて動物に関する知識を披露してきた。今回のインタビューでも、笑顔でナマケモノのぬいぐるみとの撮影に応じるなど、動物愛を感じさせた。その理由を聞くと、「ないのかも」と返した。

「年少の時には動物や虫が好きで、覚えている範囲ではヤゴを飼っていました。正直、なぜ好きになったのかは分からないです。大人になって好きなものがないし、趣味もないのですが、動物や虫のことは今でも好きです。好きになるって、理由はないのかもしれません」

 幼少期から家族で東京・行船公園の自然動物園、神奈川・よこはま動物園ズーラシアによく訪れたそうで、芸人としての仕事では埼玉・東武動物公園の飼育員を経験した。売れっ子になった現在も、プライベートで日本各地の動物園に足を運んでいる。

「最近はヨネダ2000や後輩芸人を連れて伊豆アニマルキングダムに行きました」

 松井流の「動物園の楽しみ方」を聞くと、「趣向を凝らした行動展示に注目している」と熱弁した。通ならではの視点だ。

「『何でこんなに虎が目の前に来てくれるのだろう?』と思ったら、虎が休んでいる岩の下がヒーターになっていたりする。東武動物公園さんだったら、ライオンの飼育スペースにミーアキャットが顔を出すドーム型の強化ガラスがあるんです。実は下がミーアキャットの巣になっていて、強化ガラスで仕切られているから襲われることはないんですが、ライオンはミーアキャットを追いかけることによって退屈しないし、野生の勘が保たれているんです」

 自身と共通点の多い動物には亀を挙げ、「外的影響を受けないで、自分の中で完結するし、自分が完成しているからこそ、何も変化する必要がない。何万年も姿が変わっていないところが、目指すところでもあり、似ていると感じます」と説明。相方の髙比良くるまはマグロに例え、「止まってしまったら死んでしまう人なのではないですかね」と分析した。

 2024年に一般女性と結婚し、翌25年に第1子の男児が誕生した。動物界には我が子にやさしい動物、厳しい動物がいるが、松井はどんな父親を目指しているのか。その覚悟は想像以上だった。

「白熊のように、子どもを育てているうちは絶食する。それくらいの覚悟で子育てに臨んでいきたいです。白熊は3か月、飲まず食わずで子どもを育てるんです。動物とは関係ありませんが、子どもが望むもの、将来なりたいものができた時に、それを目指せる可能性は極力広げておきたいです」

 そして、「いいやつに育ってほしいです」と願った。

「僕の考えですけど、頭がいい必要はなくて、普通にいいやつだったら人生が楽しいと思うんです。その点では、この本に出てくる動物でいうとマナティのように育ってほしいですね。自分にも近いと思いますし、子どもにも同じように歩んでほしいと思います」

自身と共通点の多い動物は「亀」と明かした松井ケムリ【写真:増田美咲】
自身と共通点の多い動物は「亀」と明かした松井ケムリ【写真:増田美咲】

野望は「悠々自適な生活」

 M-1グランプリ優勝後は、バラエティー番組やYouTubeはもちろん、報道番組でコメンテーターを務めるなど、さまざまな分野で活躍している。今後のことを聞くとほほ笑みながら“野望”を語った。

「まずはゴールデンとかの大きな番組でMCがしたいです。ゆくゆくは冠番組を増やして大御所になる。20年後、30年後は、レギュラー番組だけで悠々自適な生活をするというステレオタイプの芸能界、この道を歩みたいです。僕は独自の道を歩むことが苦手なので、有名であればそれでいいのかもしれません。ちやほやされたいです」

 髙比良が吉本興業を退所してからは、令和ロマンとして劇場に立つ機会が減ったというが、芸人初となる神奈川・Kアリーナ横浜での公演『RE:IWAROMAN』(5月16日)を控えている。7年ぶりの単独ライブでチケット即日完売、2万人動員となるが、松井は「今後、どんな形で漫才をしていくかは決まっていません。ただ、定期的に単独はやっていきたいと思っています」と言った。

 最後に「芸人としてこれからも大切にしたいことは」と問うと、「くるまとはラジオでしゃべれています。漫才も好きですが、しゃべることが好きなので、ラジオやYouTubeも大切にしていきたいです」と願った。事務所は別々になっても、くるまと「しゃべる」歩みは続いていく。

□松井ケムリ(まつい・けむり) 1993年5月29日、神奈川県生まれ。進学した慶応大のお笑いサークル・お笑い道場O-keisで出会った髙比良くるまとコンビ・魔人無骨を結成し、ツッコミを担当。吉本興業のお笑い養成所・NSC東京校(23期生)を首席で卒業し、2019年5月にコンビ名を令和ロマンに改名。23年、24年の『M-1グランプリ』で、大会史上初の2連覇を達成した。173センチ、103キロ。血液型A。

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