高橋一生&中村アンの激動の14年 人生の選択を“正解”にする覚悟「間違いにしないでここまで来た」
テレビ朝日系連続ドラマ『リボーン ~最後のヒーロー~』(火曜午後9時)で高橋一生演じる冷徹なIT社長が転生したのは、AKB48が全盛期だった14年前の2012年。奇しくも、現実の高橋や、ヒロインを演じる中村アンにとっても、この14年は環境が劇的に変化した激動の期間だったという。多忙を極める2人が明かす、重圧からの解放、リフレッシュ法、そして「間違いを正解にしていく」という役者としての覚悟に迫った。

テレビ朝日系ドラマ『リボーン ~最後のヒーロー~』に出演
テレビ朝日系連続ドラマ『リボーン ~最後のヒーロー~』(火曜午後9時)で高橋一生演じる冷徹なIT社長が転生したのは、AKB48が全盛期だった14年前の2012年。奇しくも、現実の高橋や、ヒロインを演じる中村アンにとっても、この14年は環境が劇的に変化した激動の期間だったという。多忙を極める2人が明かす、重圧からの解放、リフレッシュ法、そして「間違いを正解にしていく」という役者としての覚悟に迫った。(取材・文=平辻哲也)
14年前。10年でも、干支が一巡する12年でもない絶妙な月日は、人にどんな変化をもたらすのか。
「自分が変わってないだろうと思っていても、否が応でも人は変わっていくものだと思いますし、やっぱり周りの状況によってだいぶ変えられるんだなとは思います」。高橋はそう切り出した。
「僕も2012年は、まだ現場でプロデューサーの方などに『一生君』と呼ばれていたころ。それがいつの間に『一生さん』って呼ばれるようになり、周りのADの方々も自分より年下になっていき……。時代の流れとともに随分変えられてしまったなという感覚はありますね」
中村も深くうなずき、「私は大学を卒業して仕事を始めたばかりの、ごく普通の女子だったので、そこから今に至るまでで環境は大きく変わりました」と自身の軌跡を重ねる。「自分の得たものもあるし、多分知らず知らずに失っているものもある。本当にこのドラマをやると、環境が人を大きく変えるんだなという感じはあります」。
劇中では時代を遡った2012年の世界に、突如転生してしまう主人公だが、もし自身が転生するとしたら誰を連れて行きたいか。そんなポップな問いに対し、座長として常に気を張っている高橋ならではの人間臭い本音がこぼれた。
「自分のことを分かってくれている人は連れて行きたいです。分かってくれない人ばかりの環境だと、結構厳しくなるだろうなと思うので。安心感をくれて、愚痴が言える人がいるといいですね」
対照的に中村は、「私は日本人じゃない人になりたい。オーストラリアとかのビーチでサーファー的な、今とは真逆な生活を自由に歩んでみたいです」とあっけらかんと笑う。思慮深く言葉を選ぶ高橋と、カラッとした明るさを持つ中村。このパーソナリティーの対比が、現場の絶妙なバランスを生んでいるのだろう。

リフレッシュ法は「歩くこと」「ボーッとすること」
今年の春はドラマに加え、NHKドラマ『岸辺露伴は動かない』の渡辺一貴監督と再タッグを組んだ映画『脛擦りの森』(公開中)、絶対に怒らない男を演じた『ラプソディ・ラプソディ』(2026年5月1日公開)の公開なども重なり、露出が相次いでいる高橋。「一気に来ちゃいました」と苦笑いするが、多忙さに対する現在の心境は、悟りにも似た境地に達している。
「『期待に応えなきゃ』みたいなことは、もうだいぶ前になくなっているかもしれません。その時の自分って、どうしても、その時の自分でしかいられないので。誰にジャッジされるのかは分からないですが、やっぱり自分は自分でいるしかない、と思います」
2人に、今のリフレッシュ法を聞いた。高橋は「歩くこと」を挙げ、「最低限のベースの筋力とかは必要だなと思うので。1時間くらい、ゆっくり歩いてます」と語る。中村は「ボーッとすること」だという。「昔はなんかしてないと気が済まなくて心配だったんですけど、最近はボーッとすることができるようになってきました。無駄な時間が無駄じゃなくなりましたよね」。大人になった2人の余裕がそこにはあった。
もし、今の自分が14年前の自分にアドバイスをするとしたら。高橋の答えは「そのまま行ってください」。高橋は「来る球をとにかくひたすら無心で打ってくださいって言いたいです」とエールを送る。
その言葉の裏には、過去の失敗や間違いすらも呑み込んできた役者としての矜持がある。「人生で失敗したなと思うことは?」という問いに、高橋は「それは言えないでしょう」と笑い飛ばすが、その真意は深い。
「間違いだったこともたくさんあったと思うけれど、間違いにしないでここまでやってきているので。正しいものとしてちゃんと受け入れられるようにやってこられているのだと思います」
その言葉に中村も、「何が正解かは分からないですけど、その道を進むために多分正解にしようとしてたんだと思う」と同調。筆者が思わず「正解にしないといけないですもんね。自分の人生ですもんね」と相づちを打つと、2人は静かにうなずいた。
過去をやり直すドラマの主人公に自らを重ね合わせながら、自分の人生の選択を正解にしていく。その力強い生き様こそが、高橋一生と中村アンの芝居に圧倒的な説得力を持たせているに違いない。
□高橋一生(たかはし・いっせい)1980年12月9日生まれ、東京都出身。数多くのドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。近年の主な出演作にNHKドラマ『岸辺露伴は動かない』、テレビ朝日系連続ドラマ『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱』、テレビ朝日系ドラマ『ブラック・ジャック』、WOWOWドラマ『1972 渚の螢火』、映画『脛擦りの森』(2026年4月10日公開)、『ラプソディ・ラプソディ』(26年5月1日公開)などがある。NHK BSドラマ『この味もまたいつか恋しくなる』が今秋以降放送予定。
□中村アン(なかむら・あん)1987年9月17日生まれ、東京都出身。大学卒業と同時に本格的に芸能活動を開始。フジテレビ系連続ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』以降、俳優として立て続けに話題作に出演。近年の主な出演作にTBS系連続ドラマ『グランメゾン東京』『危険なビーナス』『DCU~手錠を持ったダイバー~』、テレビ朝日系連続ドラマ『青島くんはいじわる』、映画『マスカレード・ナイト』『グランメゾン・パリ』など。
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