NOEL、竹林エルら若手ファイターがアピール合戦 DEEP佐伯代表が下した“シビアな評価”

格闘技団体「DEEP」を主宰する佐伯繁代表が、現在の女子格闘技(ジョシカク)界が抱える深刻な“マッチメイク問題”を明かしてから1か月。「DEEP JEWELS 52」や「RIZIN.52」など各大会で熱戦が繰り広げられ、戦いの勢力図も少しずつ動きを見せている。そんななか、20日に東京・後楽園ホールで開催された「DEEP 130 IMPACT」の大会後、佐伯代表に改めてジョシカク戦線の現状とマッチメイクの裏事情について話を聞いた。

取材に応じた佐伯繁代表【写真:ENCOUNT編集部】
取材に応じた佐伯繁代表【写真:ENCOUNT編集部】

「DEEP 130 IMPACT」の大会終了後にインタビュー

 格闘技団体「DEEP」を主宰する佐伯繁代表が、現在の女子格闘技(ジョシカク)界が抱える深刻な“マッチメイク問題”を明かしてから1か月。「DEEP JEWELS 52」や「RIZIN.52」など各大会で熱戦が繰り広げられ、戦いの勢力図も少しずつ動きを見せている。そんななか、20日に東京・後楽園ホールで開催された「DEEP 130 IMPACT」の大会後、佐伯代表に改めてジョシカク戦線の現状とマッチメイクの裏事情について話を聞いた。

 話題はまず、8日の「DEEP OSAKA IMPACT 2026 1st ROUND」で判定勝ちを収めた期待の若手・須田萌里の次戦について。ファンからは次なる強敵との対戦が熱望されているが、佐伯代表の口からは意外な事実が明かされた。

「相手がいないよね。それに5月末に柔術の世界大会に出るんだよ。年に1回の世界選手権みたいなものに出たいらしくて、5月末や6月頭の試合は現状無理ですね……」

 柔術家でもある須田のスケジュール問題に加え、それ以上に深刻なのが「対戦相手の不在」だという。現在の女子格トップ戦線、特に絶対女王・伊澤星花を脅かす存在を見つけ出すのは至難の業だ。

「これ(対戦相手がいない問題)は萌里が勝った後にもしゃべったけど、じゃあ今の登場人物で誰がいるのって話になっちゃう。NOELも、浜崎(朱加)さんもやっている。一人、二人は当てがあるんだけど、ケガをしていたりして今すぐ対戦できるわけじゃない。そこが女子格の難しさだよね」

 さらに大島沙緒里の連勝や、外国人選手の動向も絡み、状況は複雑化している。そんな手詰まり感のある現状を打破する“究極のカード”として、佐伯代表はひとつのビッグネームを挙げた。

「一番いいのはRENAさんが受けてくれること。でも、RENAさんの立場からしてみたら、女子格のある程度の立ち位置に立っているなかで、萌里ちゃんを受けるかって言ったら簡単な話じゃない。そこなんだよね」

 一方で、若手戦線では激しいアピール合戦が繰り広げられている。「DEEP JEWELS 52」(2月23日)でTKO勝ちを収めた竹林エルはNOELとの対戦を熱望。一方のNOELは3月7日の「RIZIN.52」でイ・ボミ(韓国)に一本勝ちを収め、ケイト・ロータスに対戦要求をした。この複雑な関係性について、佐伯代表はプロモーターとして冷静な評価を下す。

「NOELちゃんは、もう一つぐらい勝てばケイト戦はあり得るんじゃないかな。でも今はないと思う。戦績的にね。竹林に関しては、RIZINのオープニングファイトで見せてやるなら乗るけど、本戦に上がるのはおかしい。本戦に上がれるのはある程度のレベルの人だから、竹林選手はもう一つ二つ箔がついてからだよね。正直言って、実力的にはNOELと竹林はやって変わらないと思う。でもNOELがケイトとやりたいと言っているのと同じで、まだ『箔がつく試合』をやっていない。もう一戦ぐらい、って感じだと思うよ。そこは難しいね」

 さらに、女子格戦線をかき乱す「ケガ」問題もある。「DEEP JEWELS 52」の会場には、活躍が期待される第3代フライ級クィーン・オブ・パンクラシストの重田ホノカの姿があったが「まず復活して試合を成立させないといけない。試合が飛んじゃうっていう怖さがある」とコンディションを面を危惧した。

 頼みの綱となる外国人選手の招へいについても「もう韓国人選手も使い切っちゃったからね」と頭を抱える。そんな手詰まりの中で、ひとつの可能性として韓国の“ウルフ”ことパク・ジョンウン(韓国)の名前が挙がった。

「今度ROAD FCのタイトルマッチでウルフが復活するんです。最近勝ってないけど、その辺が入ってきたら面白いかもしれない。実際、向こうで5月のタイトル戦が決まっちゃってるからすぐには難しいけどね」

 また、本来8日の大会で須田と対戦予定だったパク・シウ(34=韓国)の現在にも触れた。

「もともとは2月と3月に須田萌里とパク・シウがやる予定だったんだけど、シウがケガしちゃったからHIMEに変わった。シウも決して若いわけじゃない。体重の増減も大変だと思う。ケガ明けがどうなるか。最後の勝負が来ると思います」

 インタビューの最後、リアルな裏事情を明かし、苦笑いを浮かべた。

「再来週には、カードを発表する予定だけど、その時点で女子格の選手がほぼ組まれちゃってるんです。そのあとに『RIZINが何か組みます』って言っても、もう残ってない(笑)。本当に何かが入って、先に決まらないと盛り上げようにも難しい。来週あたりにはカード発表しないとまずいんで……」

 常に数か月先を見据え、まるでパズルのピースを合わせるように組まれる女子格闘技のカード。「DEEP 130 IMPACT」が終わったばかりだが、佐伯代表はすでに後楽園ホールで慌てていた。

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