兄マイケル・ジャクソンは「一切の妥協を許さない」 実弟が明かす、妹にも通じる家族の哲学「過去の栄光に…」
米歌手、ジャネット・ジャクソンのマネジメントを担当する実兄ランディ・ジャクソンが、彼女の日本特別公演『JANET JACKSON JAPAN 2026』(6月開催)のPRのため緊急来日した。兄は世界的ポップスター、マイケル・ジャクソンで自身も80年代の音楽シーンに名を刻んだ兄弟グループ、ジャクソンズのメンバーとして活躍した。ENCOUNTでは2回にわたりインタビューをお届け。前編は妹の素顔や伝説の兄弟の音楽エピソードなど、ランディだけが知る話を聞いた。

ランディ・ジャクソン来日インタビュー・前編
米歌手、ジャネット・ジャクソンのマネジメントを担当する実兄ランディ・ジャクソンが、彼女の日本特別公演『JANET JACKSON JAPAN 2026』(6月開催)のPRのため緊急来日した。兄は世界的ポップスター、マイケル・ジャクソンで自身も80年代の音楽シーンに名を刻んだ兄弟グループ、ジャクソンズのメンバーとして活躍した。ENCOUNTでは2回にわたりインタビューをお届け。前編は妹の素顔や伝説の兄弟の音楽エピソードなど、ランディだけが知る話を聞いた。(取材・文=福嶋剛、通訳=芳岡倫子)
──まずは公演のお話からお伺います。今回はワールドツアーではなく日本だけのスペシャルプログラムと聞きました。その背景を教えてください。
「今の時代、テクノロジーもエンターテインメントも、どんどん進化していますよね。必ずしもすべて同じようなワールドツアーにしなくても、十分に成り立つと思っているんです。そして日本のマーケットは独自の環境を持っていて、何よりみなさんのサポートが本当に素晴らしい。私は日本のためだけの特別なプログラムが作れると確信しました。そんな理由から特別公演が決定しました」
──そして今年は、ジャネットさんの4枚目のスタジオ・アルバム『Rhythm Nation 1814』(1989年)が、米レコーディング・アカデミーでグラミーの殿堂入り作品に選出されました。グラミーは音楽界で最も権威のある賞であり、中でも殿堂入りは、長年にわたり音楽業界に多大な貢献をしたアーティストや作品に与えられる特別な称号です。兄として、この受賞をどう受け止めていますか。
「もちろん、素晴らしいことです。感謝もしています。でも、そこで止まるつもりはありません。それは私だけじゃなく、ジャネットも同じ考えだと思います。我々は『次は何ができるのか』『もっとエキサイティングなことを成し遂げるにはどうしたらいいのか』そんなことを常に考えながら前に進んでいます。過去の栄光に酔わないこと――。これがジャクソン家に通ずる哲学なのかもしれないですね」
──兄から見た、妹・ジャネットさんの素顔について教えてください。
「年齢が近いこともあって、幼い頃からずっと仲良くしてきました。ジャネットは、とにかく真面目で一生懸命で、正直、ちょっと頑固だと思うくらいの一面もあります(笑)。だからこそあれだけの歴史を刻んでこれたんだと思います。ジャネットも、兄のマイケルも、私も、みんなに共通していることは『静かな部分があること』です。ただ静かだからといって弱いわけじゃありませんから、そこは誤解しないでくださいね」

兄マイケルは一切の妥協を許さない完璧主義者
──ジャネットさんのエンターテイナーとしての魅力についてもお聞きします。
「ジャネットは、時間とともに本当に洗練されたエンターテイナーになっていると思います。ステージの上では堂々と確固たる自信を持ってパフォーマンスをしていて、それが年齢を重ねるたびに、とてもしなやかで観客の反応を見ながらその場で自然に変化することだってできるんです。柔軟性を兼ね備えたジャネットは常に進化を続けています」
── 一方、ランディさんは兄のマイケル・ジャクソンさんと共に楽曲を作られていましたね。中でもジャクソンズのヒット曲『シェイク・ユア・ボディ』(1978年)やマイケルさんのアルバム『オフ・ザ・ウォール』(79年)の楽曲など、2人で制作していた頃のエピソードを聞かせてください。
「『よし!名曲を作ろう』なんて、そんなことは全然考えていなかったんです。とにかく2人で遊びながら音楽を奏でていると自然に曲が生まれたんです。『今夜はドント・ストップ』(79年)もそうでした。学校から帰宅後、楽器を持って、マイケルと一緒にキッチンでビールや飲み物のボトルに水を入れて……水の量を変えると音が変わるじゃないですか。それを遊びながら作ったりしていました。でも、この曲の思い出はもう1つあって、その時にキッチンのボトルを全部使ってしまい、お母さんに『どこにやったの!』ってマイケルと一緒に怒られた記憶もありました(笑)」
──ヒット曲の原点が、日常のキッチンだったとは驚きました。改めて、ランディさんから見た兄・マイケルさんはどんな存在でしたか。
「いつも同じ部屋に一緒にいましたけど、とにかく大音量で音楽をかけながらずっと踊っていました。『明日も学校があるし、頼むから寝かせてよ』ってマイケルに注意したこともありましたよ(笑)。それくらい時間も忘れて好きなことに熱中していましたね。彼の音楽は今もずっと生き続けています。アーティストとして、エンターテイナーとして本当に何もかも一切の妥協を許さない完璧主義者でした」
□ランディ・ジャクソン(Randy Jackson)1961年10月29日、米・インディアナ州ゲーリー生まれ。ジャクソン家9人兄弟の末弟から2番目。兄にマイケル・ジャクソン、妹にジャネット・ジャクソンという世界的スターがいる音楽一家に育つ。自身も70年代後半から80年代にかけ活躍した兄弟グループ「ジャクソンズ」のメンバー。マイケルとともにジャクソンズの『シェイク・ユア・ボディ(Down to the Ground)』などの楽曲を共同制作。実業家としても、妹・ジャネットの独立系レーベル「リズム・ネイション・レコーズ」の共同設立者を担い、精力的にサポートを続けている。2026年3月、ジャネットの日本特別公演「JANET JACKSON JAPAN 2026」(6月9日に神戸・GLION ARENA KOBE、6月13日&14日にK横浜アリーナ、6月17日に名古屋・IGアリーナ)のPRで緊急来日した。
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