「芝居は赤字、バイト掛け持ち」マリーゴールド・松井珠紗が明かす過酷な下積みとプロレスに救われた過去
女子プロレス界のアイコン・岩谷麻優をして「あの子はプロレスをたくさん見ている」といわしめた選手……それがマリーゴールドの松井珠紗だ。スピードとテクニック、そしてちょっとした悪だくみで相手を翻弄する姿は、まさに“サイコスピード”。その松井へのインタビュー前編では、プロレス界入りのきっかけ、そして今所属しているヒールユニット、ダークネス・レボリューションについて聞いた。

芝居は「本当に好き」という気持ちだけでやっていた
女子プロレス界のアイコン・岩谷麻優をして「あの子はプロレスをたくさん見ている」といわしめた選手……それがマリーゴールドの松井珠紗だ。スピードとテクニック、そしてちょっとした悪だくみで相手を翻弄する姿は、まさに“サイコスピード”。その松井へのインタビュー前編では、プロレス界入りのきっかけ、そして今所属しているヒールユニット、ダークネス・レボリューションについて聞いた。(取材・文=橋場了吾)
松井珠紗は、中学1年生で芝居を始めた。
「当時はプロレスのことは全然知らなくて、プロレスラーの方と共演する機会があってからですね、プロレスを見るようになったのは。高校1年生くらいですかね、プロレス面白いな!と思いました。初めて会場で試合を見たのは、2017年4月ですね。プロレスの詳しい方と一緒に見に行って、解説を受けながら楽しく見させてもらいました」
プロレスは見るだけのつもりだった。しかし、数年後にプロレスをやりたいと思うようになった。
「芝居のスケジュールも結構入っていたので、今プロレスを始めても練習はたくさんできないかもという気持ちもあって、18歳という区切りで前にいた団体に入団を決めました。ただ、芝居だけでは食べていけないので、バイトを何個も掛け持ちしながら、試合もしてという感じでした。親には、芝居は趣味でやっていると思われていたくらいで……。小劇場の芝居ですと、ステージギャランティがなくてチケットパックが収入になるケースが多いんです。交通費も自分持ちですし、お客さんを呼べば収入につながるんですけど、売れていないので赤字ですよ(笑)。本当に、好きという気持ちだけでやっていましたね」
2018年11月に、松井はアクトレスガールズでデビューした。
「プロレスはめっちゃ楽しいと思いました。先輩は怖かったですけど(笑)。当時の環境がぬるいとは全く思っていませんね、週3はリングで厳しい練習をしっかりしていましたし」

絶対ヒールはできない、似合わないと思っていたが……
その後環境が変わる中で、松井は改めてプロレスラーとして生きていく決意を固めた。2024年春、マリーゴールドの旗揚げ戦に松井の姿はあった。
「純粋にプロレスがやりたかった、これに尽きますね。男女問わず、ほかの団体のプロレスはたくさん見ています。(筆者「岩谷麻優が『松井はプロレスをたくさん見ている気がする』と言っていたが」)麻優さんの試合は昔から見ていますよ(笑)。やっぱり気になりますよね、憧れでもありますし。今、同じ団体にいるのは、びっくりですよね」
マリーゴールドの旗揚げ当時は、元スターダム勢と元アクトレスガールズ勢がどう絡んでいくかに注目が集まっていた。
「練習は一緒にしていましたけど、試合では最初の2~3か月はほとんど当たっていないんですよね。でも、私は違和感なく、純粋に新しく当たる選手との戦いを楽しもうと思っていましたね。試合を見ていても面白かったですし、そのうち戦うんだろうなという気持ちでいました。ただお客さんの見方は変わったと思いますね。プロレスのリアルを見に来ているお客さんが多い、と感じました」
2025年2月、松井はキャリア初のヒール転向を果たす。現在保持しているマリーゴールド・ツインスター王座のパートナーであり、前の団体から一緒に移籍したCHIAKIが所属している、ダークネス・レボリューション(以後DR)に加入した。
「絶対ヒールはできない、似合わないと思っていたんですけど、ヒールの方がストレスがなくて楽しいですね(笑)。しかも、ヒールになってからファンが増えたという……逆に『いいのかな?』と思います。(DR加入に関しては)CHIAKIはもちろんなんですけど、野崎(渚)さんの存在も大きいですね。
実は(前の団体で)デビューしたての頃にチャレンジマッチをさせてもらって、その試合を今でもしっかりと覚えているんです。なので、私は勝手に親しみを感じていて(笑)。実際、DRに入ってからは、技の練習にも付き合っていただいていますし、助けられています。CHIAKIは、プロレスでは私が先輩になるんですけど、芝居ではCHIAKIが先輩なんですよ。ダンスは……私はやっていないので先輩でも後輩でもないです(笑)」
(11日掲載の後編に続く)
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