難しいアルコール依存症の克服 ヘンリー王子、元「ビートルズ」、自殺した俳優も…
著名人の薬物逮捕が相次いでいるが、アルコール依存症の克服も難しいようだ。最近は新型コロナウイルス感染症の影響で、アルコール依存症に関する相談が増えているともいう。アルコール依存症については、日本ではあまりおおっぴらに語られないが、海外では多くの著名人がアルコール依存症を告白し克服に努めている。芸能人やスポーツ選手、王族などアルコール依存症と闘っている人には、どんな人がいるのだろうか。
ラドクリフやブラッド・ピットは克服
著名人の薬物逮捕が相次いでいるが、アルコール依存症の克服も難しいようだ。最近は新型コロナウイルス感染症の影響で、アルコール依存症に関する相談が増えているともいう。アルコール依存症については、日本ではあまりおおっぴらに語られないが、海外では多くの著名人がアルコール依存症を告白し克服に努めている。芸能人やスポーツ選手、王族などアルコール依存症と闘っている人には、どんな人がいるのだろうか。
映画「ハリー・ポッター」シリーズで主役を演じた英俳優ダニエル・ラドクリフ(31)は、世界的人気を得るという幸運を手にしたかわりに、長年、アルコール依存症に苦しんできた。ラドクリフは10歳でデビューし、「ハリー・ポッター」に抜擢されたのは11歳のとき。早くから人気と巨万の富を得たが、シリーズは永遠には続かずいずれは終わる。その恐怖や“常に周りに見られている”というストレスから逃れるため、アルコールに頼ってしまったのだ。依存症に陥ったのは18歳の頃。ある日突然、「これではいけない」と断酒を決意。一時、再発してしまったが、運動に打ち込むなどして克服した。
映画「テルマ&ルイーズ」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い」「セブン」などで人気を博し、一時は“最もセクシーな男”といわれた米俳優ブラッド・ピット(56)。自分のワイナリーももつほどのワイン好きが高じてアルコール依存症に陥り、元妻アンジェリーナ・ジョリー(45)との離婚原因のひとつになってしまった。しかし、子どもの共同親権を得るため酒をやめようと決意。16年にアンジェリーナ・ジョリーが離婚申請した後、1年半もの間、“アルコール依存症者の会”に参加し克服。俳優として活躍を続けている。
「大草原の小さな家」のローラは一晩でワイン2本
人気テレビシリーズ「大草原の小さな家」で主人公ローラを演じた米女優メリッサ・ギルバート(56)も、かつてアルコール依存症に苦しんだ。幼い頃から天才子役ともてはやされ、若かりし頃はイケメン俳優ロブ・ロウ(56)やトム・クルーズ(58)と華やかな交際をしてきた彼女だが、生い立ちは複雑。両親の離婚、生後数日で養女にやられ、“両親に捨てられた”という思いに苦しんだ。祖父や父の死をきっかけに酒量が増え、一時は一晩でワインを2本飲むほどだった。克服したのは40代になってから。セラピストを頼り“アルコール依存症者の会”に参加することが、その助けになったという。
アルコール依存症を克服できた人たちばかりではない。「グッドモーニング, ベトナム」「いまを生きる」「フィッシャー・キング」「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」など多くの映画で活躍した米俳優ロビン・ウィリアムズは、30歳頃からアルコールと薬物の依存症に陥り、一時は克服したが再発。リハビリ施設への入退院を繰り返したあげくうつ病にも苦しみ、14年、自ら命を絶ってしまった。享年63。コメディアンでもあり、明るく楽しいイメージだっただけに、彼の死の衝撃は大きかった。
夫婦で更生施設に入院した元「ビートルズ」のリンゴ・スター
アルコール依存症に苦しんでいるのは、俳優だけではなくミュージシャンも同じ。元「ビートルズ」のドラマー、リンゴ・スター(80)も深刻なアルコール依存症だった。1971年の「ビートルズ」解散後、ソロのミュージシャンやナレーターとして人気を得てきたが、40代はアルコールに溺れ、まともにドラムが叩けないほどの状態に。夫人とともに更生施設に入院したのをきっかけに克服したが、彼がアルコールに依存したのは活動に対するプレッシャーからだったという。
「僕の歌は君の歌」「キャンドル・イン・ザ・ウインド」などのヒット曲で知られる英ミュージシャン、エルトン・ジョン(73)も深刻なアルコール依存症で、更生施設に入院したことで克服した。彼が浴びるほど酒を飲んだ理由は、不仲だった両親からじゅうぶんな愛情を得られなかったことだという。幼い頃は祖父母に育てられ、両親はジョンが14歳のときに離婚。「父親に抱きしめられたことさえなかった」という。しかし、43歳で依存症を見事に克服。ミュージシャンとして活躍を続け、プライベートでは同性のパートナーと結婚し、代理母によって子供にも恵まれた。