細田守監督のアニメ映画『時をかける少女』（2006年）が、28日午後9時から日本テレビ系『金曜ロードショー』にて本編ノーカットで放送される。また、細田監督の最新作『果てしなきスカーレット』（公開中）の本編映像が初公開される。

『時をかける少女』は、細田監督がフリーランスに転身後、初めて手がけた長編映画であり、監督としての“原点”ともいえる作品。原作は1965年に筒井康隆氏が発表した同名のSF小説で、1983年には原田知世主演、大林宣彦監督による実写映画が大ヒットし、以後も多くの映像作品が生み出されてきた。本作はその約20年後、2006年の東京を舞台に、原作のヒロイン・芳山和子の姪にあたる紺野真琴の物語が描かれる。

　本作は当初、全国6館・13本のフィルムによる小規模公開だったが、ネットを中心とした口コミにより立ち見が出るほどの人気を博し、最終的には上映館が100館以上に拡大。40週間のロングラン上映を記録した。作品は高く評価され、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞をはじめ、国内外の映画賞を多数受賞した。

　主人公・真琴の声を務めたのは、公開当時16歳で俳優デビュー直後だった仲里依紗。本作の演技で一躍脚光を浴びた。千昭役には前年デビューした石田卓也、和子役には原沙知絵が出演。脚本は奥寺佐渡子が手がけ、以降も『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』と細田作品を支え続ける存在となった。

　細田監督は本作について「『時をかける少女』と『果てしなきスカーレット』には共通点があります。それは、時空を超えた出会い、未来から来た人物に影響を受けて、未来を見つめる女性の話である、ということです。さらに、どちらの作品も、時空を超えた約束、それを交わした男女のお話しであり、その意味でも共通しています。『時をかける少女』は、『果てしなきスカーレット』につながる、まさに“原点”と言ってもいい作品ですので、ぜひお楽しみください！」と語っている。

　なお、番組の後半では、公開中の『果てしなきスカーレット』の本編冒頭7分8秒が初公開される予定となっている。