歌舞伎俳優の片岡亀蔵さんが、火事によって亡くなったことが24日、分かった。64歳だった。日本テレビなどの報道によると、同日午前4時頃、東京・足立区東伊興の工場兼住宅で火事が発生。近隣住民により「煙が出ている」と119番通報。60代男性2人が病院に救急搬送され、同5時7分、この住宅を訪れていた亀蔵さんの死亡が確認された。

歴代の“相棒”は50台超…ベレット、キャデラック、クラウン　クラシックカーを乗り継いだ大物ミュージシャンの愛車遍歴（JAF Mate Onlineへ）

　亀蔵さんは2日前の22日にはブログで「長嶋茂雄さんお別れの会」に出席していたこともつづっていた。

　亀蔵さんの訃報は松竹も発表。東京都出身の亀蔵さんは五世片岡市蔵の次男。兄は六代目片岡市蔵。1965年12月歌舞伎座『仮名手本忠臣蔵 十段目』の一子由松で片岡二郎の名で初舞台。69年11月歌舞伎座『辨天娘女男白浪』の丁稚三吉ほかで四代目片岡亀蔵を襲名。95年5月歌舞伎座で名題昇進を果たした。

　時代物、世話物、新作などジャンルを問わず、敵役から老け役、滑稽味のある役など幅広い役柄をこなし、存在感のある確かな演技力で舞台の脇をしっかりと固めるベテランの俳優として活躍。風格とよく通る声を持ち、近年は『義経千本桜 渡海屋・大物浦』の武蔵坊弁慶、『俊寛』の瀬尾太郎兼康、『仮名手本忠臣蔵』の斧九太夫、『弁天娘女男白浪』の南郷力丸、『夏祭浪花鑑』の三河屋義平次、『髪結新三』の家主長兵衛、『河内山』の北村大膳、『魚屋宗五郎』の父太兵衛、歌舞伎 NEXT『朧の森に棲む鬼』のウラベなどを演じ、味わい深い演技で舞台を盛り立てていた。

　最後の舞台は今年10月の名古屋・御園座『京鹿子娘道成寺』所化妙念坊、『鼠小紋春着雛形』辻番与惣兵衛など。1998年には、第十七回眞山青果賞助演賞。葬儀の予定などは決まり次第、発表される。