速水もこみち「僕は元々不器用」 明かした“料理を通じた交流”の形「これ以上の喜びはない」
俳優の速水もこみちが、現在放送中のテレビ朝日系連続ドラマ『緊急取調室 5th season』(木曜午後9時)に刑事役で出演している。2014年のシーズン1から名を連ね、前回のスペシャルドラマから3年ぶりの登場に。最近、趣味の料理では“キャンプ飯”に目覚めて著書を出すなど、公私にわたり“実りの秋”を迎えている。

刑事・渡辺鉄次役でレギュラー『緊急取調室』12年目に
俳優の速水もこみちが、現在放送中のテレビ朝日系連続ドラマ『緊急取調室 5th season』(木曜午後9時)に刑事役で出演している。2014年のシーズン1から名を連ね、前回のスペシャルドラマから3年ぶりの登場に。最近、趣味の料理では“キャンプ飯”に目覚めて著書を出すなど、公私にわたり“実りの秋”を迎えている。(取材・文=大宮高史)
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本作は、天海祐希演じる叩き上げの取調官・真壁有希子と警視庁捜査一課の専門チーム「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」のメンバーが、社会を揺るがす犯人と一進一退の心理戦を繰り広げる『緊急取調室』シリーズ最新作。22年1月の新春ドラマスペシャル以来、3年ぶりの放送でシーズン5に突入する。14年のシーズン1から携わってきた速水は、今作でも捜査一課の刑事・渡辺鉄次を演じる。
「こんなに長く一つの役をできるとは、想像していなかっただけに、大きな財産です。もう感謝でしかないですね」
シーズン1では29歳だった速水も不惑を過ぎ、今年41歳に。シーズン5でも、上司の刑事で係長の監物大二郎(鈴木浩介)との“もつなべコンビ”は健在。もはやバディーに近い存在だ。セリフの中に互いのプライドがにじむ空気感もあり、そこには、長年の共演で培われた絆があるようだ。
「シーズン1の時からバディーを組む役は、他にほとんど経験がないんです。12年前に鈴木さんと組んだ時も新鮮でしたし、うれしかったですね。でも今思えば、あの頃は2人とも、とがっていました。天海さんにも『なんだ真壁』って食ってかかるような奴らでしたし(笑)。そこから徐々に丸くなって、キントリに溶け込んでいきました。今回も真壁さんに命令されれば、モツさんから『俺たちはパシリじゃねえ』っておなじみのボヤキが出ますが、内心それが心地いいんです。僕のナベ(渡辺)も全然嫌な気持ちにならないですし、12年間、皆一緒に芝居をしてきたからこその快感があります」
演じる渡辺の成長を実感したのは、21年のシーズン4で部下に山上善春(工藤阿須加)が加わった時だった。
「初めて先輩の立場になりましたし、モツさんが一度、一課から異動になりました。その時『モツさんもこういう思いでずっと一緒にいてくれたんだな』と先輩の気持ちがより強く分かってきて、その展開があったからこそ、今回またモツさんと一緒に行動できるのもうれしいですね」
一方で鈴木とは、キントリの枠を越えて交流する仲にもなった。
「鈴木さんとは変な話、恋人みたいな空気感すらありますね(笑)。シーズン1の頃から、撮影がない時も何かあると隣にいたり、この前も一緒にランチに行きました。別にお芝居のためということもなく、鈴木さんもグルメなので、たくさんおいしいお店を教えてもらったり……。いつも明るい方なので、キントリの現場でも僕の緊張を和らげてくれます」

10月にはキャンプ飯本も出版
速水といえば、“料理男子”の顔を持つことでも知られる。最近はインスタグラムで、アウトドアでの“キャンプ飯
”の様子を投稿し続け、10月7日には著書『速水もこみち 最高のキャンプ飯』(小学館)を発売したばかり。屋内を飛
び出し、自然の中での料理に惹かれた理由は“炎”だった。
「バーベキューを始めたら、炎に取りつかれました。どんな民族でも、料理に不可欠なのが炎です。フライパンなんて
ない時代から、丸焼きしたり材料を壺に入れて土に埋めて煮込んだり、道具がなくても多彩な調理法があります。そう
いう料理の原点に触れるのが面白いんです」
さらに、野外料理において、一歩先を行く楽しみ方も伝えようとしている。
「日本でバーベキューというと、“肉焼き会”のイメージが強いと思います。僕はそれ以上に、料理だけでなくコミュ
ニケーションも楽しんでほしいと思っています。本格的なバーベキューだと、ピットマスターという役割があります。
肉を焼くプロであるだけでなく、お客さんをもてなして楽しませてくれるんです。僕自身もそうしてもてなすのが好き
だし、ピットマスターとしていかに場を楽しませるか、も広めていきたいですね」
とことん究める気質は、料理にとどまらず発揮されている。「家にはアメコミのフィギュアが3000体ぐらいあります
ね。子どもの頃からのコレクター癖なんです」と笑う。そんなこだわりにも、強い思いを込めている。
「僕は元々不器用で、素直に感情を見せるのは苦手です。だから、例えば料理を通じて人と繋がれることがうれしいし、楽しいんです。魂を入れた一皿を食べてくれた人が笑顔でいてくれたら、もうこれ以上の喜びはないですね」
芝居でも、役に乗せた感情で視聴者や共演者と共鳴できることがやりがいだ。最後に新たなキントリへの意気込みを
尋ねると、こう胸を張った。
「僕自身はキントリの現場では今でも年下組なので、毎回が勉強させていただく気持ちでいます。今回はモツさんの、
描かれてこなかったちょっとした過去が明かされるのが、ナベとしてもうれしいです。新作ならではの見どころに、ぜ
ひお付き合いいただきたいなと思います」
□速水もこみち(はやみ・もこみち)1984年8月10日生まれ、東京都出身。2002年にテレビ朝日系『逮捕しちゃうぞ』
で俳優デビュー。05年放送の日本テレビ系『ごくせん』第2シリーズで注目を集める。11年から19年まで日本テレビ系
『ZIP!』内の料理コーナー『MOCO’Sキッチン』を担当し、本コーナーからレシピ本も多数出版した。主な主演作に日本テレビ系ドラマ『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(07年)フジテレビ系ドラマ『絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~』(08年)、ABCテレビ『結婚できないにはワケがある。』(21年)など。テレビ朝日系『緊急取調室』シリーズには14年のシーズン1から継続して出演し、今年は劇場版『緊急取調室 THE FINAL』の公開を12月26日に控える。
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