『ばけばけ』朝ドラ2度目のヒロイン父役・岡部たかし、『虎に翼』の「イメージを覆せるよう」
俳優の岡部たかしがヒロイン・トキの父・松野司之介役で出演するNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)について、出演が決まったときの感想や松野家のエピソードなどをコメントした。

愛する家族のために不器用ながら奮闘するヒロインの父・松野司之介
俳優の岡部たかしがヒロイン・トキの父・松野司之介役で出演するNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時)について、出演が決まったときの感想や松野家のエピソードなどをコメントした。
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作品は松江の没落士族の娘で、小泉八雲の妻・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描くオリジナルストーリー。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語をフィクションとして描く。俳優・高石あかりがヒロイン・松野トキを、トミー・バストウがレフカダ・ヘブンを演じ、幼少期のトキを福地美晴が演じる。
まずは『ばけばけ』に出演が決まったときの感想をコメントした。
「『虎に翼』でもお父さん役をやらせてもらったので、最初に聞いた時は、本当にいいのかなと思いました。でも、今回『ばけばけ』の脚本を担当しているふじきみつ彦君は、ずっと一緒に演劇をしてきた仲で、それが何よりもうれしかったですね。ふじき君が朝ドラの脚本を担当することが決まった時は、本当にちまたは歓喜に沸いたんですよ。まさか自分も出られるとは思っていなかったんですけど、……いやちょっとは出るかもと思っていたかな(笑)。ずっと一緒にやってきたふじき君の朝ドラに出られることが、すごくうれしかったですね」
演じる松野司之介は松江藩の上級武士だったが、時代が明治になると収入がなくなり貧乏生活に。それでも家族のために奮闘し、娘・トキに「かっこいい」と言われたい父という役どころだ。
「娘への思いとのはざま、時代のはざまなど、常に『変化のはざま』の中にいる人だと思います。奥さんのフミさんのセリフにも、『父上はね、立ち尽くしちょるの』とあるのですが、時代に翻弄(ほんろう)され、どちらにも行けないでいる司之介のことをよく表しているセリフだと思います。父である勘右衛門さんからは武士道をたたき込まれてきましたが、一方で、そうだと思えば行動できる人でもあります。特に、娘のためならまっしぐらなところがあり、この子を大事にするぞ、苦しくてもこの子のためなら、という親心があるのだと思います」
トキ役の高石をはじめ、松野家の人たちの印象・エピソードを紹介した。
「高石さんは、いい意味でベタベタもしてこない。でも、しゃべりかけに行っても普通にしゃべってくれるし、愛想もいいし、ずっと自然体でいる子やなという印象です。フミ役の池脇(千鶴)さんは今回が初共演ですが、ものすごく仲良くなりましたね。勘右衛門役の小日向(文世)さんは、本当に面白くて明るい人。この先、小日向さんが演じる勘右衛門が、赤ちゃんだったトキを初めて抱くシーンがあるのですが、そこで涙が出そうなくらい感動したんです。松野家のみんながトキのことを本当に思っていて、それを象徴しているようなシーンだと思います」
一番印象に残っているシーンも紹介した。
「最初の『丑の刻参り』をしているシーンは面白いですよね。最初に撮影したシーンだったんですが、皆さんと演技するのもほとんど初めてだったし、頭から最後まで止めずに撮影するという緊張感もあったので、すごく覚えています。冷静に考えると、丑の刻参りをしているのも変なんですけど、それを真面目にやらないと面白くないので、本気でそう思っているところを演じようと思いました。また、司之介が新しい事業を始めるためにウサギをいっぱい買ってくるシーンがあるのですが、ウサギがかわいいから、ちょっと笑えるんですよね。でも、実はそれが借金の元凶になるので、笑えないんです。真面目に言えば言うほど面白いところは、ふじき君の本の書き方だと思いながらやらせてもらっています」
最後にドラマの見どころ・視聴者へのメッセージをコメントした。
「僕は、今回もお父さん役をやっていますけれど、『虎に翼』の直言さんとは人も違うし時代も違います。『虎に翼』も大好きな作品ですが、いい意味でそのイメージを覆せるように、僕もまた新たな気持ちでがんばりたいと思っています。ふじき君の脚本の魅力は、『会話』だと思っています。ふじき君が書く会話劇が何ページにもわたって続くところがあって、一見ただしゃべっているだけのシーンに思うかもしれないけど、そのセリフの一つひとつにキャラクターの色が出ていると思います。視聴者の皆さんには、朝ちょっと手を止めていただいて、その会話を楽しんでほしいですね」
※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか
