「酷すぎる」 秋葉原・無差別殺傷事件の献花現場が「ごみ捨て場」に…批判殺到 浮かび上がった課題
東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件は、今月8日に発生から17年を迎え、現場の交差点には、花や飲み物が供えられた。一方で、現場は一時、空きペットボトルや飲料の容器など、ごみがあふれてしまい、SNS上で物議を醸した。「ごみ捨て場」のようになってしまった状況は、18日朝になって片付けられているのが確認されている。秋葉原の街を毎朝巡回しているという投稿者に詳細を聞いた。

「秋葉原ではこの場所に限らず、ごみのポイ捨てが問題となっています」
東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件は、今月8日に発生から17年を迎え、現場の交差点には、花や飲み物が供えられた。一方で、現場は一時、空きペットボトルや飲料の容器など、ごみがあふれてしまい、SNS上で物議を醸した。「ごみ捨て場」のようになってしまった状況は、18日朝になって片付けられているのが確認されている。秋葉原の街を毎朝巡回しているという投稿者に詳細を聞いた。
事件は2008年6月に発生し、多くの人が行き交う歩行者天国が狙われた。7人が死亡、10人が重軽傷を負い、社会に衝撃を与えた。
「秋葉原・中央通り交差点。花や飲みものが供えられていた事件現場は完全にゴミ捨て場となってしまい、ひどい有様」。Xの投稿者は、ツルミロボ(@kaztsu)さん。東京・千代田区の秋葉原電気街に在住。秋葉原の街を365日、休まずに15年間、毎朝巡回している。
犠牲者への追悼のために手向けられた花や飲み物。ツルミロボさんが17日朝に見回りをしたところ、おびただしい量のごみが捨てられていたという。「前日まではそれなりに整った状態だった現場ですが、この日の朝は明らかにごみ捨て場のような状態になっており、がく然としました。秋葉原ではこの場所に限らず、ごみのポイ捨てが問題となっており、外国人が捨て場に困っている様子や、日本人であっても1か所に集められたごみの場所にごみを置いていく様子を何度も目撃しています」と、ため息をつく。
犠牲者を悼む場所は、どのように変化していったのか。経緯について、「6月8日は花束が多く、弔いの場所と分かる状態→その後、徐々に飲み物が増えていき、ダンボールにまとめられる→花束が隠れるようになってからは飲み物が目立つようになり、それからは一気にごみ捨て場へと変わっていきました。その後は皆、後ろめたさもなくごみを置いていき、このような状況になったのだと思われます」。
さらに、「ごみ箱が街中にないことが原因の一つだと考えられますが、設置したからといって即座に解決する問題でもないのではないでしょうか。すぐに容量オーバーであふれてしまうと思われるためです。シンガポールのように(ごみのポイ捨てに)罰金を科すなど検討する余地はありそうですが、課題は多そうです」と、複雑な思いを語る。
千代田区長「清掃事務所が対応させていただきました」
ツルミロボさんは18日朝に現場が整理されていることを確認。「ゴミ捨て場と化していたがキレイに片づけられていた」と報告した。
これを受け、千代田区の樋口高顕区長がリプライ。「教えていただき有難うございました。清掃事務所が対応させていただきました。いつもすみません」と説明を書き込んでいる。
一連の投稿にはさまざまな意見が寄せられており、「ひどすぎる!」「これはアカン」「酷すぎる…なんでこんな事に」「最近ポイ捨て酷すぎてどうにかしたい」など批判が殺到。また、「ペットボトルで勘違いしたんだろうな」「亡くなった方に対するお供え物の飲み物をゴミと勘違いして散らかったんですかね……綺麗になって良かった」「やっぱり公共のゴミ箱を増やさないと」「所詮この場所で何があったのか知らない人も大勢いるだろうし それだけ時間が経ったって事にもなるんだろうね・・・」「もう慰霊碑か何か建てたらいいと思います…」「風化させてはならない」など、大きな反響を呼んでいる。事件について広く伝えていくことの難しさ、現場保存の在り方など、課題が多いことも改めて浮かび上がった。何より、事件を風化させないことが重要だ。
ツルミロボさんは「事件について何も知らない外国人観光客や、国内でも比較的若い方たちに、このエリアが事件現場の跡地であるということの理解を求めるのは無理があると思います。そういった現状を前提とした街づくりが必要と考えます。幸い今回の件がそうであるように、千代田区長は、私のような者のSNS投稿からも現場の様子を把握される方なので、よりよい街づくりに期待したいです」と話している。
「ツルミロボBlog」
https://kaztsu.com
