『キャスター』番組P、阿部寛の魅力を語る “パワハラ”に見せない演技力「セリフを乗り越えていく」
TBS系連続ドラマ『キャスター』(日曜午後9時)を担当する伊與田英徳プロデューサーが取材会に出席し、15日に迎える最終回の見どころや出演者について語った。

伊與田英徳プロデューサーにインタビュー
TBS系連続ドラマ『キャスター』(日曜午後9時)を担当する伊與田英徳プロデューサーが取材会に出席し、15日に迎える最終回の見どころや出演者について語った。
本作は阿部寛が主演を務め、永野芽郁、道枝駿佑らが出演する完全オリジナルストーリーの社会派ドラマ。公共放送で15年間記者としてキャリアを積み、現在は報道番組のキャスターを務める進藤壮一(阿部)が、民放テレビ局・JBNの報道番組『ニュースゲート』のメインキャスターとして抜てきされる。進藤は“真実を伝える”ことを信条に、既存のルールに縛られない破天荒な手法で報道の在り方に切り込んでいく。最終章では原子力関連施設が集中する芦根村を舞台に、進藤の父で元新聞記者・松原哲(山口馬木也)の死に関係する43年前の出来事の真相に迫っていく。
8日に放送された第9話では、『ニュースゲート』プロデューサーの山井和之(音尾琢真)が、何者かに仕組まれたガス爆発で進藤の代わりに亡くなるという衝撃の展開。さらに父や山井の死に関わる黒幕が、JBNの会長・国定義雄(高橋英樹)であることが明らかになった。
伊與田氏は最終回について、「進藤がなぜキャスターになったのか、彼の隠された思いが分かってくる。報道の道に進むことに、父の死というものがどういう風に関わっているかが明らかになってきます」と説明。また「9話で同僚の無念の死があり、それをどう乗り越えて報道と向き合っていくか。『毎日報道しなければならない』という彼らの姿勢を描いていけたらなと思いました」と語った。
真実を報じるために手段を選ばず切り込んでいく進藤を演じる阿部について、伊與田氏は「『これは難しいかな……』と思うようなセリフもある中で、阿部さんはそこをグイッと乗り越えていく」と語り、「そのパワーはすごいですし、パワーだけじゃなくて引くところ、柔らかくいくところもあり、芝居をプランニングしているのか直感でやっていらっしゃるのか……」と感服。「『どう切り抜けるんだろう』と思うようなところでも、行間をしっかり埋めていく姿がさすがだなと思います」とその演技力を称賛した。
また「今回のキャラクターも、阿部さんじゃなかったらできないと思うんですよね。パワハラのようなところもありますが、それをパワハラに感じさせない。その裏にちゃんと真実があって、最後は『やっぱりこの人に付いていこう』と思えるような人を演じている。やっぱり阿部さんじゃなきゃ、できなかっただろうという気がしましたね」と振り返った。
永野芽郁&道枝駿佑の“競演”も評価「お芝居の質が変わっていった」
さらに「阿部さんが進藤としてしっかりと君臨していて、永野さん演じる(総合演出の崎久保)華ちゃんと、道枝くん演じる(アシスタントディレクターの)本橋(悠介)くんの2人が、阿部さんにぶつかって行ってくれる」と共演の永野や道枝についても評価。「阿部さんに芝居の内面をどういう風にぶつけていくかを2人とも心で感じて、しっかり演じていただいている」と語った。
「永野さんは1話の時から既に、華と進藤の対決をワクワクするような感じでやられていた」と振り返り、「阿部さんが気圧されるくらいに、2人がバチバチとやり合っている感じが見ていて面白かったですね。『強敵が来たぞ!』みたいな感じがしました」と現場の様子も。「道枝くんは(撮影するごとに)目に見えてお芝居の質が変わっていった気がします」と語り、「お芝居には『相手』がいて、相手の芝居によって変わるじゃないですか。そのあたりのやり取りに、『何か面白さを感じているんじゃないかな』とこちらが勝手に思うようなお芝居の仕方をされていました。相手との駆け引きに面白さを感じているんじゃないかなと思います」と、道枝の進化も明かした。
15日にいよいよ最終回を迎えるが、「最終章はやっぱり、進藤と国定会長の2人の戦いが見どころです」と語り、「阿部さん演じる進藤も百戦錬磨だけど、更にその上の百戦錬磨の人(国定)との戦い。2人とも迫力があるし、2人のお芝居のやり合いは是非とも見る価値ある」とアピール。
阿部(進藤)と高橋(国定)のシーンについて、「2人とも『よくこんな長いセリフを短い時間で覚えたな』っていうくらい、おもしろかったですし、すごかったですね。迫力がありました」と絶賛。「普段にこやかにしているけれど、怒ると怖い人(国定)に、ぐっと食い込んでいく阿部さんの芝居。今回は阿部さんが挑戦者ですよね。主演は阿部さんだけど、“先輩にぶつかっていっている感じ”の、“挑戦者の阿部さん”みたいな感じが見られるのがいいですね」と見どころを語った。
