石丸伸二氏、前職“思い出の地”で再始動「懐かしい」 都議会の機能不全を指摘「これじゃダメ」

地域政党「再生の道」の石丸伸二代表が、東京都議選が告示された13日、千代田区内で第一声を上げた。広島・安芸高田市長を務め、昨年7月の東京都知事選で次点となった風雲児が、また新たに動き出した。

都議選の公示日に街頭演説を行った石丸伸二代表【写真:ENCOUNT編集部】
都議選の公示日に街頭演説を行った石丸伸二代表【写真:ENCOUNT編集部】

立候補者を公募 「ただただそこにこだわりました」

 地域政党「再生の道」の石丸伸二代表が、東京都議選が告示された13日、千代田区内で第一声を上げた。広島・安芸高田市長を務め、昨年7月の東京都知事選で次点となった風雲児が、また新たに動き出した。

 大企業のオフィスが建ち並ぶ大手町で、立候補者と共に、選挙カーの上に立った。「いやぁ、懐かしい。5年前まで三菱UFJ銀行に勤めていたので、思い出の地です」。感慨深い思いを口にしながら、得意の演説をスタートさせた。

 今年1月に、鳴り物入りで新政党を立ち上げた。「まだできたてです。なぜ作ったのか。それは今の都議会が機能していないからです。地方議会は二元代表制です。本来そこに与党や野党がないのにもかかわらず、疑似的に与野党が存在してしまっている現状です。それがよくない。与党はとにかく賛成、野党はとりあえず反対。健全な議論が生まれない。これじゃダメだな、と思いました」と述べ、現在の都議会のありようを批判した。

 自らの政党の存在意義について2つのポイントを挙げ、「1つ目、任期は2期8年、区切ります。政治の職にしがみつかせない。2つ目、議決に際しては党議拘束をかけません。全ての議案に対して、各人それぞれの価値観・判断基準で賛否を決めます。ゆえに、党としての政策は掲げていません。与党でも野党でもない、右でも左でもない。それぞれが正しい道を歩もう。これがコンセプトです」と強調した。

 立候補者を大々的に公募。1128人の応募から、42人に絞り込んだ。「倍率は20倍を超えています。超難関。重視したのは、実力です。その人がそれまで何をやってきて、今何ができるのか。仕事ができるのかどうか、ただただそこにこだわりました」。初の議席獲得を目指す立候補者の選考に自信を示した。

 定数1の千代田区で立候補した柳澤誉之氏は、現役のサラリーマン。「新卒で大手人材会社に就職してから、転職エージェントとして20年近く働いてきました。つい最近まで、政治は人ごとでした。見て見ぬふりのかっこ悪い大人になりたくないです」などと語り、選挙戦への意気込みを示した。

 集まった報道陣は40人超。5台以上のテレビカメラも並んだ。演説中は、立候補者に次々と話題を振ったり、「いい感じですね。緊張を感じさせない」と持ち上げるなど、まるで司会者のように振る舞った。今月6日に有楽町で、党として初めて行った街頭演説でも、立候補予定者2人の略歴や抱負を聞き出すなど、司会進行役に徹していた。

 石丸代表は告示日の第一声を終え、報道陣の取材に応じた。今後も応援弁士として駆け付ける見込みで、立候補者とのかけ合いについて、「毎回即席コンビですね。うまくいけば、ひと笑い、ふた笑いがあるかもしれません」と手応えを語った。

 千代田区は他に、現職で都民ファーストの会の平慶翔氏、いずれも新人で無所属の内田直之氏、共産党の木村正明氏、自治労と自治労連から国民を守る党のナカジマケンジ氏、自民党の林則行氏、無所属の佐藤沙織里氏が立候補している。投開票日は22日。

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