免許取り立ての25歳女性が「運命を感じた」往年の1台 カセットテープのカーステレオに「そこもいいなと」

愛車を選ぶ理由は人によってさまざまだ。「もともと車には全然興味がなかった」と話す27歳女性オーナーの愛車は、1991年発売の日産サニー(B13型)。なぜあえて、自分が生まれるよりも前のマニュアル車を選んだのか。愛車選びに「運命を感じた」と語るエピソードを聞いた。

黒い車体がノスタルジックな日産サニー(B13型)【写真:ENCOUNT編集部】
黒い車体がノスタルジックな日産サニー(B13型)【写真:ENCOUNT編集部】

自動車漫画の金字塔『頭文字D』に影響を受け、24歳で免許を取得

 愛車を選ぶ理由は人によってさまざまだ。「もともと車には全然興味がなかった」と話す27歳女性オーナーの愛車は、1991年発売の日産サニー(B13型)。なぜあえて、自分が生まれるよりも前のマニュアル車を選んだのか。愛車選びに「運命を感じた」と語るエピソードを聞いた。

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 黒い車体がノスタルジックな1台は、3年前に約80万円で購入。長らく車に興味がなく、免許も持っていなかったが、ひょんなきっかけからクルマ熱に火がついたと振り返る。

「23歳のときに休職して、時間を持て余して『頭文字D』を読んでいたら、マニュアル車ってめちゃくちゃ楽しそうだなとハマってしまって。クルマって男の人だけのものじゃないんだ、女の子もこんなに自由に乗っていいんだって。彼氏がクルマ好きだったので、車種や知識など、いろいろと教えてもらいました」

 自動車漫画の金字塔に影響を受け、24歳で免許を取得。中古車屋を巡るなかで、このサニーと運命的な出会いを果たした。

「当時私が25歳の年で、『この車はサニー発売25周年記念のアニバーサリーモデルなんですよ』と紹介されて、もう運命を感じちゃって。プリメーラとかブルーバードとか、他にもいろいろと見てはいたけど、一番の決め手はやっぱり『25』という数字。『もうこれしかない!』と即決でした。彼からは、初心者で、マニュアルで、いきなりこの車はないんじゃないかと止められましたけど(笑)」

 いざ乗ってみると、さまざまな面で不便さも経験。それでも、年々愛車への思いは高まっているという。

「サニーって窓の不調が多いらしくて、長野に行ったときに窓が閉まらなくなっちゃった。駐車場でブルーシートを被せて、まるで事故車みたいにして止めてました(笑)。ホースがダメになって全然進まなくなったり、走ってる途中に壊れたこともある。でも、古いからこその魅力もあるんです。

 例えばカーステレオがカセットテープで、そこもいいなと思っていて。私は全然世代じゃないので実物を使ったことはないんですけど、80年代、90年代の音楽やカルチャーは好き。だったら聞く媒体も同じ時代のものの方がいいなと。この前直してもらったので、これからテープを買って、どんどん懐かしい時代の曲を焼いて行こうと思ってます」

 彼氏と一緒に壊れた箇所を修理したり、父と一緒に車体を磨きながら往年の名車の話を聞いたりと、古い車を買ったからこそ生まれた大切な時間もあるという。「一緒に自分の車やそれにまつわるヒストリーを作っていってる気がして、どんどん愛着が湧いています。やっぱり運命だったんだなあと思います」。磨かれた黒の車体に目を細めながら、女性はそう結んだ。

次のページへ (2/2) 【写真】サニー発売25周年を記念した特別仕様車の別カット
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