【東京女子】インスタで1億回再生の超秘技「渦飴」の誕生秘話、瑞希が告白「泣きながら練習して完成した」

2024年の東京女子プロレスは、王者陣が一気に入れ替わりベテラン勢が苦戦を強いられた展開となった。その中で、プリンセス・オブ・プリンセス王者として絶対的な強さを誇っていた渡辺未詩にストップをかけたのが、2回目の戴冠となった瑞希だ。細身の身体ながら繰り出される技の数は強烈なもの。その中でも「渦飴」(うずあめ)は自身のインスタグラムで1億回されるほどのバズ動画となっている。

2度目のプリプリ戴冠を果たした瑞希【写真:橋場了吾】
2度目のプリプリ戴冠を果たした瑞希【写真:橋場了吾】

最初は東京女子にいい印象がなかった(笑)…その理由は?

 2024年の東京女子プロレスは、王者陣が一気に入れ替わりベテラン勢が苦戦を強いられた展開となった。その中で、プリンセス・オブ・プリンセス王者として絶対的な強さを誇っていた渡辺未詩にストップをかけたのが、2回目の戴冠となった瑞希だ。細身の身体ながら繰り出される技の数は強烈なもの。その中でも「渦飴」(うずあめ)は自身のインスタグラムで1億回されるほどのバズ動画となっている。

 瑞希は2012年12月にデビューした。しかし初の自力勝利は2014年10月……デビューから2年が経とうとしていたときだった。

「本当、全然勝てなかったんです。その経験があるので、デビューから1年経って『勝てない』と悩んでいる子を見ると『いや、大丈夫だよ』と。そもそもデビュー当初は、簡単に勝てるものだとは思っていなかったんですよ。体も小さいし、対戦相手は大先輩ばかりで。胸を借りてぶつかっていく……目の前のことだけで精一杯でした」

 瑞希は身長こそ158センチあるが、細身であることは一目でわかる。しかし、激しい技を受けようが、路上プロレスでめちゃくちゃなことをされようが、大きなケガをしない丈夫さを持つ。

「これは昔たくさん基礎を教えていただいたのが大きかったと思いますね。基礎体力は本当にたくさんしていましたから。あとは、小さい頃からお魚をたくさん食べていたので、骨が強いんですよ(笑)」

 その瑞希は、2017年3月から東京女子プロレスにレギュラー参戦するようになる。

「最初は専属フリーという形だったんですが、そもそもは東京女子という選択肢はなかったんです。前の団体を辞めた後は少し休みたくて実家に帰っていました。そろそろ今後のことを考えようかなと思っていたときに、髙木(三四郎)さんからお話をいただいたんです。実は最初は東京女子にいい印象をいだいていなくて(笑)。同じ会場の入れ替えで東京女子の選手とすれ違うことがあったんですが、みーちゃん(山下実優)に挨拶しても無視されるみたいな(笑)。これは後日わかったことなんですが、みーちゃんは私のことをかわいいと思っていてくれたみたいで、逆に目が合わせられなかったと(笑)。でも実際に試合を見ていたら、同世代の選手がキラキラしていて、食わず嫌いじゃないですけどただこの世界観を知らなかっただけなんだなと思いました。それで髙木さんとお話しさせていただいて、参戦することになりました」

インスタで1億バズを超えた秘技・渦飴【写真:(C)東京女子プロレス】
インスタで1億バズを超えた秘技・渦飴【写真:(C)東京女子プロレス】

自分に合った技を工夫し派生させる…その考え方から渦飴が生まれた

 瑞希が東京女子所属となったのは2020年11月。専属フリーとして参戦してから3年半以上が経過していた。そのきっかけは、2020年11月7日にTDCホール大会でTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス(当時の名称)王者だった坂崎ユカ(名タッグ・マジカルシュガーラビッツを組むパートナーでもある)に挑戦し、敗北したことだった。

「所属ではない私がメインイベントでベルトに挑戦させていただいて、その試合の中ですごく感じるものがあったというか……その日全体から感じるものがありました。第一試合から繋がれていって、一個前の試合でプリンセスタッグ王者になった爆れつシスターズ(天満のどか&愛野ユキ)が試合前に励ましてくれて、一体感というか仲間感を感じて。それでユカッチ(坂崎)と試合をして、私のプロレス人生のターニングポイントになる一戦になって。そのときに、東京女子の仲間に入りたい、もっとみんなと一緒に盛り上げていきたいという気持ちが大きくなったんです。『私はここにいるよ』と示したかったというのもありますね」

 その試合の直前、とある技を初披露したことで瑞希は時の人となる。もちろんタイトル戦でも披露したのだが、それが渦飴だ。相手に走りこんでクロスボディを決めると同時に相手の顔の目の前で360度回転し相手を押しつぶすという、これまでに誰も見せたこともない華麗な空中技が、世界中のプロレスファンのみならず多くの人々を驚愕させた。

「私はそもそもクロスボディをデビュー当初から大事に使っていて、そこから派生できるものがないかなと思っていたんです。それで試行錯誤して、泣きながら練習して完成したのが渦飴です。一人でトランポリンを跳んで、高く跳んだり回転のタイミングを練習したりしていました。自分としては、最初はこの技のことを皆さんが評価してくれるほどすごいと思っていなくて、名前も決めていなかったくらいですから(笑)。でも積み重ねが生んだ技というか、自分に合っている技の入り方を工夫したり派生させたりしていくことが大事だという考え方は、プロレスを始めたころから変わっていないかもしれないですね」

※22日掲載の後編へ続く

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