モデル→役者の道へ SUMIREが挑むパブリックイメージの壁「素を知ってもらいたい」
俳優のSUMIREがABEMA『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』で存在感を放っている。彼女が演じる二階堂は、桐谷健太演じる謎の情報屋“インフォーマ”木原慶次郎らに立ちはだかる悪の組織のメンバー。アクション初挑戦かつ、言葉を発することができないという難役だったが、表情や振る舞いのみで感情を表現してみせた。まさにパブリックイメージ通りの“クールビューティー”な姿を見せたが、今後の目標は「イメージを覆す」ことだという。その真意を聞いた。
ABEMA『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』で存在感
俳優のSUMIREがABEMA『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』で存在感を放っている。彼女が演じる二階堂は、桐谷健太演じる謎の情報屋“インフォーマ”木原慶次郎らに立ちはだかる悪の組織のメンバー。アクション初挑戦かつ、言葉を発することができないという難役だったが、表情や振る舞いのみで感情を表現してみせた。まさにパブリックイメージ通りの“クールビューティー”な姿を見せたが、今後の目標は「イメージを覆す」ことだという。その真意を聞いた。(取材・文=中村彰洋)
地上波とは思えぬ壮大なスケールが話題となった前作。SUMIREが『インフォーマ』に抱いていた印象は「“漢”の悪さが詰まったかっこいい作品」だった。続編への出演はオーディションで自らつかみとったものだった。
「元々は広瀬役のオーディションを受けていました。その経緯で二階堂という役をいただきました。皆さんには、『全然広瀬っぽくなかったよ』と言われてしまいましたね(笑)。ちょうどその時、別の撮影の関係で髪が赤かったので、二階堂のイメージにぴったりだったのかもしれないです」
莉子が演じている広瀬は、明るく裏表のない快活な女性。一方の二階堂は、冷酷無慈悲でダークな役柄だ。正反対の役となったが、「お話をいただいて、とてもうれしかったです」と喜びを口にする。
「モデルをやっていたこともあって、世間の皆さんが思うSUMIREのイメージって、クールだったり、目で人を殺すようなイメージがあるのかなと勝手に思っていて、そういう意味では、自分が生き生きと演じられる役柄かなと思いました(笑)」
二階堂は言葉を発することのできないという役どころ。表情や所作だけで感情を表現するという難題にも挑戦することとなった。
「言葉ナシで演じることは、すごくレベルが高いことだと思います。いかに表情や目で怖いや優しいを表現するかが、とても難しかったです。いろいろと調べて、自分なりに勉強もしてみました。私は話せるからこそ、真逆の人を演じる葛藤もありましたが、役者として成長させてくれる役だったと思っています」
SNSでは“素”は発信せず「もったいないかなって(笑)」
今作では、SUMIREにとって初となるアクションにも挑戦した。日本でもタイでもトレーニングを重ねて臨んだ撮影だったが、悔しさも残ったと明かす。
「性格的に頑固で、負けず嫌いなところがあるので、今回のアクションを通して、そういった部分が出ているなと思います(笑)。『うわ、悔しい』と思いながら練習もしてきました。映像ではかっこよく編集されていたので、うれしかったです。後悔はしないようにベストは尽くしましたが、もっと挑戦したいという気持ちになりました」
2023年には4年間在籍していた事務所を離れ、独立という決断をした。また、23年には約10年間続けてきたファッション誌『装苑』の専属モデルを卒業。モデルとしてスタートした芸能活動だったが、徐々に俳優への思いが強くなっていったと語る。
「モデルも役者も表現するお仕事だと思いますが、もっと動きや言葉で表現してみたいと思うようになっていきました。自分で言うのもあれですが、世間の方々が私に持っているイメージって“クール”だと思うんです。本当は全然そんなんではなくて、ひょうきんじゃないですが、もっと柔らかいと思います(笑)。素のSUMIREを知ってもらいたいなとも思っています。今は本当に役者が楽しくて、もっといろんな役に挑戦していきたいです」
結果的に今作では、二階堂というパブリックイメージに近い役を演じることとなったが、役としては真逆の広瀬という役のオーディションに挑戦したことからも、新たな表現に挑戦しようとする姿勢がうかがえる。一方で、自分の“見せ方”にはある種のこだわりもあるようだ。
「SNSで『本当の自分はこうですよ』と発信しちゃうのも、もったいないかなって(笑)。作品などを通して、良きタイミングで発信できればいいかなと思っています。良い部分は隠し持っておいて、必要な時に出していければと思うので、そういった作品に巡り合えるといいですね」
「まずは役者としてもう少し土台を作っていきたいです」。SUMIREとしての個性を崩さず、演技を通して、新たな自分を表現していく。