堂本光一、『SHOCK』25年目の歴史に幕…願いは「SHOCK専用劇場専用を作って受け継いでもらえたら」

KinKi Kidsの堂本光一が主演を務めるミュージカル『Endless SHOCK』が、ついに25年目の歴史に幕を閉じた。東京・帝国劇場で29日、大千穐楽公演を終え、カーテンコールは異例の1時間超えとなった。幕が閉じた後、光一はサプライズ登場し、キャスト陣から胴上げされた。

142本の重みのあるバラの花束を抱える堂本光一【写真:ENCOUNT編集部】
142本の重みのあるバラの花束を抱える堂本光一【写真:ENCOUNT編集部】

単独主演2128回 階段落ちはエベレスト超え

 KinKi Kidsの堂本光一が主演を務めるミュージカル『Endless SHOCK』が、ついに25年目の歴史に幕を閉じた。東京・帝国劇場で29日、大千穐楽公演を終え、カーテンコールは異例の1時間超えとなった。幕が閉じた後、光一はサプライズ登場し、キャスト陣から胴上げされた。

 カーテンコールが始まると、くす玉が割れ、恒例の紙吹雪が舞い散った。『SHOCK』シリーズの“ファイナルイヤーは、25年目にして年間最多の142公演。光一はその数の本数だけあるバラの花束で祝福され、感慨深げに言った。

「2000年から幕を上げて、当時21歳の若造でしたけども、そんな自分を信用してくださって、こうやって帝劇のステージに立たせていただきました。毎年この景色を見せていただけたこと本当に感謝を申し上げたいと思います」
 
 ライバル役を務めた上田竜也は「本当、ステージで踊りながら、感慨深いものがたくさんありました。この瞬間に立ち会えることは、すごく光栄だと思います。『SHOCK』のライバル役をやらせていただいてから、エンターテインメントについてすごく考える場所だったなと思います」と振り返った。

 佐藤勝利は「僕は本当に『SHOCK』にエンタメの全てを教えていただき、光一くんの背中を見て育ち、本当に『SHOCK』に育てていただきました。そういう後輩は本当にたくさんいると思います。今日で『Endless SHOCK』がラストということですが、文字通り、僕たちの胸にこの『SHOCK』の思いもずっと響き続けますし、そういう意味では『Endless SHOCK』終わらないと思っています」と深い感謝を込めて語った。

 そして、光一は『SHOCK』の展望を期待感を込めて言った。

「自分的には“SHOCK専用劇場”でも作ってやればいい。まだまだやれることっていうのはあると思います。自分がコウイチを演じることはないかもしれませんが、誰かに受け継いでもらえたらうれしいです」

 もちろん、ファンの複雑な気持ちも理解していた。

「コウイチという人物を演じるにあたり、究極系を描いてきました。時をへて、コウイチにも弱い部分があることを自分なりに演じてきました。究極体を演じるのはつらい24年間でした。僕は究極体じゃないから、気持ちを維持し続けることが大変でした」

 光一は役に負けないよう技術以上に“気持ち”を大切にしてきた。その思いも踏まえて言った。

「エンタメを卒業するわけではないので、これからもみなさんに喜んでいただけるものを発信していきます」

 続けて自身の今後について「まだ契約していないから、俺の動向ね」と冗談交じりに言い、観客を和ませた。

ライブビューイングは約7万人が視聴

 『SHOCK』シリーズは、「Show Must Go On!」という言葉の意味を問い続けながら、エンターテイナーのコウイチとそのカンパニーが運命を駆け抜ける姿を描くオリジナル・ミュージカル。2000年11月の初演で、光一が21歳にして帝劇初出演、初主演を務めた。そして、帝劇史上で最年少座長だった。以来、毎年上演し続け、全日程即日完売を毎公演積み重ねてきた。

 世界的スケールの舞台機構(広大な舞台面、瞬時に舞台セットを転換する大ぜり・盆など)を駆使し、歌、ダンス、アクション、パーカッション、殺陣、階段落ち、マジック、1900席の客席の上空を光一がフライングするなど、演出も大きな評判を呼んだ。05年にタイトルは『Endless SHOCK』になり、11年3月11日には、上演中の幕間に東日本大震災が発生し、公演が中断。15年には公演中の事故を乗り越え、20年以降のコロナ禍では感染対策に対応した「Eternal」バージョンでの上演を実現。23年半を費やして、代役なしの単独主演記録1位を5月に達成した。9月の博多座公演では、前人未踏の2100回公演を記録。そして、『SHOCK』単独主演記録2128回は、00年帝劇初演以来、光一がたった1人で積み重ねてきた。

 ファイナルイヤーは、25年目にして年間最多の142公演。ライバル役は、22年以来3年連続出演するtimeleszの佐藤、19年以来5年ぶりで大きな演技を見せた中山優馬、コロナ禍で1か月足らずで上演が途絶えた本編上演以来、4年ぶりに本編を演じた上田のトリプルキャストだった。オーナー役は、1966年の『風と共に去りぬ』以来、帝劇に出演を続ける前田美波里、『レ・ミゼラブル』初演エポニーヌ役で世界的な評価を得た島田歌穂。リカ役は綺咲愛里と中村麗乃のダブルキャスト。『SHOCK』での4人全員ぞろいは10年ぶりとなるふぉ~ゆ~ら多彩なキャストが、1年間のファイナルイヤーに臨んだ。

 大千穐楽公演は、全国100館の映画館でライブビューイングが実施され、約7万人が視聴。帝国劇場に近いTOHOシネマズ日比谷をはじめ、全国の劇場で演劇ライブビューイングとしては過去最大級の申し込みがあった。

 階段落ちの演出は、ミュージカル『Endless SHOCK』における類を見ない大記録となった。02年6月の公演から始まったこの演出は、20年9月と10月、21年2月と3月のコロナ禍で中断を挟みながらも、1幕のクライマックスであるジャパネスクの場面で毎回行われてきた。この演出では、ライバルの真剣を受けた後、合計22段、高さ4.84メートルの階段を落下するというもので、その累計の高さは9307メートル。エベレスト8848メートルを超える驚異的な記録を達成した。1公演あたり5秒をかけて落下し、24年間で160分間、階段を降り続けてきたことになる。

 

次のページへ (2/2) 【写真】『Endless SHOCK』大千穐楽 “涙・涙”のカーテンコール
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