愛車は“個性派の輸入車” 離婚経験の還暦女性がたどりついた境地、気づいた「運転の楽しさ」

国産の四駆・マニュアル車を乗り継いできた女性がたどり着いたのは、個性派の輸入車だった。ライフステージの変化を経て、今年還暦を迎え、ハンドルを握る充実感が増している。「いつまでも楽しくクルマに乗っていきたいので、お金もかかるので、仕事も頑張らなくちゃ」。愛車ライフは加速度を高めている。

真っ赤なアバルト595は人生の相棒だ【写真:ENCOUNT編集部】
真っ赤なアバルト595は人生の相棒だ【写真:ENCOUNT編集部】

「インプレッサ スポーツワゴンには17年乗ったんですよ」

 国産の四駆・マニュアル車を乗り継いできた女性がたどり着いたのは、個性派の輸入車だった。ライフステージの変化を経て、今年還暦を迎え、ハンドルを握る充実感が増している。「いつまでも楽しくクルマに乗っていきたいので、お金もかかるので、仕事も頑張らなくちゃ」。愛車ライフは加速度を高めている。

 真っ赤なアバルト595、2021年に新車で手に入れた。それまでの愛車遍歴はなかなかのものだ。

「パジェロが最初で、2ストのジムニーに乗りました。そのあとはミラ。インプレッサ スポーツワゴンには17年乗ったんですよ」

 インプレッサが故障したこともあり、次の1台を探すことになった。マニュアル車を中心に、“小さくても走れる”をテーマとして掲げた。

「スイフトスポーツが候補で、ジムニーも新モデルが出たので、ジムニーに戻ろうかなとも検討しました」

 いくつかの試乗をこなしたが、一番フィットしたのが、アバルトだった。「ディーラーさんに、イタ車は壊れやすいのですか? と聞いたら、『最近のイタ車は壊れませんよ』とのことで、よし買ってみようと思いました」。思い切って決断した。

 今でこそ走行会に参加するほどの情熱を注いでいるが、「昔は助手席に乗ることが多かったんですよ」。実は、ジムニーに乗っていた頃、若くして離婚を経験。ライフステージにおいてシングルになり、大型犬を飼ったことでクルマで出かける必要が生じたこともあり、自分で運転する機会が多くなった。そこで、「運転の楽しさ」に目覚めたという人生の流れがある。

「昔は当時のパートナーや友人に乗せてもらうことばかりでした。でも、クルマに詳しくて得意なパートナーから、『運転とはこうだ』ということについて教えてもらったんです。言わばドライブの師匠ですね。今でも感謝しています」と実感を込める。

 カーライフが彩りを増している今、こんなことを思っている。「なんで自分で運転してこなかったんだろうって。自分でハンドルを握るのはこんなに楽しいことなんだって。そこに気付いたんです」。

 アバルトは、オーナーがそれぞれ個性を出してカスタムを施し、オリジナルな雰囲気で乗りこなす愛好家が多い車種だ。オフ会も盛んに行われている。

「私自身、これまでほとんどオフ会には縁がなかったのですが、アバルトに乗るようになってから、オフ会にも参加するようになりました」。人の輪が着実に広がり、「輸入車オーナーの会にも参加させていただくのですが、すごいスポーツカーに乗っていらっしゃる方と交流させていただく機会もあります。自分の知らない世界、普段接することがない方々とお話ができて、すごく楽しいです」と目を細める。

 愛車のカスタムもほぼ未経験だったが、アバルトはフルバケットシート導入、ゴールド色の好きなメーカーのホイールを履かせるなど、要所要所でこだわりを取り入れており、「アバルト乗りの皆さんは本当に熱心でこだわっていらっしゃるので、私はまだまだカスタムは勉強中です」と話す。

「私にとって、相棒ですね。人間と馬の関係は昔から強いと言われていると思いますが、『馬』のような感覚もあります。だから、機械ではなく、生き物みたいに感じています」。愛車の温もりを感じながら、運転する日々だ。

 60歳の一つの節目を迎え、ドライブ意欲はどんどん過熱。最近は、運転技術に磨きをかけることに夢中で、走行会に参加してサーキットの“走り”にも挑戦している。「本当に私は運転が下手なので、カーブの曲がり方が上手になりたいです」。それに、マイカーならではの“どこにでも行ける”自由を満喫。「アバルトにはずっと乗っていきたいですね」と声を弾ませた。

次のページへ (2/2) 【写真】実際の個性派カーの車体
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