俳優の藤岡真威人が、都内で行われたテレビ東京系連続ドラマ『ウイングマン』（22日スタート、火曜深夜0時30分）の記者会見に、加藤小夏、宮野真守、原作者の桂正和氏、坂本浩一監督とともに出席。自身にとってのヒーローについて語った。

　同作で主演を務める藤岡は「実写化が発表されて、情報解禁されるたびに『ウイングマン』がどれだけ注目度があって、どれだけ多くの人に愛されているのかってことを実感する日々です」と感慨深い表情を見せ、主人公・広野健太役を演じることを「光栄です」と感謝した。

　2018年に、桂氏の同名漫画を実写化した『I”s（アイズ）』にてヒロインの1人を演じた加藤は、今回が2度目の桂氏の作品への出演。加藤は「愛されている『ウイングマン』のアオイという役を務めることができてとても幸せです」と笑みを浮かべた。

　撮影に臨む前に、ヒーローの所作や技などを勉強し、いつでも演技に取り入れられるようにしていたという藤岡。「段取りが終わった後にヒーローっぽいことを思いついたりして、勝手にやって怒られたりもしました。でも『健太っぽいことはどんどんやっていいよ』と言ってくださって」と回顧した。現場での藤岡について、加藤は「真威人が健太でしかなかった。ヒーローバカで」と称賛。これに宮野は「遺伝子は完璧だからね。ヒーロー遺伝子は」と、『仮面ライダー』で主演を務めた真威人の父・藤岡弘、についてふれていた。

　この日は、作品の内容にちなみ、自身にとってのヒーローを問われる場面も。藤岡は「これは1択で。父の存在」と言い、「確固たるものとして。ヒーローとしての父の姿がくっきり浮かび上がる。僕にとっても、世界中の人にとってもヒーローだなって胸を張って言えますね」と述べた。

『ウルトラシリーズ』に登場するウルトラマンゼロの声優を担当している宮野は、この質問に「僕、ウルトラマンなんですよ」と答えて笑いを誘い、続けて「15周年なんですよ。僕にとってもウルトラマンゼロは大きな存在で。僕自身ヒーロー大好きでしたし、ヒーローの声になるなんて思ってもなかったことなので、非常にうれしかった」と吐露。

　さらに「日本に大きな危機があったとき、エンタメは不要不急の方に入ってしまった。無力だと感じることが多かったんですけど、そういうときに、ウルトラマンゼロとして子どもたちに『大丈夫だよ』ってメッセージを届けられたんです。『ウルトラマンゼロとして声を入れてください』と言われたときに、やっぱりヒーローってこういうことなんだなって。みんながつらいときに声をかけてあげられる、象徴になれるのがヒーローなんだと、ウルトラマンゼロに教えてもらった。ヒーローはこの世に必要不可欠って身を持って体感させていただきました。ヒーローとして何を伝えていけるかは、ゼロと一緒に考えていけたらなと思って、15年間携わっています」と力強く語った。

　加藤は「安室奈美恵」とコメントし、「ダンスを習っていたときは安室ちゃんの髪型や衣装をマネしたり、元気がないときは曲を聞いたり、DVDを見たりしています」と明かした。

　最後に、視聴者へのメッセージを求められると、加藤は「個人的には桂先生の作品は人生の大事なポイントで。『I”s』のときも仕事を続けるか迷ったときで、『ウイングマン』も芸能活動を続けるか悩んでいたときで」と告白し、「女優人生の大切なときに（桂氏の作品が）あるなと思っています。個人的には桂先生に感謝の気持ちを伝えたいなって思います」と頭を下げた。これに桂氏は「俺がヒーローってこと？」と疑問をぶつけると、加藤は「そうでした！　安室さんもそうですけど……書きかえてください！」と報道陣に呼びかけていた。

　同作は、漫画家・桂氏の連載デビュー作で、1983年から85年まで『週刊少年ジャンプ』（集英社）にて連載された代表作を実写化。特撮ヒーローオタクで「ドリムノート」によりウイングマンに変身できるようになる主人公・広野健太役を藤岡、健太の前に突然現れる異次元世界・ポドリムスからやってきた謎の少女・アオイ役を加藤、健太とアオイの通う高校に赴任してくる新任教師・北倉先生役を宮野が演じる。