福原遥「抱えたものを吐き出す機会が減っている」 そんな時代で“軸”とするものとは

俳優の福原遥が、ABEMAで配信中のオリジナル連続ドラマ『透明なわたしたち』で主演を務めている。20代の若者にスポットを当てた今作。福原が今作への思いや“理想の20代”について語った。

週刊誌のゴシップライター・中川碧を演じた【写真:舛元清香】
週刊誌のゴシップライター・中川碧を演じた【写真:舛元清香】

週刊誌のゴシップライター役を演じる

 俳優の福原遥が、ABEMAで配信中のオリジナル連続ドラマ『透明なわたしたち』で主演を務めている。20代の若者にスポットを当てた今作。福原が今作への思いや“理想の20代”について語った。(取材・文=水谷賀奈子)

 本作は、松本優作氏が脚本と監督を務め、藤井道人氏がプロデュースする、ABEMAオリジナル連続ドラマ。社会派の作品を多く扱う2人の監督による完全オリジナル脚本となっている。主演の福原を中心に、「どこか居場所がないと感じてしまう20代の若者の“今”を切り取る作品」というテーマで20代のキャストが集結し、東京と富山を舞台にした社会派群像サスペンスだ。

 福原はABEMAドラマ初主演となる本作で、かつて新聞記者を目指していた週刊誌のゴシップライター・中川碧を演じた。

「初めてのABEMAドラマが挑戦的な作風で、役柄もまっすぐだけど、いろんな思いを抱えた女の子。感情をうまく表現できるか不安でした。碧は、あまり自分とは似ていないと思います。その言動が承認欲求からなのか、正義感からなのか、私自身も演じている中で分からなくなってしまうこともあって、そのたびに監督と話し合いながら撮影させていただきました」

「どこか居場所がないと感じてしまう20代の若者の“今”を切り取る」が本作のテーマ。「きっと同じような思いをしている人はたくさんいると思います」と、多くの若者に共感してもらえるような作品に仕上がったと自信ものぞかせる。

「外からは見えない、自分の中で抱えているものを吐き出す機会が昔よりも減っている気がしています。SNSなどでいろんなものが見えるからこそ、自分と他人を比べちゃったり、孤独を感じてしまうこともあると思います。私もこの作品を通して改めてそう感じたので、そういう人に寄り添える作品になっていればいいなと思っています」

26歳の福原遥が20代の若者にスポットを当てた作品で主演を務めた【写真:舛元清香】
26歳の福原遥が20代の若者にスポットを当てた作品で主演を務めた【写真:舛元清香】

 現在26歳の福原。20代も折り返しを迎えたが、まだまだ“理想の20代”には程遠いと笑う。

「全然違いますね。もっと大人を想像していたのに、何も変わっていないです。でも、そういうものなのかなとも思っています。焦っても仕方がないので、現実を受け止めています。理想に対して諦めたくない気持ちはありますが、理想ばかりにとらわれてしまうと『幸せってなんだろう』と自分を見失いそうになるので、焦らないようにしています」

 そんな福原にとってかけがえのない時間が「家族や大切な人たちとの時間」だ。「そこの軸は見失わないようにしながら、理想や夢に対しても『少しずつ、いつかたどり着けたらいいね』くらいの感覚で近づけたらいいなと思っています」と柔和な笑顔を見せた。

次のページへ (2/2) 【写真】26歳の福原遥の透明感あふれるインタビューアザーカット
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