三遊亭王楽、七代目円楽襲名会見 『笑点』レギュラーの座「もちろん狙っています(笑)」

来年2月20日付けで七代目三遊亭円楽を襲名する落語家の三遊亭王楽が30日、父であり兄弟子の三遊亭好楽、好楽の兄弟子である林家木久扇を伴い都内で会見した。襲名に至った経緯、意気込みを明かすとともに、人気演芸番組『笑点』への意欲を聞かれると「もちろん狙っています」と笑顔で即答。現在のレギュラー解答者のひとり、春風亭一之輔を蹴落とす野望まで明かした。

(左から)三遊亭好楽、三遊亭王楽、林家木久扇
(左から)三遊亭好楽、三遊亭王楽、林家木久扇

襲名の決め手は六代目円楽の“遺言”、昨年末に一門内で「王楽が襲名」で合意していた

 来年2月20日付けで七代目三遊亭円楽を襲名する落語家の三遊亭王楽が30日、父であり兄弟子の三遊亭好楽、好楽の兄弟子である林家木久扇を伴い都内で会見した。襲名に至った経緯、意気込みを明かすとともに、人気演芸番組『笑点』への意欲を聞かれると「もちろん狙っています」と笑顔で即答。現在のレギュラー解答者のひとり、春風亭一之輔を蹴落とす野望まで明かした。(取材・文=渡邉寧久)

 もちろん噺家特有のしゃれである。

 五代目は『笑点』の司会者、六代目は『笑点』の解答者として、その名を全国区にしたこともあり、円楽という芸名と『笑点』の親和性は高い。

『笑点』のレギュラーの座への色気を聞かれると、間髪入れずに「正直狙っていますね」と記者の爆笑を誘い「そんなわけはないですよ」と自身でちゃんとまぜっかえした。

「(出演は)運というかご縁なので、そんな話が来るとは思いませんけど」としつつも「ひとつ野望がございまして」と切り出した。

「(『笑点』に)親子で並んでみたい。同期の(春風亭)一之輔に欠けてもらって」と具体的な青写真を明かすと、隣の好楽は「小遊三に(降板を)頼んどいた」とかぶせ、息の合ったやりとりを見せた。

 この日、王楽は、タレントの片岡鶴太郎の筆による後ろ幕を背に、父で兄弟子である三遊亭好楽、好楽の兄弟子である林家木久扇に左右を固められ登壇した。

「六代目円楽師匠の遺言により、来春から七代目円楽を襲名することになりました。五代目六代目の名前、顔は、国民では知らない人がいないといっても過言ではない。大変な重圧ですが、精進していく所存です」と明瞭な言葉で語った。

 好楽は以前、七代目円楽の襲名について、円楽の一番弟子である三遊亭楽生が適任だと公言していた。急転、せがれである王楽が継ぐことになったが、好楽は「いろんな右往左往がありました。私は楽生がいいんじゃないかと思っていたら、未亡人(六代目円楽夫人)からクレームがついた」と楽屋裏をチラリとのぞかせた。

 決め手になったのは、六代目円楽の“遺言”。好楽は「楽ちゃんに(=円楽さんのことを未亡人はそう呼ぶ)聞いていたのは違うので、と連絡がありまして、(昨年)暮れに集まりました。そこでおかみさんが、『楽ちゃんから聞いているのは王楽さんに継がせたい』」とビッグネームの行方を希望。円楽襲名に王楽が動き出すことになった。

 今年の年頭から5月にかけ、王楽は極秘裏に、来年2月26日から3月2日まで、東京・有楽町よみうりホールで開催する襲名披露興行の出演依頼のために、それぞれの師匠方を訪問していたという。その結果、桂文枝、笑福亭鶴瓶、立川志の輔、林家たい平ら東西の人気芸人を顔付けすることに成功した。

 鶴瓶に「報告があります、ちょっと内密なんですが」と切り出したら「深刻な話は辞めてよ」と身構えられたが、襲名の件を明かすと「座っていた鶴瓶師匠が立ち上がって、私の手を握って、泣きながらおめでとう、何でもする」と言われたという。

 志の輔も、王楽の報告に涙を見せたという。

 東京公演の後、北は北海道から南は熊本まで全国15公演がすでに決まっている。

「どこかのタイミングで、(円楽一門の本拠地である)両国寄席でも披露興行をやります」(王楽)と、育ててもらった場所での披露目も実施する予定だ。

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