藤井貴彦アナ、フジ番組で初MC 大学時代バイトしていた“古巣”に感慨「恩返しできたら」

元日本テレビでフリーの藤井貴彦アナウンサーが、10月5日放送のフジテレビ系特番『日本じゃ放送できません!?世界ヒジョーシキTV』(午後6時30分)で、初めて同局の番組MCを務めることが30日に発表された。

番組MCを務める藤井貴彦アナウンサー【写真:(C)フジテレビ】
番組MCを務める藤井貴彦アナウンサー【写真:(C)フジテレビ】

10月5日放送『日本じゃ放送できません!?世界ヒジョーシキTV』

 元日本テレビでフリーの藤井貴彦アナウンサーが、10月5日放送のフジテレビ系特番『日本じゃ放送できません!?世界ヒジョーシキTV』(午後6時30分)で、初めて同局の番組MCを務めることが30日に発表された。

 同番組は藤井アナのほか、井口浩之(ウエストランド)、石原良純、トラウデン直美、水野美紀、藤本万梨乃(フジテレビアナウンサー)という年齢・性別さまざまな個性豊かなメンバーが集結し、スタジオで“ヒジョーシキ”な番組を見て仰天&爆笑。

「一体、どんな世界の番組が出てくるのか」と出演者が期待する中、序盤に登場したのは、タイで放送された『キラーカラオケ』だ。挑戦者は、あらゆる障害物に邪魔されながらも、我慢して歌い続け、優勝すると賞金が獲得できるという至ってシンプルなルール。歌の上手い下手は関係なく、ただ根性が試されるゲームだが、登場する障害物は日本じゃ考えられないものばかり。ねずみやニシキヘビ、ワニなどのハ虫類の他、巨大扇風機など、見ているだけでも悲鳴をあげたくなるようなトンデモナイ映像に出演者たちも驚くのだった。

 その後も、ブラジルの度肝を抜くようなドッキリ番組を連発。妊婦とその子ども、そして医者に扮(ふん)した仕掛け人が狙うのは、状況を何も知らず呼び出された看護師。妊婦の体調が急変し部屋の中がパニックに包まれる中、妊婦のお腹から出てきたのは赤ちゃんではなかった。

 大量の“ヒジョーシキ”番組を見た藤井は、収録が終盤にさしかかるにつれ「もはや自分でも何が常識なのか分からない!」と感情をあらわにし、「この番組を見たら常識の概念が変わり、生活が変わるかもしれない」と語った。

 収録語の藤井アナのコメントは以下の通り。

○MC・藤井貴彦

――フリーに転向されてからの気持ちの変化について。

「今まで一緒にお仕事ができなかったいろいろな局の方とも一緒にお仕事ができるようになったのがとても新鮮で、スタッフを通じて“局の顔”があるものなんだなと思いました。日本テレビは日本テレビの顔、フジテレビはフジテレビの顔、NHKはNHKの顔というようにいろいろな顔があって、それを50歳を超えて楽しめるのは本当にありがたいなと。フリーになって良かったなと思っています。また、現在担当する『news zero』(日本テレビ系)は夜の番組で、家に帰ると1時を過ぎているので、ほとんど外の世界と触れあうことがないんです。仕事でお会いする方が増えるのは、友達が増えるみたいでとってもうれしいです」

――それぞれの局に顔があるということですが、フジテレビの顔とは何でしょうか。

「フジテレビは出演者に任せてくれる部分が大きいと感じましたね。スタッフの方は“○○の時に○○してください”とか言わないんです。依頼した出演者にある程度任せて、その中で面白いものを引きだそうと思ってくれているのがフジテレビだと思います。フリーハンドとまではいかないし、ほったらかしにされているわけでもないのですが、信じてもらっている、温かく迎えてもらっているという心地良さがあります。今回の収録中も、最後の方はスタッフと『ここまでふざけていいですか』といったアイコンタクトまでできるようになったのが、すごくうれしかったです」

――フジテレビ系の番組MCは初になります。今回GP帯の番組でもありますが、どのようなお気持ちでしょうか。

「実は、私が本当によく見ていた『オレたちひょうきん族』(1981~89年)が土曜日の20時からの番組だったんです。フジテレビに楽しませてもらっていた、土曜日20時の時間帯がまさか自分の仕事場になるとは! とうれしい気持ちでいっぱいです。後は、私も大人になってしまったんだなと。また、私は元々フジテレビで大学時代にアルバイトをしていたんです。なので、古巣に戻ってきたという感じです。日本テレビの社員時代はいわばフジテレビはライバルだったんですけど、でもどこか“フジテレビ=古巣”という思いがありました。スポーツの中継の現場でも、フジテレビのスタッフにあうと顔見知りがいて嬉しかった。私にとっては、元々のふるさとなんです。なので、フジテレビで新しいお仕事を頂くのは緊張するのですが、でもどこか懐かしく戻って来ています。今でこそ、フジテレビはお台場にありますが、その前は河田町というところにあって、大学の授業が終わって、よくアルバイトに行っていましたね。ああ、懐かしい。いつかフジテレビにも恩返しができたらいいなと思っていましたので、今回が恩返しになるかは分かりませんが、大変良い機会をいただけたと思っています」

――本番組は、世界各国の非常識な番組をたくさん紹介していますが、どのようなお気持ちになりましたか。

「今日の番組収録を通して、自分が常識だと思っていたことが実は非常識だったのではないかと思うようになりました。私の常識が相手の非常識に、相手の常識は自分の非常識になるんだと。だから誰かと接している間は、誰かに非常識をまき散らしてしまっているのではないかと怖くなりました(笑)しゃべれなくなってしまいます……! 自分の動きも、他の人から見ると非常識なんではないかと。歯の磨き方ですら、人から見たら面白いのかなと思ったら体が固まりますね。この番組を見て、自分が常識だと思っていることが実は非常識なのではないかと思ってもらえるだけで生活が変わるかもしれないので、ぜひ見てもらいたいなと思います。世の中には本当に非常識な人がたくさんいるんだということをこの番組で分かってもらえると思います。

 あと、時代によっても常識だったものが非常識になっていくんだなあと。今、コンプライアンス全盛の時代ですけど、そうした概念がなかった私の新人時代には、アナウンス部の先輩たちが吸ったたばこの吸い殻を片付けるという仕事があったんです。部屋の中でたばこを吸っているのが、今ではまず非常識じゃないですか。しかも、そのたばこの吸い殻を新人に捨てさせるということなんて、全然通用しない。時間とともに、昔常識だったものは非常識になっていくんだという怖さを感じました。(石原)良純さんが“自分は今日のゲストの中で一番常識がある”とおっしゃっていましたが、全然そんなことない(笑)。みなさんの考えが常識かといったらそんなことないんです。お気をつけ遊ばせ(笑)」

――今後、挑戦してみたい仕事はありますか。

「実は、私が個人的に尊敬する後輩がフジテレビにいるんです。10月期から『めざましテレビ』を担当することになった伊藤利尋アナウンサーです! まだ私が『news every.』(日本テレビ系)を担当していた頃、伊藤さんが裏番組で『みんなのニュース』を担当していて、番組終わりに飲んでいたんです。そこで、際だった伊藤さんのしゃべりの才能を知りました。ずっとしゃべり続け、みんなをどっかんどっかん笑わせ続ける、このエネルギーはすごいなと思って。今まで会ったアナウンサーの中で、一番才能あふれる方だと感じたのが伊藤さんでした。だから、今後伊藤さんとお仕事できたらうれしいなと思っています。

 あとは同期の佐野瑞樹アナウンサー。佐野さんは、もう人生を達観していますね(笑)なので、伊藤さんと佐野さんと3人でおじさんの仕事ができたらいいなと。もし許せば、同期の羽鳥慎一アナウンサーを入れてもらって4人のおじさんでカフェでめんどくさいトーク番組をしたいなと思います(笑)。伊藤さんの『めざましテレビ』は絶対に上手くいくと思いますし、心の底から応援しています!それと初めてコンビを組んだ藤本万梨乃アナウンサー、素晴らしかったですね。引きすぎず、チャンスにはトークに花を添えてくれる。各局でアナウンサーの育成環境は違いますが、どの相手ともコンビが組める人材がいるのがフジテレビ。こういう発見もうれしいものでしたね」

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