「それが一番不快でしたね」 都内タワマンへの配達、従事者がもやもやする貼り紙に共感続々
フードデリバリーや宅配サービスの普及が進む中で、配達の従事者にとっては労働環境に悩むケースも多い。タワーマンションでの歯がゆい事例の報告がSNSで反響を呼んだ。マンション敷地内での「駐輪・駐車禁止」の貼り紙。もちろん、防犯や住民の動線などの面で必要なルールは設定されるべきだろう。一方で、業者名が赤字で強調されており、「ここまでわざわざ書かれているのが……」。もやもやする思いを抱える投稿者に実情を聞いた。
「今一番大変なのは暑さです」 汗やにおいも悩みのタネ
フードデリバリーや宅配サービスの普及が進む中で、配達の従事者にとっては労働環境に悩むケースも多い。タワーマンションでの歯がゆい事例の報告がSNSで反響を呼んだ。マンション敷地内での「駐輪・駐車禁止」の貼り紙。もちろん、防犯や住民の動線などの面で必要なルールは設定されるべきだろう。一方で、業者名が赤字で強調されており、「ここまでわざわざ書かれているのが……」。もやもやする思いを抱える投稿者に実情を聞いた。
「Uber他 配送業者 マンション敷地内 駐輪駐車 禁止」
都内のタワマンに掲示されている注意書きだ。「Uber」と「禁止」の2文字が大きく赤色で記されている。
実際に訪ねたUber Eats配達員が嘆きの思いをXに書き込んだ。
「防災センター寄れだの 使っていいのは非常用EVだけとか言うならパーキングスペースもつくってください タワマンなら地上にスペースいっぱい余ってますよ 住民の管理組合に言いたいわー てかなんでUber デカ字で配達業者代表みたいなの ヤマト、佐川、郵政、Amazonより下ですよ」
投稿者は、らんらんるー(@LINE79499952)さん。「アラフォーの配達員で、出前館、Wolt、menuにも登録していますが、Uberメインです」。現在は配達の仕事だけに従事しているという。
らんらんるーさんによると、配達先のタワマンでは、配達業者は敷地内の駐車・駐輪が禁止されている。配達業者は住民が使う正面エントランスではなく、別の場所から入る。まず防災センターにつなげてから入り、非常用エレベーターを使用する。エレベーターの前のガラス扉は顧客にロック解除をお願いする形式だ。
マンション側のセキュリティーについて、「他のタワマンでは、防災センターに寄って、業者名・自分の名前・自分の連絡先・配達先・入館時間の記入を求められるところもあります」と説明する。
「ピックアップ先に態度悪い店員がいることもあり、日々ストレスがたまりやすいですよ」
今回の投稿は話題を呼んだ。「マンション前の道路に置き配するしかないか、、、」「マンションに配達するんだからマンション敷地に停めるのが当然だと思うが」「まぁやっぱりUberが無断駐車するのが多いからデカ文字なんじゃないですかね」などさまざまな反応が。さらには、「この貼り紙見た時イラッとしました」「わかるーーwww」「そんなに配達員毛嫌いするなら、一階の外に置き配用スペース作って、住民に取りに来させればいいのに。こっちも時間かけて玄関前まで行きたくないわ」といった共感の声も寄せられた。
らんらんるーさんがどうしても気になってしまったのが、1社の業者名が赤字で大きく掲示されている点だ。「それが一番不快でしたね。他のタワマンでも同じように『敷地内に止めないで』というところもありますが、今回はここまでわざわざ書かれているので、(投稿を見た)他の配達員からも『イラッと』の同意を集めたのだと思います」と心境を語る。
昨今のデリバリー業界では、一部で過酷な労働環境が指摘され、第三者によるいたずらの可能性もある置き配の大量放置などの問題も出てきている。それに、猛暑続きの厳しい気候の中での配達作業は命に関わる。日々汗を流すらんらんるーさんは「今一番大変なのは暑さです。日焼けの問題や汗やにおいも気になります。雨の日もバイクは運転大変です、、、」と打ち明ける。
賃金面では「配達受注の増減もあり、安定しない仕事であるため、収入も不安定になります」。それだけでなく、一定のスキルが求められる業務内容やコミュニケーションにも難しさがあるといい、「初めて行く店や初めて行くお客さんの家を探しながらの運転は大変です。お客さんの意味不明な配達メモだったり、(商品の)ピックアップ先に態度悪い店員がいることもあり、日々ストレスがたまりやすいですよ」。悩ましい中で、日々仕事に励んでいるという。