俳優の高橋克典が13日、主演を務める23日スタートのNHK BS時代劇『大岡越前7』（日曜午後6時45分）の放送を前に取材に応じ、本作の撮影を振り返った。

　BS時代劇『大岡越前』の放送が始まって10年、本格時代劇として数多くの印象的なエピソードを重ね、ついに第7シリーズを迎えた同シリーズ。新たに主役・大岡忠相として、高橋を迎えた。高橋演じる、情に厚く智力に優れた名奉行の“大岡裁き”を見せる。

　今作の撮影に参加したことに、高橋は「“あの”大岡越前に出演できたこと、本当に感激で、その成功だけを考えていました。新しい、いい時代劇になっているといいなと、心から願っております」と力強く語った。

　作品の感想を問われ、「意外とうまくいったのかなと、ちょっと安心しました」と思わず笑みがこぼれると、「とにかくいろいろやってみるしかないと思っていました。今回の本当に台本作りから監督やスタッフ、共演者のみなさん全員で力を合わせて今回のドラマを作り上げたという実感があります。1話と2話を見て、それを思い起こして胸が熱くなりました」と振り返った。

『大岡越前』といえば、加藤剛さんや前作まで主演を務めた東山紀之氏（現SMILE-UP.社長）なども演じてきたが、「僕が見て育ったのは加藤剛さんが演じた昔の『大岡越前』のイメージなので、自分なりにできたらいいな」と考えて挑んだとし、「今まで関わったすべての人々の思いは背負ってやらなければならない気持ちはありますね。僕ひとりのものではなく、いろんな人の思いを無駄にしないように誠意をもってやろう」と心がけた。

　そのうえで高橋による忠相は「アクティブさがありますね」と説明。「製作陣も含めて、少しそこは意識しています。今までになかったようなことも出てきます。1つはポスターからして違うと思うんですが、ちょっと体を使ったイメージですか。少し強さと言いますか、パワー感を持っている感じです」とアピールした。

　また、「越前（忠相）の出番が多いらしいです。シーンのバリエーションが増えたとスタッフの方から聞きました。大岡の話ってなんでもありなんですよね、世界的に有名な話をもってきたり、いろんな話を時代劇に落とし込んだりできるので、尽きないですね」と今作ならではの魅力もあるという。

　全8話となる今作で「やりきったと思っておりますけど、終わってみると自分のなかで課題は山積で、もっともっと奥深く、彩り豊かに楽しい作品にできる要素はたくさんあったので、そこはたくさん溜まってます」と本音も吐露。「次ができるかどうかはみなさん次第なので、多くの人に楽しんでいただければと思います」と呼びかけると、「こんな大きい役が代表作になればうれしいですね。まだ信じられない気持ちやチャレンジャーな気持ちはあります。撮影は有意義でしたし、楽しかったし、もしできるのならいつまでもやりたい」と続編への期待も語った。